2月12日の海外株式・債券・為替市場(2)

(米国市場を更新します)

○米国株:続伸。投資家ウォーレン・バフェット氏が提案した地方債の 再保証が金融保証会社(モノライン)支援につながるとの見方から、 金融株の主導で上げた。

バフェット氏が米金融専門局CNBCとのインタビューで、モノラ インが保証する地方債8000億ドル(約85兆8200億円)相当の再保険を 引き受ける用意があると述べたことを受けて、シティグループやバン ク・オブ・アメリカ(BOA)が上昇した。

地域通信のクエスト・コミュニケーションズ・インターナショナル とビール醸造のモルソン・クアーズ・ブルーイングは利益がアナリスト 予想を上回ったことが好感され高い。

セキュリティ・グローバル・インベスターズで110億ドルの資産運 用に携わるマーク・ブロンゾ氏はバフェット氏の申し出について「信用 問題の一部に対する解決となり得る」と指摘。「そのため市場は良い反 応を示した」と述べた。

JPモルガン・チェースが中国の検索サイト最大手、百度(バイデ ュ・ドット・コム)の売上高が伸びない可能性を指摘したことを嫌気し、 S&P500種株価指数とダウ工業株30種平均は上昇分を縮小。ナスダッ クは前日比ほぼ変わらずとなった。

S&P500種株価指数終値は前日比9.73ポイント(0.7%)上げて

1348.86。一時は前日比1.7%高まで買われた。ダウ工業株30種平均は 同133.40ドル(1.1%)高の12373.41ドルとなった。一時は同229ドル 上昇する場面もあった。ナスダック総合指数は0.02ポイント下落し

2320.04。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の騰落比率は2対1。欧 州ならびにアジアの主要株価指数も上昇した。

モノライン

モノライン各社は保証する2兆4000億ドルの債務支払いに十分な資 金を有していないとの懸念を受けて、S&P500種は年初来7.9%下落し ている。モノライン最大手のMBIAは11日までの1年間に80%下落。 アムバックもモノライン各社が「AAA」の格付けを失うとの懸念を背 景に同88%下げている。

金融株価指数は前日比1.4%上昇と、S&P500種の業種別10指数 中で最も堅調だった。シティグループとBOAの上昇に加え、格付け会 社2位のムーディーズも6.3%上げた。

バフェット氏の提案

バフェット氏はMBIAとアムバック、FGICの地方債の再保険 引き受けを申し出たことを明らかにした。バフェット氏はCNBCとの インタビューで、自身が会長を務めるバークシャー・ハサウェイがこう した債務に対する再保険を提供すると述べた。申し出を受けた1社は既 にこの提案を断り、他の2社はまだ回答していないという。

MBIAとアムバックは下落。バフェット氏の申し出で10-12月 (第4四半期)に50億ドルを上回るの損失につながった住宅ローン担保 証券が残されることになるとの懸念が背景だった。

ミラー・タバク(ニューヨーク)の株式ストラテジスト、ピータ ー・ブックバー氏は銀行にとっては、債券が「モノライン各社によって 保証され、さらにバフェット氏が再保険を引き受けるのであれば、AA Aの格付けに自信が持てるはずだ」と述べた。その上で「しかし、これ はモノライン各社にとっては非常に収益性の高い事業で、バフェット氏 による再保険のために、本来同事業から獲得できるプレミアムを譲り渡 すことになる」と説明した。

また、住宅差し押さえ回避を支援する計画の発表も、金融株の買い 材料となった。バンク・オブ・アメリカ(BOA)やシティグループな ど米大手金融機関6社はこの日、住宅差し押さえの回避を目指した新た な支援策を打ち出した。

ポールソン米財務長官と金融各社がとりまとめた支援策では、一部 の住宅差し押さえ物件を対象に、融資条件の変更が検討される間、30日 間にわたり差し押さえが停止される。ポールソン財務長官とジャクソン 住宅都市開発長官は記者会見で、今回の計画「プロジェクトライフライ ン」が住宅ローンのデフォルト(債務不履行)で混乱した地域社会の安 定支援につながるとの見解を示した。

クエスト

クエスト・コミュニケーションズ・インターナショナルは前日比

2.9%高。同社が発表した07年10-12月(第4四半期)決算は、前年同 期比で89%の増益だった。

○米国債:10年債は反落。米投資家ウォーレン・バフェット氏が金融保証会社(モ ノライン)の保証する地方債 8000億ドル(約85兆8200億円)相当の再保証を申し出たことが明らかにな り、安全資産としての米国債に売りが出た。

