2月11日の海外株式・債券・為替市場(2)

(米国市場を更新します)

米国株:上昇。原油価格の高騰でエネルギー関連株が押し上げられた。 一方、保険最大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG) が一部金融資産の価値を過大評価していたと明らかにしたことから、金融 機関の評価損がさらに拡大するとの懸念が広がった。

エクソンモービルやコノコフィリップスを中心にエネルギー株は3 営業日続伸となった。特に石油大手シェブロンはダウ工業株30種平均の 構成銘柄に採用されたことが手がかりとなり、買いが集まった。

AIGは1987年以来最大の下げ。同社は会計監査の結果、クレジッ ト・デフォルト・スワップ(CDS)ポートフォリオの会計処理に重大 な脆弱(ぜいじゃく)性があることが明らかになったと開示した。米生 命保険2位のプルデンシャル・ファイナンシャルと銀行大手のJPモル ガン・チェースも下げた。

S&P500種株価指数終値は前週末比7.84ポイント(0.6%)上げ て1339.13。ダウ工業株30種平均は57.88ドル(0.5%)高の12240.01 ドルとなった。ナスダック総合指数は15.21ポイント(0.7%)上昇し

2320.06。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の騰落比率は9対7。

マニング・ナピアー・アンド・アドバイザーズで約150億ドルの資 産運用に当たるクリスチャン・アンドリーチ氏は「ある程度、無差別の 売りが見られていたことから、魅力的な株価水準になった」と指摘。 「このところテクノロジー株は人気がなかったことから市場参加者が買 い戻している」と述べた。

エクソン、コノコ

S&P500種株価指数のエネルギー株価指数は昨年32%上昇と、業種 別10指数中で最も堅調だった。世界の景気拡大で需要が世界中で強かっ たことが背景。テクノロジー株価指数は昨年16%上昇したが、今年に入 り上昇分をすべて失った。

ニューヨーク原油先物相場は1カ月ぶりの高値を付けた。製油所最 大手のバレロ・エナジーが10日、強風の影響で電力障害が発生したため、 デラウェア州の製油所を閉鎖したことが買いを誘った。ニューヨーク商 業取引所(NYMEX)で取引される原油先物3月限は前週末比1.82ド ル(1.98%)高の1バレル=93.59ドル。

米ダウ・ジョーンズはダウ工業株30種平均の構成銘柄に銀行大手バ ンク・オブ・アメリカ(BOA)と石油大手シェブロンを加えると発表。 シェブロンは高く引けたものの、BOAは下落した。両社株式は今月19 日にダウ平均構成銘柄に採用され、たばこのアルトリア・グループと航 空機制御装置最大手のハネウエル・インターナショナルと入れ替わる。

ダウ構成銘柄入れ替え

アルトリアとハネウエルはともに下げた。ダウ・ジョーンズの発表 によると、アルトリアが昨年3月に食品加工の米クラフト・フーズをス ピンオフ(分離・独立)させた後、来月は海外部門をスピンオフするこ とが銘柄入れ替えの一因。また、ハネウエルについては、米株式市場で の鉱工業株の役割がここ数年弱まっていることと、ハネウエルの売上高 ならびに利益が他の構成銘柄と比較して最も小さいことを理由に挙げた。

テクノロジー株は堅調。ヤフーの取締役会は1株当たり31ドルのマ イクロソフトの買収提示額について、「著しく価値を過小評価してい る」と判断した。ヤフーは2.3%高。マイクロソフトは売られた。

米最大の携帯電話メーカー、モトローラは上昇。ウォールストリー ト・ジャーナル(WSJ)紙がモトローラと北米最大の通信機器メーカ ー、カナダのノーテル・ネットワークスが無線インフラ部門統合に向け て交渉に入っていると報道したことが手がかりとなった。ノーテルの広 報担当者ジェイ・バータ氏と、モトローラのケリー・ハーダー氏のコメ ントは得られていない。ノーテルは下げて引けた。

