東京外為:円もみ合い、米モノライン支援期待-実需のドル売り観測も

午前の東京外国為替市場ではドル・円相場 が1ドル=107円台前半でもみ合った。米金融保証会社(モノライン)の一部支 援案を受けて日米の株価が上昇していることから、リスク回避姿勢が緩和する との期待感を背景に高金利通貨買い・円売りに圧力がかかった。半面、この日 に発表される米小売売上高を見極めたいとの意向や、ドルの上値では実需関連 の売り需要も観測されることから、ドル高・円安の進行は限定された。

新光証券の林秀毅グローバルストラテジストは、米国のモノライン格下げ 問題を背景とした金融不安の広がりが景気全体を圧迫する可能性が懸念されて いただけに、救済の手がかりが増えたことで当面は市場が安定すると指摘。た だ、「米国発の材料が焦点となっているため、東京時間では海外市場での悪材 料に対する不安が残り、積極的な取引に踏み込みにくい」といい、円の下げ渋 りにつながったという。

円は下げ渋り

この日のドル・円相場は米モノラインの一部支援案を受けて米株高・円安 が進んだ海外市場の流れを引き継ぎ、107円台前半で取引を開始。早朝に107円 21銭(ブルームバーグ・データ参照、以下同じ)を付けたあとは、午前8時半 過ぎには107円42銭まで円が水準を切り下げた。

しかし、その後は積極的に円の下値を追う動きもみられず、もみ合いが続 いたが、午前11時40分に107円06銭まで円が上昇した。一方、ユーロ・円相 場は前日の海外市場で1ユーロ=157円02銭と、5日以来、1週間ぶりの水準 までユーロ高・円安が進行。この日は156円台前半で推移している。

メリルリンチ日本証券外国為替部の今泉光雄ディレクターは、米国の悪材 料に対する反応が鈍くなってきているなかで、モノライン支援に絡むニュース が相場を動かす格好になったとして、目先は海外市場の流れを引き継いで円が 軟調に推移すると予想。ただ、「米小売売上高の内容を受けて、米国のリセッ ション(景気後退)懸念を背景とした株安・円高シナリオに変化が生じる可能 性もある」との警戒感から、東京時間日中は積極的な取引が見送られるとみて いる。

また、ドル・円相場は1月中旬以降、108円台に接近する局面でドルの上値 が抑えられており、同水準近辺では「国内輸出企業のドル売り注文がかなり並 んでいるという観測が強い」(今泉氏)。このため、107円台で積極的にドル買 い・円売りを進める動きが出にくい面もある。

米モノライン支援期待で株高

米国の著名投資家ウォーレン・バフェット氏は12日、金融専門局CNBC とのインタビューで、自身が会長を務めるバークシャー・ハサウェイが、モノ ラインのMBIAとアムバック・ファイナンシャル・グループ、FGICが保 証する地方債8000億ドル(約85兆8200億円)相当の再保証を行う申し出をし たことを明らかにした。

これを受けて、同日の米国株式相場は上昇。株価の予想変動率の指標であ るシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX指数) が低下し、投資家がリスク投資を回避する姿勢が和らいだことが示された。

また、バンク・オブ・アメリカ(BOA)やシティグループなど米大手金 融機関6社は12日、住宅差し押さえの回避を目指した新たな支援策を打ち出し ている。ポールソン米財務長官と金融各社がとりまとめた支援策では、一部の 住宅差し押さえ物件を対象に、融資条件の変更が検討される間、30日間にわた り差し押さえが停止される。

外為市場では、リスク選好的な高金利通貨買い・円売りの動きが後押しさ れ、全般的な円売り圧力を背景にドル・円相場は107円53銭(ブルームバーグ・ データ参照、以下同じ)まで円が下落。この日の東京市場でも、日本株の堅調 推移を背景に107円台前半で引き続き円が弱含みに推移している。

ただ、バフェット氏のモノライン支援策がサブプライム(信用力の低い個 人向け)住宅ローン関連証券を含まないことから金融不安が払しょくしきれな いうえ、この日は米国で1月の小売売上高の発表を控えて、サブプライム問題 の個人消費への影響を見極めたいとの意向も強いとみられ、一段の円売りは抑 制されている。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE