日銀総裁:原油高、世界経済減速、市場の不安定性で景気は減速(2)

日本銀行の福井俊彦総裁は8日午前、衆院 予算委員会で、足元の景気について「減速している」とした上で、その背景と して「原油価格の上昇が特に中小企業の収益を圧迫している」ほか、「世界経 済のスローダウンのリスクの高まり」と「国際金融資本市場の不安定性」がリ スク要因を高めているとの見方を示した。

民主党の原口一博氏の質問に答えた。

福井総裁は「日本経済は足元、減速している。その要因は、国内では住宅 投資が多分一時的だと思うが急激に落ち込んでいる。加えて、原油価格、原材 料価格の高騰で特に中小企業の収益を圧迫していることも少なからず作用し ている」と指摘。さらに「国際的に経済のスローダウンのリスクが高まってい る。そして国際金融資本市場の不安定性が絡みながらリスク要因を拡大してい る。心理的にも日本経済を担っている多くの経営者等に影響してきている」と 述べた。

緩和感は維持されている

福井総裁は「物価についてはアップサイドリスク、経済についてはダウン サイドリスクを十分認識しなければならない」としながらも、「日本経済の前 向きの循環メカニズムはこのところ多少弱っているが、引き続き生産・所得・ 支出の好循環メカニズムは基本的には働き続けている」と指摘。さらに「生産 と出荷と在庫のバランスも比較的取れていて、急に在庫調整が起こるという懸 念は持たなくて今は済む状況になっている」と語った。

福井総裁は「こうしたファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)が比較 的しっかりしていることをきちんと保全しながら、内外からのショックに十分 耐えていけるだけの金融条件を金融政策の面から用意していく」と語った。

福井総裁はまた、「現状、日本の金利水準は非常に低いし、米サブプライ ム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題等で国際的な金融不安が高まる中 でも、日本の国内の金融緩和感はほとんど害されることなく維持されている」 と指摘。

その上で「こういうことを引き続きよく確認しながら、先行きについてさ らにこうしたさまざまなリスクが日本経済にどういう影響を及ぼすか、われわ れの先々の経済・物価の好ましいシナリオに対して本当に害があるかどうか、 いっそう真剣に見極めながら金融政策を正確に判断していくべきだと考えて いる」と述べた。

次期総裁に必要な4つの資質

福井総裁は次期総裁の資質については①通貨の安定に対する強い信念、政 策の実行力がナンバーワン②国際的な鋭い感覚と洞察力③市場を大切にする 心④日銀の政策委員会での創造的な議論のプロセスをリードできる資質-を 挙げた。

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