自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は前週末比5.1%高。バ ーンハム・セキュリティーズのアナリスト、デービッド・ヒーリー氏は GMの1株当たり利益が2010年までには12.75ドルになる可能性がある と指摘。海外生産台数の拡大などを理由に挙げた。ブルームバーグの調 査によると、GMが12日に発表する07年10-12月(第4四半期)決算 では1株当たり64セントの損失が予想されている。

○米国債:相場は上昇。アメリカン・インターナショナル・グループ(AI G)が会計監査の結果、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)ポ ートフォリオの価値を過大評価していたことを開示した。これを受けて安 全資産買いが入った。

米連邦公開市場委員会(FOMC)が3月18日の定例会合で少なくとも

0.5ポイントの利下げを実施するとの思惑を背景に、中長期国債は2営業日と しては昨年12月28日以来で最大の上げとなった。サブプライム(信用力の低 い個人向け)住宅ローン関連証券の損失が拡大するとの思惑から、今年はどの 期間の米国債も過去20年で最高の滑り出しとなった。

イートン・バンス・マネジメントの米国債トレーダー、スチュワート・テ イラー氏(ボストン在勤)は「サブプライム問題はまるでタコのようだ。封じ 込めたと思っていたら、別の足につかまれる始末だ」と述べた。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後5時 現在、10年債利回りは前週末比3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01 ポイント)低下して3.61%。10年債価格(表面利率3.5%、2018年2月償 還)は9/32上げて99 1/32。2年債利回りは2bp低下の1.92%。

シカゴ商品取引所(CBOT)のフェデラルファンド(FF)金利先物相 場が示す3月18日にFOMCが0.75ポイントの利下げを実施する確率は 30%。0.5ポイントの利下げ確率は70%。FOMCが緊急利下げを実施した 翌日の1月23日、10年債利回りは3.29%と、2003年6月以来の最低を記 録した。

AIG

規制当局への届出文書によると、AIGの昨年10月と11月のCD Sポートフォリオの価値は約48億8000万ドル(約5210億円)減少。 減少幅は12月時点の予想の4倍となった。同社は会計処理に重大な脆弱(ぜ いじゃく)性があり、07年12月期末のCDS契約の評価損を完全には見極め ていないことを明らかにした。

住宅不況と金融機関による評価損計上により、米国債の需要が高まってい る。メリルリンチが集計した指数によると、全期間の米国債の投資収益率は年 初から8日までに2.7%と、1988年以来で最高となった。

MFRの市場アナリスト、カール・スティーン氏は「週ごとにサブプライ ム関連ニュースが相場を動かしており、米国債は堅調になっている。米国債が 唯一の安全資産とみなされている」と述べた。

AIGの開示により、CDSが示す社債保有リスクが過去最高となり、欧 米の主要CDS指数は2004年の取引開始以来で最高まで上昇した。

「信用バブル」

RBCキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、T・J・マータ氏 は「市場はこれが単なる住宅問題ではなく、大規模な信用バブルであることに ようやく気付き始めている」と指摘した。

2年債よりも10年債が買われ、利回り差は1.70ポイントと7営業日ぶ りに縮小した。8日には2004年以来で最大の1.72ポイントまで拡大してい た。2%を下回る2年債利回りを受け、期間の長い国債に需要が流れたため、 利回り曲線は平たん化した。

○NY外為:円が対ドルで上昇。今月に入り最大の値上がりだった。先週末、東 京で開かれた7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)の参加国が金融市場のさ らなる混乱に警戒感を示したことから、投資家は低金利の円で資金を調達し、高 金利の通貨で運用するキャリー取引を解消した。

円は年初から、ユーロとドルに対して4.6%以上値上がりしている。今回の G7会合では、世界的に銀行が計上する米サブプライム(信用力の低い個人向 け)住宅ローンの損失に絡む評価損は4000億ドルと予想された。豪ドルは同 国中銀が政策金利の据え置きを示唆したことから上昇した。

