大和SMBC:PE投資2000億円増額、中国など-収益構造転換へ(5)

大和証券グループ本社と三井住友フィナン シャルグループの合弁で法人専門の大和証券SMBCは、自己資金を未公開企業 などに投資するプライベートエクイティ(PE)業務を強化する。投資枠を 2000億円増額して6000億円まで拡大、中国の成長企業などに投資して高い投資 収益を狙う。引き受け業務の低迷などを補うため収益構造の転換を図る。

大和SMBCの吉留真社長がブルームバーグ・ニュースとのインタビューに 答えて明らかにした。増額分については「ここ1年ぐらいで乗せていかなければ ならない」と強調。香港支店などを通じてIT(情報技術)や通信、外食、運輸 業界の非公開企業に出資するほか、国内の成長企業にも投資する。投資金額に対 する利回り(IRR、内部投資収益率)は15%を目指すという。

M&A助言も強化

PE業務を手掛ける大和プリンシパル・インベストメンツの投資残高は三洋 電機やHMVジャパンなどを含めて2007年12月末で4080億円。投資枠は大和 グループ本社の鈴木茂晴社長が1月21日に都内で開催した個人投資家向け説明 会で5000億円に拡大する方針を示したばかりだが、さらに1000億円を積み増す ことになった。

大和SMBCの第3四半期(07年10-12月)の業績は、米サブプライム (信用力の低い個人向け)住宅ローン問題を背景にした市場混乱で株式関連の引 き受け手数料が前年同期比90%減に低迷し、連結純利益は同76%減と急減した。 吉留社長は現在の収益構造では「成り立たない」として、今後はPEだけでなく M&A(合併・買収)助言などの投資銀行業務を強化する方針だ。

いちよし投資顧問の秋野充成運用部長は、中国への投資で米ゴールドマン・ サックスなど世界トップと競合することは「一朝一夕にはできない」としながら も、サブプライム問題で欧米金融機関がつまずく中で、中国での存在感を高める のは得策とみる。ただ、実際の投資は「ハイリスク・ハイリターンで競争も激し く、成長企業を見極める選別眼が重要」としている。

海外では三井住友銀と連携

海外では特に中東に力を入れる意向で、現在の10倍となる1500万人への人 口拡大を目指してビル建設や鉄道、空港、電力設備などのインフラ整備を進める ドバイに昨秋、支店を開設した。昨年末に現地訪問した吉留社長は「現地では技 術力のある日本企業の評価が高い」とし、現在、中東の政府系投資会社と日本企 業への出資案件獲得などに向け協議を進めていることを明らかにした。

今春にはPE、M&A両部門の人員を他部門からの配置転換などでそれぞれ 10%程度増員する方針という。海外案件の獲得では大手証券とメガバンクの合弁 (大和60%、三井住友40%)という利点を生かし、三井住友銀行の取引先企業 などへのアプローチを強化する。PEとM&Aから稼ぎ出す収益の割合はゴール ドマンの約2割に対して大和SMBCは10%程度にとどまっている。

大和証G株式の12日終値は、前週末比7円(0.8%)安の890円、三井住友 FG株は同3000円(0.4%)高の77万9000円。