東京外為:円小動き、あすのG7控え値動き限定的-107円前半

東京外国為替市場ではドル・円相場が1ド ル=107円台前半を中心に小幅な値動きに終始した。日本株の軟調推移を背景に やや円の買い戻し圧力がかかる局面がみられたものの、9日に7カ国財務相・ 中央銀行総裁会議(G7)を控えて、円の上値は限定された。

みずほコーポレート銀行国際為替部の加辺猛参事役は、あすのG7につい て、「米国のサブプライム(信用力の低い借り手向け)住宅ローン問題に端を 発した金融・経済情勢の不安定化に対して、各国が政策的にどのように協調し ていくかが焦点になる」と指摘。そのうえで、「引き続き円相場は株価に振ら されているといった印象が強い」と言い、G7の声明内容を受けた株価動向が 注目されるとしている。

G7前に午後はこう着感強まる

この日のドル・円相場は、米株反発を背景に円売りが進んだ海外市場の流 れを引き継ぎ、107円台半ば近辺で早朝の取引を開始。朝方には日中の円安値と なる107円51銭(ブルームバーグ・データ参照、以下同じ)を付けた。

しかし、午前の取引序盤から日本株の反落や国内実需の需給要因を背景に、 クロス・円(米ドル以外の通貨と円の取引)を中心に円の買い戻しが進行。対 ドルでは107円15銭、対ユーロでは1ユーロ=155円06銭まで円が水準を切り 上げる場面がみられた。

資産管理サービス信託銀行資金為替部の野村祥宏調査役は、G7に絡む思 惑先行では動きづらく、休暇入りのアジア市場が多いなかで、日本株が数少な い手がかり材料のひとつになっていると指摘。「日経平均株価の上値が重くな ると、リスク収縮に伴う円買いが連想されるうえ、欧州の利下げ観測が強まっ ていることから、ユーロを中心としたクロス・円で円の買い戻しが進みやすい」 と説明する。

午後の取引では、株価が一時1万3000円を割り込むなど、下落幅を拡大す る展開となったものの、G7や日本の3連休を前に円の上値を追う機運は醸成 されず、円はユーロとドルに対して午前に形成されたレンジ内での取引に終始 した。

また、市場では「ドルの材料に一服感があるなかで、欧州の金融政策見通 しに注目がシフトしており、対欧州通貨でドルを買い戻す動きも出やすい」(み ずほコーポ銀・加辺氏)との指摘も聞かれ、対円でのドル下げ渋りにつながっ た面もある。

東京G7、国際協調が焦点

米国のサブプライム住宅ローン問題から派生した世界景気の減速傾向が強 まるなか、あす9日には東京でG7が開かれる。景気減速に歯止めをかけるた めに、積極的な協調姿勢が示されれば、市場に安心感が広がる可能性がある一 方で、現状を確認する程度にとどまれば、失望感につながる懸念も残る。

ソシエテ・ジェネラル銀行外国為替営業部の斎藤裕司部長は、「今回のG 7では、世界景気の減速懸念が強まっている状況下で、為替が議題になる可能 性は低く、国際協調が焦点になる」としたうえで、協調姿勢の強化となれば、 欧州の利下げ圧力が連想され、対ユーロでドルが買い戻される展開もあり得る とみている。

一方で、協調行動については、「すでに進められている資金供給の継続は 確認されると見られるが、金融緩和での協調まで踏み込むとは考えにくい」(三 菱UFJ信託銀行資金為替部・清水昭男グループマネージャー)ともいい、目 新しい対策は期待できず、相場への影響が限定される可能性もある。

ECB利下げ観測でユーロに売り圧力も

ECBは7日の定例政策委員会で、政策金利を4%に据え置くことを決定 した。先行きの政策動向を見極めるうえで注目されていたトリシェ総裁の記者 会見では、年間の物価上昇率について「今後数カ月、2%を上回り続ける可能 性が非常に高く、2008年下半期にわずかに低下する程度だ」と指摘。焦点だっ た景気見通しについては、「金融市場でのリスク見直しが続いており、実体経 済への全体的な影響についての不透明感は異例に高いままだ」との見解を示し た。

景気の先行き不透明感に言及されたことで、利下げの可能性が示唆される 格好となり、前日の海外市場ではユーロ売りが進行。ユーロ・ドル相場は一時 1ユーロ=1.4440ドルと、1月22日以来の水準まで下落し、この日は1.44ド ル台後半でユーロの上値が重い展開が続いた。

ソシエテ・ジェネラル銀の斎藤氏は、「トリシェ総裁がハト派的な姿勢に 転換しており、4月にも利下げという観測が強くなってきている」として、当 面は対ユーロでドルが買い戻されやすい展開を見込んでいる。

--共同取材:柿崎元子 Editor: Norihiko Kosaka, Hidekiyo Sakihama

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