訂正:12月のコア機械受注は3.2%減-「一進一退」に判断据え置き(4

国内民間設備投資の先行指標とされるコア 機械受注(船舶・電力を除く民需)は、昨年12月に2カ月連続で減少したもの の、10-12月期では2四半期連続のプラスとなり、1-3月期も増加が見込ま れている。内閣府は「一進一退で推移している」との基調判断を7カ月連続で 据え置いた。

内閣府が8日発表した12月のコア機械受注は季節調整済み前月比3.2%減 で、総額は1兆164億円となった。前年同月比では3.3%減。内訳は製造業が 前月比7.8%減、非製造業が同5.2%減だった。ブルームバーグ・ニュースが 民間エコノミスト41人を対象にした調査によると、コア機械受注の予測中央 値は同0.9%減。同数値は毎月の振れが大きく、予想レンジは4.7%減から4.2% 増となっていた。

機械受注は、各企業が設備投資のための機械をメーカーに発注する段階で 集計し、実際の民間設備投資に半年程度先行すると言われる。内閣府が同時に 発表した四半期ベースのコア機械受注は、10-12月期に前期比0.9%増と2四 半期連続で増加したが、内閣府が機械製造メーカー280社を対象に9月末時点 で調査した四半期見通しの同3.1%増を下回った。一方、12月末時点で調査し た1-3月期の見通しは同3.5%増となった。

悲観的にみる必要はない

大田弘子経済財政政策担当相は8日午前の閣議後会見で、同統計で11月、 12月と前月比マイナスが続いたことについて「それほど悲観的にみる必要はな い」と述べるとともに、「10-12月期で明示的にアメリカの減速懸念が反映さ れているか何とも言い難い」との見方を示した。

内閣府の経済社会総合研究所の妹尾芳彦総括政策研究官は発表後の記者 説明で、足元は減少したものの、先行きは増加が見込まれているという「ちぐ はぐな状況」を踏まえ、12月のコア機械受注の基調判断を「一進一退で推移し ている」に据え置いたことを明らかにした。

米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題の影響は実体経 済にも及び始めており、同国の昨年10-12月期の実質GDP(国内総生産) は前期比0.6%成長と7-9月期(同4.9%成長)から急減速。原油価格や原 材料価格も高止まりするなど、外需依存度が高い日本企業の投資行動の慎重化 につながりやすい材料が増えている。

妹尾氏は1-3月期に受注増加が見込まれていることに関し、企業の設備 投資は、施設の維持・更新目的もあるため、足元の経済状況だけで決まるもの ではない述べる一方、見通しに対する実績の達成率が低下傾向にあることを、 懸念材料として挙げた。

日本政策投資銀行調査部の鈴木英介調査役は発表後、10-12月期でならし てみれば「横ばいの動き」と指摘し、1-3月期の見通しについても「1987年 以降の1-3月期平均達成率で計算すると同1.3%増と伸びが鈍化すると見込 まれるため、見通しを含めても横ばい圏内の動きと言える」と分析する。

また先行きは、①製造業生産予測によると鉱工業生産は1月と2月の平均 で10-12月期に比べ1.2%減が見込まれている②海外経済の鈍化による輸出の 減速③原油等の素材・資源価格の上昇、円高による企業収益の伸びの鈍化-と いったリスク要因の顕在化により、「1-3月期は平均的な達成率すら下回る 可能性があり、引き続き下振れリスクに警戒が必要である」としている。

ニッセイ基礎研究所の矢嶋康次シニアエコノミストは、ブルームバーグテ レビジョンに出演し、今後の設備投資の見通しについて「企業を取り巻く環境 を考えるとマイナス要因が非常に多い状況だ。特に外需環境の先行きが読めな い状況になっている」とした上で、「企業の今期、来期の収益動向によって設 備投資はかなり振れる状況がこれから出てくる」との見方を示した。

12月は製造業で、造船、半導体製造装置をはじめとした電気機械などが減 少に寄与した一方、非製造業では電力、通信、運輸などが減少した。第一生命 経済研究所の新家義貴主任エコノミストは発表後、「造船業と半導体製造装置 に関しては10、11月に大型受注があった反動の面が大きい。通信業について は新機種投入に絡んで11月に受注が増加した反動が出たとみられる」と述べ、 「いずれも反動の面が大きく、基調として減少しているわけではない」と指摘 した。

外需に不安

一方、12月の外需は前月比4.9%減と2カ月連続の減少となった。ただ、 1-3月は前期比17.9%増加する見通し。新家氏は、「機械受注における外需 は振れが激しいため基調を把握することは難しいが、より振れが小さい工作機 械受注においても外需がこのところ落ち込んでいることを考えると、輸出が変 調をきたし始めている可能性があるだろう」と述べている。

2007年の年間のコア機械受注は前年比4.0%減少で、5年ぶりのマイナス となった。電気機械などの受注の不振が響いた。ただ、水準自体は12兆3366 億円と5年連続で10兆円を越え、高水準を維持した。

日本銀行の福井俊彦総裁は7日の衆院予算委員会で、日本経済の生産・所 得・支出の好循環について「ひところに比べると弱っている」と述べる一方、 「グローバルな経済との接点である輸出や生産が引き続き増加していること を起点として、比較的このメカニズムは保全され続けている」との認識を示し た。

日経平均株価の午前終値は前日比104円34銭(0.8%)安の1万3102円 81銭。12月の機械受注統計が市場予想を下回り、業況の先行きが警戒されて オークマやアマダなど設備投資連株が東証1部の下落率上位に並んだ。

共同取材:乙馬真由美--Editor:Masaru Aoki,Hitoshi Ozawa

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