米連邦公開市場委員会(FOMC)が3月18日の定例会合で0.75ポイ ントの利下げを実施するとの見方が後退したことも売りを誘った。バフェット 氏の計画を好感して株価が上昇し、相対的な国債の魅力が弱った。

モルガン・スタンレーの金利ストラテジスト、ジェーソン・スティパノフ 氏は「バフェット氏の申し出で米国債市場から資金がいくらか流出する可能性 がある。米国債の主な支援材料の1つはモノライン業界に関する不透明感だ」 と述べた。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後4時 10分現在、10年債利回りは前日比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01 ポイント)上昇して3.65%。10年債価格(表面利率3.5%、2018年2月償 還)は9/32下げて98 23/32。2年債利回りはほぼ変わらずの1.91%。

モノラインは消極的

バフェット氏は米金融専門局CNBCとのインタビューで、自身が会長を 務めるバークシャー・ハサウェイが、MBIAとアムバック・ファナンシャ ル・グループ、FGICの保証する地方債の再保証を申し出た。今回の提案に はサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン関連証券は含まれないと いう。同氏は申し出を受けた1社は既にこの提案を断り、他の2社はまだ回答 していないと語った。

RBCキャピタル・マーケッツの米国債トレーダー兼ストラテジスト、シ ョーン・マーフィー氏は「バフェット氏の提案が地方債市場で支援材料になっ ている。モノライン各社が提案を断ったとしても、同業界には価値があるとの 認識につながり、別の解決方法がみつかるかもしれない」と語った。

ただ、米国株が伸び悩むと、国債相場は下げ渋った。S&P500種株価指 数は0.7%高、ダウ工業株30種平均は1.1%上昇した。

メリルリンチが集計した指数によると、全残存期間の米国債の投資収益率 は年初から2.9%と、1988年以来で最高となった。サブプライム関連損失に より、モノラインが最高格付けを失い、保証する資産の価値が減少するとの思 惑が年初からの米国債買いにつながっている。

金融政策に敏感な2年債利回りはFOMCが昨年9月に利下げを始めて以 来、2.3ポイント低下している。10年債利回りを174bp下回っており、利 回り差は2004年以来で最大。

「正常化」

カンバーランド・アドバイザーズのポートフォリオマネジャー、ジョン・ ムッソー氏はバフェット氏の申し出について「市場を正常化し得る数多くの対 策のうちの1つだ。米国債が過大評価されているのは明らかだ」と指摘した。

シカゴ商品取引所(CBOT)のフェデラルファンド(FF)金利先物相 場の動向によると、3月18日にFOMCがFF金利の誘導目標を3%から

2.25%に引き下げる確率は30%。前日は32%だった。0.5ポイントの利下げ 確率は70%。

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は12日、共和党上院議 員との非公開の会合で、米国はリセッション(景気後退)入りを回避するとの 楽観的な見通しを示した。チャールズ・グラスリー上院議員(共和、アイオワ 州)が同日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで明らかにした。

議長はまた、議会で可決された景気刺激法案が「助け」になるとみており、 必要に応じて景気を下支えするため、追加的な利下げを実施することに前向き な考えを示したという。

○NY外為:ユーロが円とドルに対して上昇。今月に入って最大の値上がりだっ た。ドイツで発表された2月の景況感指数(期待指数)が予想に反して前月比で 上昇したことから、欧州は米景気悪化の影響を持ち応えるとの見方につながった。

シュタインブリュック独財務相がこの日、トリシェ欧州中央銀行(EC B)総裁は金融政策のスタンスを中立に変更しないだろうと述べたことから、 ユーロはさらに上昇した。投資家のウォーレン・バフェット氏が米金融専門局 CNBCとのインタビューで金融保証会社(モノライン)が保証する地方債の 再保証を申し出たことを明らかにしたことから、株式相場が上昇、円は売られ た。

ワコビアのシニア為替トレーダー、アラン・カッバーニ氏は、「明るいニ ュースが欧州から出てきたことでユーロ買いにつながった。ECBが近く利下 げを実施するとは思わない。市場参加者は、利下げ見通しを前提にユーロを取 引し、やや過剰に反応していた」と語った。

ニューヨーク時間午後4時19分現在、ユーロは円に対して156円52銭ま で上昇、前日は155円30銭だった。この日は1月28日以来で最大の値上がり だった。ユーロはドルに対しては1.4582ドルと、前日の1.4519ドルから上昇 した。円は対ドルで107円33銭と、前日の106円96銭から下げた。

