NY外為(11日):円が対ユーロ、対ドルで上昇-キャリー取引解消(3)

ニューヨーク外国為替市場では円が対ドル で上昇。今月に入り最大の値上がりだった。先週末、東京で開かれた7カ国財 務相・中央銀行総裁会議(G7)の参加国が金融市場のさらなる混乱に警戒感 を示したことから、投資家は低金利の円で資金を調達し、高金利の通貨で運用 するキャリー取引を解消した。

円は年初から、ユーロとドルに対して4.6%以上値上がりしている。今回の G7会合では、世界的に銀行が計上する米サブプライム(信用力の低い個人向 け)住宅ローンの損失に絡む評価損は4000億ドルと予想された。

RBSグリニッチ・キャピタル・マーケッツの北米国際通貨ストラテジスト、 アラン・ラスキン氏は「市場参加者はこの状況でリスクのある取引は問題にな ると感じている。G7の声明はさらに悪い材料が出てくることを示した」と語 った。

ニューヨーク時間午後4時4分現在、円はドルに対して106円93銭まで上昇、 先週末は107円30銭だった。1月30日以来で最大の値上がりだった。円はユ ーロに対しては155円29銭(前週末は155円71銭)に上昇した。ユーロはド ルに対して1.4523ドル、前週末は1.4504ドルだった。

G7声明

G7声明では、米住宅市場や融資基準の厳格化を含む「下振れリスクは依然 として存在している」と述べた。

米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)がクレジ ット・デフォルトスワップ(CDS)の価値を過大評価していたことを明らか にしたことが材料となり、円は朝方に値上がりしたが、その後、米国株高で値 上がり分を削られた。

豪ドルは対米ドルで0.1%上げて90.46米セント。オーストラリア準備銀行の インフレ見通し引き上げたが手掛かり。

円は南アフリカ・ランドに対しては0.3%上昇した。キャリー取引の運用通 貨として利用されるランドだが、同国の電力不足により貴金属および鉱石の採 掘に障害が出ていることが嫌気され、ランドを使ったキャリー取引は損なわれ ている。ランドは今月、円に対して約3.3%下落し、1ランド=13円74銭とな っている。

インプライドボラティリティ

1カ月物ドル・円オプションのインプライドボラティリティ(IV、予想変 動率)は12.2%と先週末の11.58%から上昇した。ボラティリティが上昇すれ ば、キャリートレードが解消される可能性がある。

カナダ・ドルは主要16通貨すべてに対して下落。カナダ銀行のカーニー新 総裁が一段の利下げを示唆したことが嫌気された。カナダ・ドルは円に対して 106円75銭と、前週末の107円40銭から下落した。

ユーロは対ドルでの値上がり分を失った。トレーダーが欧州中央銀行(EC B)の年内利下げを予想したのが背景。欧州銀行間貸出金利(EURIBO R)先物12月限利回りは3.31%と、1週間前の3.64%から低下した。