東京外為:円強含み、日本株伸び悩みで買い戻し圧力-G7を見極め

午前の東京外国為替市場ではドル・円相場 が1ドル=107円台前半と、前日のニューヨーク時間午後遅くに付けた107円 49銭からやや円が水準を切り上げている。9日に7カ国財務相・中央銀行総裁 会議(G7)を控えて、積極的な取引に踏み込みにくい状況のなか、日本株の 伸び悩みを背景に円の買い戻しが進みやすくなっている。

資産管理サービス信託銀行資金為替部の野村祥宏調査役は、G7に絡む思 惑先行では動きづらく、休暇入りのアジア市場が多いなかで、日本株が数少な い手がかり材料のひとつになっていると指摘。「日経平均株価の上値が重くな ると、リスク収縮に伴う円買いが連想される」と説明する。

また、「欧州の利下げ観測が強まっていることから、ユーロを中心とした クロス・円(米ドル以外の通貨と円の取引)で円の買い戻しが進みやすい」(野 村氏)面もあるという。

円は株価にらみで振れやすい展開

前日の米国株式相場は、金融機関の収益見通し改善期待などを背景に、4 日ぶりに反発。株価の予想変動率の指標であるシカゴ・オプション取引所(C BOE)のボラティリティ指数(VIX指数)は低下し、リスクを伴う投資に 対する警戒感がやや和らいだことが示された。

外為市場では、リスク資産圧縮の動きが鈍化するとの観測から、円キャリ ートレード(低金利の円で調達した資金を高金利通貨などに投資する取引)の 巻き戻しに伴う円買い圧力が緩和。前日の海外時間にはドル・円相場が一時107 円82銭(ブルームバーグ・データ参照、以下同じ)と、1月25日以来の水準 までドル高・円安が進行した。

ユーロ・円相場は欧州中央銀行(ECB)の利下げ観測を背景としたユー ロ売りで、1ユーロ=154円06銭までユーロ安・円高が進んでいたが、米株高 を受けた円売りで、156円20銭まで値を戻した。

ただ、この日は日本株が反落して取引を開始しており、クロス・円を中心 に円の買い戻しが進行。対ユーロでは一時155円06銭、対ドルでは107円15 銭まで円が値を戻す場面がみられた。株価はその後プラス圏に浮上しているも のの、上昇の勢いが鈍く、円は強含みの展開が続いている。

東京G7、国際協調が焦点

一方、米国のサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題から 派生した世界景気の減速傾向が強まるなか、あすは東京でG7が開かれる。景 気減速に歯止めをかけるために、積極的な協調姿勢が示されれば、市場に安心 感が広がる可能性がある一方で、現状を確認する程度にとどまれば、失望感に つながる懸念も残る。

ソシエテ・ジェネラル銀行外国為替営業部の斎藤裕司部長は、「今回のG 7では、世界景気の減速懸念が強まっている状況下で、為替が議題になる可能 性は低く、国際協調が焦点になる」としたうえで、協調姿勢の強化となれば、 欧州の利下げ圧力が連想され、対ユーロでドルが買い戻される展開もあり得る とみている。

ECB利下げ観測でユーロに売り圧力も

ECBは7日、フランクフルトで定例政策委員会を開き、短期金利の調節 手段である短期買いオペ(売り戻し条件付き債券買いオペ=レポ)の応札最低 金利を4%に据え置くことを決定した。

先行きの政策動向を見極めるうえで注目されていたトリシェ総裁の記者会 見では、年間の物価上昇率について「今後数カ月、2%を上回り続ける可能性 が非常に高く、2008年下半期にわずかに低下する程度だ」と指摘。焦点だった 景気見通しについては、「金融市場でのリスク見直しが続いており、実体経済 への全体的な影響についての不透明感は異例に高いままだ」との見解を示した。

景気の先行き不透明感に言及されたことで、利下げの可能性が示唆される 格好となり、前日の海外市場ではユーロ売りが進行。ユーロ・ドル相場は一時 1ユーロ=1.4440ドルと、1月22日以来の水準まで下落し、この日は1.44ド ル台後半でユーロの上値が重い展開となっている。

ソシエテ・ジェネラル銀の斎藤氏は、「トリシェ総裁がハト派的な姿勢に 転換しており、4月にも利下げという観測が強くなってきている」として、当 面は対ユーロでドルが買い戻されやすい展開を見込んでいる。

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