日本株(終了)設備関連中心に反落、機械受注下振れ-東証先物障害も

東京株式相場は反落。取引開始前に発表さ れた2007年12月の機械受注統計が市場予想を下回り、業況の先行きが警戒さ れてファナックやオークマ、ダイキン工業など設備投資関連中心に売り込まれ、 特に東芝機械、住友重機械工業など機械株に東証1部の下落率上位に並ぶ銘柄 が多かった。新日本製鉄や川崎汽船、伊藤忠商事など景気敏感とされる業種へ の売りも目立った。

日経平均株価の終値は前日比189円91銭(1.4%)安の1万3017円24銭、 TOPIXは同17.94ポイント(1.4%)安の1287.14。東証1部の売買高は概 算で23億5225万株、売買代金は2兆7728億円。値下がり銘柄数は1071、値 上がりは543。東証業種別33指数では26業種が下落、7業種が上昇。

ちばぎんアセットマネジメントの大越秀行運用部長は、機械受注が市場予 想を下回ったほか、前日夕方に発表された1月の工作機械受注額も13カ月ぶ りに前年実績割れとなり「セオリー通り機械株が売られたほか、鉄鋼や海運な どの景気敏感株も同時に売りを浴びせられた」と話した。

米株高と円安も不発、ファナックが下落寄与1位

7日の米株式相場は4日ぶりに反発し、ダウ工業株30種平均は0.4%高の

12247.00ドルで終了。一部金融機関や小売り企業の収益見通しが改善したこと が好感された。また外国為替市場では、欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総 裁が米景気鈍化で欧州の景気拡大が抑制される可能性があると述べたことを手 掛かりに、ユーロがドルに対して売られた流れに乗り、円相場もドルに対して 弱含んで推移。こうした外部環境の改善を打ち消したのが、内閣府が午前8時 50分に発表した昨年12月の機械受注統計だった。

12月の機械受注は、国内設備投資の先行指標とされる「船舶・電力を除く 民需」(季節調整値)が前月比3.2%減となった。市場予想中央値(前月比

0.9%減)を下回ったことを受け、コマツや三菱重工業など主力機械株が時間 の経過とともに値を切り下げる展開。コンピューター数値制御(CNC)シス テムや産業用ロボットを手掛けるファナックは、日経平均の下落寄与度1位。 寄与度2位はダイキン工業だった。4日続落で昨年来安値を更新したアマダに ついては、JPモルガンやKBC証券から投資判断引き下げの動きが出ていた。

G7控え、TOPIX先物は終日停止に

日経平均は午後中ごろ過ぎから下げ幅を広げた。東京証券取引所が午前の 取引終了後、システム障害によりTOPIX先物の取引を終日停止にすると発 表したことが嫌気された。また、週末に東京で開かれる7カ国財務相・中央銀 行総裁会議(G7)を控え、「持ち高調整の売りも出た」(日興コーディアル 証券エクイティ部の西広市部長)といい、午後2時過ぎには1万3000円の節 目を一時下回った。

東証の先物障害について、市場関係者の間では「東証のシステム増強、総 合的なバックアップも含めてお粗末なのかも知れない。東証も一生懸命やって いるが、世界の上流からはまだ出遅れている」(いちよし投資顧問の秋野充成 運用部長)と厳しい声も上がっていた。

終値はSQ値維持できず

この日は、オプション2月限の特別清算値(SQ)算出日。取引開始後に 算出された日経平均オプションのSQ値は1万3089円98銭(複数証券調べ) となり、7日の日経平均株価の終値1万3207円15銭を117円17銭下回った。 市場では、「日経平均採用1銘柄当たり90万株程度の売買があり、差し引き で20万株弱の売り越し」(東洋証券の中川祐治デリバティブ・ディーリング 室長)と観測された。今後の相場展開を占う上で、きょうの終値がSQ値を上 回るかどうかに関心を示す向きもあったが、結局同水準を保てなかった。

悲観一色も早晩V字回復へ

ドイツ証券の武者陵司・副会長兼チーフインベストメントオフィサー(C IO)は、足元の相場環境について「米住宅ローン問題をきっかけとした恐怖 が市場心理を支配している」と指摘。株価水準はファンダメンタルズ(経済の 基礎的条件)がまったく反映されていない悲観一色の様相で、「需給要因、信 用収縮懸念によって、多くの金融資産が売られ、株安に至っている」とした。