RBSグリニッチ・キャピタル・マーケッツの北米国際通貨ストラテジスト、 アラン・ラスキン氏は「市場参加者はこの状況でリスクある取引は問題になる と感じている。G7の声明はさらに悪い材料が出てくることを示した」と語っ た。

ニューヨーク時間午後4時4分現在、円はドルに対して106円93銭まで上 昇、 先週末は107円30銭だった。1月30日以来で最大の値上がりだった。円はユ ーロに対しては155円29銭(前週末は155円71銭)に上昇した。ユーロはド ルに対して1.4523ドル、前週末は1.4504ドルだった。

G7声明

G7声明では、米住宅市場や融資基準の厳格化を含む「下振れリスクは依然 として存在している」と述べた。

米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)がクレジ ット・デフォルトスワップ(CDS)の価値を過大評価していたことを明らかに したことが材料となり、円は朝方に値上がりしたが、その後、米国株高で値上が り分を削られた。

豪ドルは対米ドルで0.1%上げて90.46米セント。オーストラリア準備銀 行のインフレ見通し引き上げたが手掛かり。

円は南アフリカ・ランドに対しては0.3%上昇した。キャリー取引の運用通 貨として利用されるランドだが、同国の電力不足により貴金属および鉱石の採掘 に障害が出ていることが嫌気され、ランドを使ったキャリー取引は損なわれてい る。ランドは今月、円に対して約3.3%下落し、1ランド=13円74銭となって いる。

インプライドボラティリティ

1カ月物ドル・円オプションのインプライドボラティリティ(IV、予想変 動率)は12.2%と先週末の11.58%から上昇した。ボラティリティが上昇すれ ば、キャリートレードが解消される可能性がある。

カナダ・ドルは主要16通貨すべてに対して下落。カナダ銀行のカーニー新 総裁が一段の利下げを示唆したことが嫌気された。カナダ・ドルは円に対して106 円75銭と、前週末の107円40銭から下落した。

ユーロは対ドルでの値上がり分を失った。トレーダーが欧州中央銀行(EC B)の年内利下げを予想したのが背景。欧州銀行間貸出金利(EURIBOR) 先物12月限利回りは3.31%と、1週間前の3.64%から低下した。

○英国債:相場は下落。11日発表の英生産者物価指数(PPI)統計で、1月の 出荷価格が前年同月比で1991年以来の上昇率となった。これを受け、イングラ ンド銀行が追加利下げを見送るとの観測が広がった。

保険最大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)のクレジ ット・デフォルトスワップ(CDS)資産構成の評価で「重大な欠陥」が明らか になったことを受け、国債相場は下げ幅を縮小する場面もあった。

2年債利回りはロンドン時間午後4時20分現在までに、前週末比8ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し4.12%。一時は9bp上げ、先月 25日以降で最大の上昇となった。同国債(2009年12月償還、表面利率5.75%) 価格は0.15ポイント下げ102.82。10年債利回りも8bp上げ4.50%。

○欧州債:2年債相場が3営業日続伸し、利回りは2006年3月以来の低水準に 近付いた。保険最大手の米アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG) のクレジット・デフォルトスワップ(CDS)会計処理でぜい弱性が明らかにさ れたことを受け、安全投資としての国債需要が高まった。

9日に東京で開かれた7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で、世界経 済が減速するとの警戒感が示されたことも、国債相場の支援要因となった。

野村インターナショナルの欧州金利戦略責任者、チャールズ・ディーベル氏 (ロンドン在勤)は、投資家らは「信用に関する一連の悪材料を基に取引してい る」と指摘。「金融セクターではバランスシートに対するトラウマが続いており、 これが債券相場を現行水準に支えている」と語った。

2年債利回りはロンドン時間午後5時5分までに、前週末比1ベーシスポイ ント(bp、1bp=0.01%)低下し3.07%となった。一時は6bp下げた。 同国債(2009年12月償還、表面利回り4%)価格は同0.02ポイント上げて

101.63。一方、10年債利回りは1bp上げ3.87%だった。

--*ニューヨーク・ニューズルーム   (1)(212) 893-3007

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