ECBは3月にも利下げへ、政策方針が転換-三菱UFJ証券の矢口氏

三菱UFJ証券の経済調査部シニアエコノ ミスト、矢口満氏は8日付のリポートで、欧州中央銀行(ECB)の金融政策 見通しについて、以下のようにコメントした。ECBは7日の定例政策委員会 で、短期金利の調節手段である短期買いオペ(売り戻し条件付き債券買いオペ =レポ)の応札最低金利を4%で据え置くことを決めた。

トリシェECB総裁は7日の記者会見で、政策委員会では利上げも利下げ も要求する声がなかったことを明らかにし、景気見通しについて「不透明感は 異例に高いままだ」などと指摘し、「最近の指標は経済活動の見通しをめぐる リスクが下向きであることを示している」と語った。

◎トリシェ総裁の発言内容について:

「金融スタンスが『引き締めバイアス』から『中立スタンス』へシフトし たことを示唆すると解釈できる」

◎金融政策の見通しについて:

「従来どおり、3月と4-6月期に利下げがそれぞれ25ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)実施されると予想する。次回3月6日の定例理事会 では、同時にECBスタッフの経済見通しが発表される。それが利下げ転換の 理由付けになろう」

「2008年の実質GDP(国内総生産)成長率の予想が前回昨年12月発表の レンジ中央値2%から下方修正されると予想される。また、金融政策決定にと って重要な2009年のインフレ率の予想は、前回発表と同じ1.8%ないしそれ以 下となり、ECBの目標上限を下回ろう」

「利下げにとって残る障害は、足元の物価高の二次的影響、特に過度な賃 上げのリスクである。労働生産性の高いドイツ製造業はある程度の賃上げを吸 収可能であり、また景気減速に伴い、ユーロ圏内の他国に高い賃上げ率が波及 する懸念は小さい、とみている。その結果、早期の利下げ転換は可能となろう」

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE