米国での糖尿病治療研究、血糖値の積極抑制が裏目-死亡率高まる

2型糖尿病患者の血糖値を正常な水準まで 積極的に抑制する米政府支援の研究が、部分的に中止されたことが6日までに 分かった。通常ペース以上に血糖値を下げた結果、死亡率が上昇したため。

この研究はインスリンのほか、英グラクソ・スミスクラインの糖尿病治療 薬「アバンディア」、武田薬品工業の「アクトス」、米イーライリリーの「バ イエッタ」、独バイエルの「プレコース」やジェネリック(後発医薬品)を用 いて、通常の血糖値抑制と比較するものだが、期間を1年半残して、中止に追 い込まれた。

糖尿病患者の血糖値を健康な人と同水準まで積極的に下げれば、心臓発作 などが減り、長生きにつながるとこれまで考えられてきたため、米国では血糖 値を抑える効果が糖尿病治療薬の承認を左右してきた。

米国立心肺血液研究所(NHLBI)のエリザベス・ナベル所長は「デー タを十分に検証したところ、臨床における現指針以上に積極的に血糖値を下げ る治療法は、高いリスクを抱える2型糖尿病患者に悪影響を与えることが明ら かになった」と説明。その上でこうした患者には「より緩やかな」目標設定が 望ましい可能性を指摘した。

米国の糖尿病患者の9割超は、肥満と関連し、大人になってから発症する ことの多い2型で、血糖をエネルギーに転換する上でインスリンがうまく働か ず、心臓や腎臓などに血糖が蓄積する。1型は体内でインスリンが分泌されな いことで起きるため、通常は子供の時に発症する。

研究は心臓病や高血圧、肥満など高いリスクを抱えた糖尿病患者1万251 人を対象に実施したもので、2―7年間で、積極的に血糖値を減らしたグルー プでは257人が、通常治療グループでは203人がそれぞれ死亡。これは、患者 1000人当たり、死亡者数が毎年3人増えたことを意味するという。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE