12月経常収支黒字は1年ぶりに前年下回る-米国向け輸出など低迷(4)

2007年12月の日本の経常収支黒字額は1年 ぶりに前年同月を下回った。所得収支の黒字幅の拡大基調は続いているものの、 貿易収支は原油相場が高止まりしていることと、米国向けを中心にアジアやE U(欧州連合)向け輸出が鈍化したことを背景に黒字幅が縮小。対米輸出の減 少を他地域が補う構図が崩れつつあるとの見方も出てきた。

財務省が13日発表した国際収支状況によると、12月の経常収支黒字額は前 年同月比4.7%減の1兆6972億円となった。このうち、貿易収支の黒字額は同

16.8%減の1兆134億円と2カ月連続で減少。所得収支の黒字額は同19.6%増 の1兆46億円だった。ブルームバーグ・ニュースが事前に民間エコノミスト30 人を対象に調べた経常収支黒字額の予想中央値は1兆7138億円だった。

経常収支黒字額を構成する貿易収支と所得収支の2本柱のうち、貿易収支 は原油高に伴い輸入額の増加が続いている一方で、輸出は米サブプライム(信 用力の低い個人向け)住宅ローン問題による米国経済の減速の影響を受け、米 国向けを中心に拡大ペースが足踏みしている。

07年12月の貿易統計速報(通関ベース)では、全体の貿易黒字額は2カ月 連続で減少しており、このうち対米輸出は4カ月連続で減少。これまでは、米 国向けの輸出の落ち込みを他地域で支えていたが、昨年末からアジアやEU向 け輸出の伸び率も1けた台の小幅増にとどまっている。

ABNアムロ証券の西岡純子シニアエコノミストは「輸出の伸びが鈍化し ており、今後も黒字幅の縮小圧力がかかりやすい」としたうえで、「サブプライ ム問題が新興国にも需要の減退という形で影響を与え始めている。アジアの需 要は引き続き堅調だが、輸出がどんどん伸びる環境にはない」と指摘。米国経 済が減速しても新興国が成長を補うデカップリング(非連動)シナリオが崩れ つつあるとの見方を示した。

第一生命経済研究所の柵山順子副主任エコノミストは発表前のリポートで、 経常黒字が前年を下回ると予想したうえで、「輸出はアメリカ向けが引き続き減 少したことに加え、欧州向けやアジア向けも伸びが鈍化するなど、主要地域で そろって拡大ペースが減速した」と指摘。原油価格高騰に伴う貿易黒字額の縮 小に拍車をかけたとの見方を示していた。

12月の貿易収支のうち輸出額は前年同月比7.1%増の7兆785億円。輸入 額は同12.5%増の6兆650億円で過去最高だった。季節調整済みでは、経常黒 字額は前月比14.3%減の1兆8550億円、貿易黒字額は同40.5%減の7118億円。

07年の経常収支は2年連続で過去最高を更新

同時に発表された07年通年の国際収支状況では、経常黒字額は前年比

26.0%増の25兆12億円となり、2年連続で過去最高を更新した。貿易収支は 同30.8%増の12兆3791億円と黒字幅が3年ぶりに拡大。所得収支は同18.4% 増の16兆2730億円となり、黒字幅が過去最大となった。