株式ヘッジファンドの1月はマイナス4.1%、ゴールドマンも6%損失
Jenny Strasburg、Katherine Burton調査会社ヘッジファンド・リサーチ(HF R)のリポートによると、株式に投資するヘッジファンドの1月の平均運用成 績はマイナス4.1%と、7年余りで最悪だった。世界的な株価下落が響いた。
また、複数の投資家によれば、米ゴールドマン・サックス・グループが1 月に運用を開始したヘッジファンド「ゴールドマン・サックス・インベストメ ント・パートナーズ」も、最初の月に6%を失った。同ファンドは新ファンド として過去最大となる70億ドル(約7520億円)で運用を開始していた。
先進国の株式市場の指標であるMSCIワールド指数は1月の最初の3週 間に9.5%急落し、株式トレーダーは不意をつかれた。値動きの激しい日が多か ったことも、打撃を与えた。1月は21営業日中14日でS&P500種株価指数の 終値の前営業日比変動率が1%を超えた。07年1月にはそのような大幅な動き は1日のみだった。
ファルコン・ポイント・キャピタルのビル・グレーソン社長は「運用者は 1月入りした際、少し油断していた。手荒く揺り起こされたというところだ」 と話した。
1月は、株価上昇と下落の両局面で利益を目指す「ロングショート」ファ ンドにとって、マイナス4.3%の成績となった2000年11月以来で最悪の月だ った(HFRのデータ)。
ヘッジファンド全体は平均で1.8%の損失となり、世界の主要株価指数の 下落率に比べると小幅だった。S&P500種株価指数は1月に6.1%下落、MS CIワールド指数は7.7%下落した。
「マクロ」ファンドは好調
金利や為替・商品相場の動向を予想して投資する「マクロ」ファンドは、 プラス1.7%で業界全体を上回る成績だった。価格差に注目して売買する「アー ビトラージ」ファンドはほぼ横ばい。新興市場に投資するファンドは6%のマ イナスだった。
相場の乱高下は1つには、米金融当局が1月の下旬に2回の利下げを実施 したことが理由だった。米連邦公開市場委員会(FOMC)はフェデラルファ ンド(FF)金利の誘導目標を合計1.25ポイント引き下げ3%とした。1回目 の利下げから月末までに、S&P500種は4%上昇した。
ゴールドマンの新ファンドは同社で自己勘定の株取引を手掛けていたトレ ーダーらが、ラーナン・アガス氏とケネス・エバーツ氏の下で運用している。
1月にはティモシー・ブラケット氏が運用するアティカス・グローバル・ アドバイザーズのファンドも12.5%下落だった。資産家ジョージ・ソロス氏の 下で株式トレーダーとして働いていたピーター・ジェブセン氏が02年に立ち上 げたコンセントリック・ヨーロピアン・ファンドは22%を失った。
ソシエテの影響
クオンティテーティブ・インベストメント・マネジメントのQIMグロー バル・プログラムも7.8%のマイナス。同ファンドの投資家あて書簡は「仏銀ソ シエテ・ジェネラルの大規模なポジション解消が市場のボラティリティを突然 急激に上昇させ、当社のボラティリティも劇的に高まった」としている。
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