その上で武者氏は、こうした状況は長く続かないと見ており、「株価は早 かれ遅かれV字回復に向かおう」と予測。景気後退が懸念される米国では在庫、 雇用、設備ともに過剰感は非常に小さく、米景気はどんどんと悪化する条件に ないという。リスクプレミアムがかつてないほど高まっているが、こうした状 況が長く続くことは考えづらく、「世界各国の中央銀行と政府による適切な政 策対応が実施されれば、日経平均は3月末までに1万6000円程度まで戻って も不思議ではない」と、ブルームバーグ・テレビとのインタビューで話した。

モノライン不安で銀行に売り、富士通は下落転換

米金融保証会社(モノライン)の格下げがもたらすリスクが警戒され、み ずほフィナンシャルグループが4%超下げるなど、3大銀行グループは軒並み 安。東証銀行株指数は、TOPIXの値下がり寄与度1位。ドイツの銀行最大 手、ドイツ銀行のヨゼフ・アッカーマン最高経営責任者(CEO)は7日、モ ノライン格下げがもたらすリスクは米サブプライム(信用力の低い個人向け) 住宅ローン市場の崩壊に匹敵するとの見方を示している。

東証のシステム構築を手掛ける富士通は午後に入り下げ、16円(2.3%) 安の686円で終えた。午前終値は6円(0.9%)高の708円。原材料価格の高 騰と高機能材料事業の不振から、午後零時半に2008年3月期業績予想を下方 修正した日本ゼオンは一時ストップ安(値幅制限の下限)。原材料価格の高騰 や情報通信材料・機器事業の競争激化を背景に、午後1時に08年3月期業績 予想を下方修正した東レは、発表後に下げ幅を拡大した。

レーザー溶接機の落ち込みを受け、07年12月中間期と08年6月通期の業 績計画を6日に減額修正したミヤチテクノスは連日のストップ安で、東証1部 の値下がり率1位。電子材料が販売数量・価格とも不振で、今期(2008年3月 期)業績予想を下方修正した三井金属は大幅続落、昨年来安値を更新した。

食品指数が上昇率トップ、いすゞは7%高

半面、海外たばこ事業が大きく伸び08年3月通期の業績予を増額したJ T、医薬品事業の利益増大などで08年12月通期の連結営業利益を前期比10% 増の1330億円と計画するキリンホールディングスにも投資資金が向かった。 ディフェンシブ銘柄に買いが向かう流れにも乗り、東証食料品指数は全33指 数中で上昇率トップ。資源国など海外需要の伸びで、07年10-12月期の純利 益が12%増といすゞ自動車が7.3%高と急伸。

このほか、メリルリンチ日本証券が投資判断を「中立」から「買い」に引 き上げた任天堂、ゲーム機向け機構部品や携帯電話向け電子部品などが伸び08 年3月通期の業績予想を上方修正したミツミ電機も上昇。食品包装などに使わ れる高付加価値の「EVOH(エチレンビニルアルコール)」の数量拡大から、 08年3月期の業績予想を増額した日本合成化学工業、写真DPE用のミニラボ 機が伸び08年3月期業績予想を上方修正したノーリツ鋼機なども上昇。自動 車関連部品が伸び、07年4-12月期の連結営業利益が前年同期比48%増のT PR(帝国ピストンリング)はそろって東証1部の上昇率上位に並んだ。

マザーズ指数が算出来安値更新

国内新興市場は、高安まちまち。ジャスダック指数の終値は前日比0.37 ポイント(0.6%)高の63.32と反発、東証マザーズ指数は15.94ポイント (2.6%)安の602.10と続落。大証ヘラクレス指数は18.55ポイント (1.9%)安の953.77と反落。マザーズ指数は1月22日の算出来安値を更新。

個別では、インテリジェンス、テレウェイヴ、ngi group、ミク シィ、サイバーエージェント、ダヴィンチ・アドバイザーズ、ぐるなびが安い。 販促費増などを受け07年12月期の業績予想を下方修正したベルパークは大幅 続落。半面、SBIイー・トレード証券、アーク、e‐まちタウン、デジタル アーツが高い。07年12月期の連結営業損益が従来の赤字予想から黒字になっ たようだと発表したアプリックスがストップ高比例配分。

--共同取材:山崎 朝子 Editor:Shintaro Inkyo

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