ドル堅調、円下落

チャールズ・グラスリー米上院議員(共和党、アイオワ州)がブルームバー グ・テレビジョンとのインタビューで、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FR B)議長と共和党議員との会合について言及し、バーナンキ議長は上半期の米景 気は減速しても、その後は「かなり劇的に回復する」との見方を示したことを明 らかにした。ドルはこの後も円に対して堅調に推移した。

バフェット氏はMBIAとアムバック・ファイナンシャル・グループ、FG ICが保証する地方債8000億ドル(約85兆8200億円)相当の再保証を申し 出たと明らかにした。同氏は申し出を受けた1社は既にこの提案を断り、他の2 社はまだ回答していないと語った。これを受けて、円はさらに下落した。

MBIAとアムバック、FGICの3社は「AAA」格下げの危機に直面し ており、実際に引き下げとなれば、地方債の発行に支障を来たす。

豪ドルは円に対して96円89銭(前日は96円65銭)。一時は97円52銭 と、1カ月ぶりの高値を記録した。オーストラリア準備銀行がインフレ抑制のた めに利上げを継続するとの見方が背景だ。

日本の政策金利は0.5%。これに対しユーロ圏は4%、米国とオーストラリ アはそれぞれ3%と7%となっている。

ドイツ景況感指数

ドイツの欧州経済研究センター(ZEW)が発表した2月のドイツ景況感指 数(期待指数)は、マイナス39.5に改善した。前月はマイナス41.6と、15年 ぶりの低水準に落ち込んでいた。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミ スト32人の予想中央値では、2月はマイナス45.0への低下が見込まれていた。

○英国債:2年債相場が3週間ぶりの大幅下落となった。米投資家ウォーレン・ バフェット氏が米金融保証会社(モノライン)数社が保証する地方債の再保証を 申し出たことを背景に株式相場が上昇、これを受けて安全投資としての国債需要 が減退した。

1月の英消費者物価指数が2.2%上昇と、12月の2.1%上昇から伸びが加 速したことを背景に、イングランド銀行が利下げを見送るとの観測が広がった。

インベステック・アセット・マネジメント(ロンドン)の世界債券責任者ジ ョン・ストップフォード氏は「バフェット氏のニュースで他の国債相場とともに 英国債も打撃を受けた」と指摘。「英国内にインフレ圧力が存在する兆候がみら れ、英国債は明らかに苦戦している」と語った。

2年債利回りはロンドン時間午後5時10分現在までに、前日比14ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し4.25%。同国債(2009年12月償還、 表面利率5.75%)価格は0.24ポイント下げ102.58。10年債利回りは11bp 上げ4.60%。

○欧州債:相場は下落。2月のドイツ景況感指数が予想に反して改善したことを 受け、欧州経済は米景気減速の影響から免れるとの見方が強まった。

米投資家ウォーレン・バフェット氏が米金融保証会社(モノライン)のMB IAとアムバック・ファイナンシャル・グループ、FGICが保証する地方債の 再保証を申し出たと明らかにしたことも、国債相場の圧迫要因となった。また欧 米の株式相場がアジア株式相場につれ高となったことを背景に、安全投資として の国債需要が減退した。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループの債券戦略責任者、ジ ョン・ワイス氏(ロンドン在勤)は「今週初めから、市場には倦怠感が台頭し始 めており、一段高を試みようとする強い意欲は見られなかった」と指摘した。

2年債利回りはロンドン時間午後4時12分までに、前日比9ベーシスポイ ント(bp、1bp=0.01%)上昇し3.15%となった。同国債(2009年12月 償還、表面利回り4%)価格は同0.16ポイント下げて101.46。10年債利回り も9bp上げ3.96%。

--*ニューヨーク・ニューズルーム   (1)(212) 893-3007

種類別ニュース: 為替 NI FRX 、 NI JFRX、 NI FX NI KAWASE 経済 NI ECO 、 NI JNECO 、 NI JEALL 中央銀行 NI CEN 、 NI JCEN EMU(欧州経済通貨同盟) NI EMU 英国債 NI GLT 債券 NI BON 国債 NI GBN   欧州国債 NI EUB マネーマーケット NI MMK 英国経済 NI UKECO 米国債 NI USB 米国株 NI USS 株式 NI STK 米国預託証券(ADR) NI ADR ミューチュアル・ファンド NI FND 欧州国債 NI EUB 独債券 NI BND 仏債券 NI OAT 英国債 NI GLT 伊国債 NI BTP スペイン国債 NI SMB ベルギー国債 NI BBB オランダ国債 NI NAB 金融市場 NI JMALL 海外市況 NI TOPJF トップニュース NI TOP、 NI TOPJ 海外トップニュース NI TOPKAIGAI