現金選好が9・11以来の高水準、株式は03年以来の弱気-メリル調査

メリルリンチが13日発表した機関投資家 を対象にした調査(運用資産総額5870億ドル、1-7日実施、回答190社) によれば、現金保有を選好する傾向が2001年9月11日の対米同時テロ以降 で最高になっていることが明らかになった。世界的にリセッション(景気後 退)入りへの懸念が強まっていることが背景にある。

株式保有については「アンダーウエート(資産配分モデルを下回る水 準)」にしているとの回答が差し引きで8%と、2003年3月以来で初めて 「オーバーウエート」を上回った。景気下降とインフレ高進が同時進行するス タグフレーションに直面しているとの回答は67%と高かった。

メリルリンチのコンサルタント、デービッド・バウワーズ氏はロンドンで の記者会見で「非常に暗いマクロ経済見通しを背景に、流動性とリスク回避の 水準が極度に高くなっている。次の投資戦略が見いだせない状態だ。透明性も なく、視界も不良だ」と指摘。「スタグフレーションは通常、株式投資にとっ てはあまり良い環境ではない。今回の調査は非常に弱い内容だ」と語った。

世界の株式市場では年初から約6兆3000億ドルの時価総額が消失してい る。信用市場での損失が経済全体に影響し、企業収益の見通しも悪化している ため、MSCI世界指数は年初から9.5%下げた。

現金を「オーバーウエート」にしているとの回答は41%と、対米同時テロ 以来の高水準となった。リスク選好が「通常よりも低い」との回答は51%と、 過去7年余りで最高。

メリルのチーフ欧州株ストラテジスト、カレン・オルニー氏は「悲観的な 材料が3つある。高水準の現金、高いリスク回避傾向、株式選好の終えんだ」 と語った。

世界経済がすでにリセッション入りしているとの回答は16%と、前回の2 倍になった。今後1年以内にリセッション入りする可能性が高いとの回答は 28%と、前回の19%から増えた。

欧州株を「オーバーウエート」にするとの回答は7%と、前回の23%から 減少。6カ月前は60%だった。一方、米国株を「アンダーウエート」にすると の回答は6%と、前回の25%から減少した。新興市場は「オーバーウエート」 にしているとの回答が27%と、引き続き選好されている地域になっている。