ADB総裁:日本の経済成長率、夏ごろには2%近くへ回復-講演(2

アジア開発銀行(ADB)の黒田東彦総裁 は8日午前、都内で講演し、日本の経済成長は1-1.5%程度で推移している とした上で、改正建築基準法による住宅着工の減少の反動から、今夏には2% 近くまで成長率を回復するとの見方を示した。

黒田氏は「日本の成長率は1-1.5%くらいで推移している」と述べると ともに、景気減速の理由について、2007年6月の改正建築基準法施行に伴う住 宅分野での投資の縮小を挙げた。一方で、住宅投資の減少は一時限りでしかな いとし、「夏になるころには2%近くまで回復する」と述べた。さらに、「08年 通年で2%を達成するのはかなり難しい」と語った。

米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題が日本経済に与 える影響については、「サブプライム問題や米国の景気減速のインパクトがど の程度のマイナスの影響があったかと考えると、改正建築基準法のショックよ りも軽微だった」との見方を示した。その上で、「日本経済は堅調な欧州と弱 含んだ米国の中間ぐらいに落ち着くのではないか」と語った。

財政刺激よりインフレ対策を-アジア経済

黒田氏はまた、アジア各国での内需拡大に関し、「1997-98年の金融危機 後に投資不足が起こった結果、過剰貯蓄が生まれ、経常収支が非常に大きく黒 字となっている。アジアの経済にとって最大の課題はインフラや産業、住宅へ の投資を復活させること。そのための投資環境の整備が必要だ」との認識を示 した。また、中国経済については消費拡大を目指す必要性を指摘した。

その上で、「アジア経済において、余裕がある国は財政出動のような刺激 策を導入した方が良いが、今の時点でアジア経済はリセッションよりも、イン フレ圧力に直面している。中国はじめ各国の課題は、財政刺激策を導入するよ りも、いかにしてインフレ圧力を封じ込めるかが中心だ」と述べた。

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