米国債(11日):10年債利回り3.61%-AIG会計問題開示で買い

米国債相場は上昇。アメリカン・インタ ーナショナル・グループ(AIG)が会計監査の結果、クレジット・デフォル ト・スワップ(CDS)ポートフォリオの価値を過大評価していたことを開示 した。これを受けて安全資産買いが入った。

米連邦公開市場委員会(FOMC)が3月18日の定例会合で少なくとも

0.5ポイントの利下げを実施するとの思惑を背景に、中長期国債は2営業日と しては昨年12月28日以来で最大の上げとなった。サブプライム(信用力の低 い個人向け)住宅ローン関連証券の損失が拡大するとの思惑から、今年はどの 期間の米国債も過去20年で最高の滑り出しとなった。

イートン・バンス・マネジメントの米国債トレーダー、スチュワート・テ イラー氏(ボストン在勤)は「サブプライム問題はまるでタコのようだ。封じ 込めたと思っていたら、別の足につかまれる始末だ」と述べた。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後5時 現在、10年債利回りは前週末比3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01 ポイント)低下して3.61%。10年債価格(表面利率3.5%、2018年2月償 還)は9/32上げて99 1/32。2年債利回りは2bp低下の1.92%。

シカゴ商品取引所(CBOT)のフェデラルファンド(FF)金利先物相 場が示す3月18日にFOMCが0.75ポイントの利下げを実施する確率は 30%。0.5ポイントの利下げ確率は70%。FOMCが緊急利下げを実施した 翌日の1月23日、10年債利回りは3.29%と、2003年6月以来の最低を記 録した。

AIG

規制当局への届出文書によると、AIGの昨年10月と11月のCD Sポートフォリオの価値は約48億8000万ドル(約5210億円)減少。 減少幅は12月時点の予想の4倍となった。同社は会計処理に重大な脆弱(ぜ いじゃく)性があり、07年12月期末のCDS契約の評価損を完全には見極め ていないことを明らかにした。

住宅不況と金融機関による評価損計上により、米国債の需要が高まってい る。メリルリンチが集計した指数によると、全期間の米国債の投資収益率は年 初から8日までに2.7%と、1988年以来で最高となった。

MFRの市場アナリスト、カール・スティーン氏は「週ごとにサブプライ ム関連ニュースが相場を動かしており、米国債は堅調になっている。米国債が 唯一の安全資産とみなされている」と述べた。

AIGの開示により、CDSが示す社債保有リスクが過去最高となり、欧 米の主要CDS指数は2004年の取引開始以来で最高まで上昇した。

「信用バブル」

RBCキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、T・J・マータ氏 は「市場はこれが単なる住宅問題ではなく、大規模な信用バブルであることに ようやく気付き始めている」と指摘した。

2年債よりも10年債が買われ、利回り差は1.70ポイントと7営業日ぶ りに縮小した。8日には2004年以来で最大の1.72ポイントまで拡大してい た。2%を下回る2年債利回りを受け、期間の長い国債に需要が流れたため、 利回り曲線は平たん化した。