ケルビエル容疑者は金融システムの「犠牲者」-フランスの世論示す

フランスの大手銀行ソシエテ・ジェネラルに 49億ユーロ(約7640億円)のトレーディング損失をもたらした元トレーダー、 ジェローム・ケルビエル容疑者を、フランス国民は「犠牲者」と見なしている。 世論調査が示した。

世論調査会社オピニオンウェイ(パリ)の責任者ブルーノ・ジャンバール氏 は6日、ケルビエル容疑者が5日、AFP通信に対し、ソシエテの「スケープゴ ート」にはならないと語ったことが仏国民の共感を呼んだと述べた。オピニオン ウェイの調査では、国民の77%がケルビエル容疑者を「犠牲者」と見ている。

ジャンバール氏は「フランス国民は、ケルビエル容疑者をシステムに惑わさ れたただの男としてとらえている」と指摘し、「国民は彼1人が責任を負うべき とは考えていない。金融システムの犠牲者なのだ」と述べた。

こうした見方は、フランスと金融市場との複雑な関係をあらためて示してい る。カナダの調査会社グローブスキャンと米メリーランド大学が20カ国を対象 に実施し、2006年4月に公表した調査では、インタビューを受けた仏国民のう ち、世界の将来にとって自由企業経済が最善のシステムだと答えたのは、わずか 36%と、20カ国中で最低となった。中国は74%、インドは70%だった。

ジャンバール氏は「フランスには、ケルビエル容疑者には責任がないと考え るようなビジネスの世界に対する誤解がある。これは金融の世界の『不透明さ』 にほからなない」と説明した上で、ソシエテの巨額損失事件について「金融シス テムに逆らい、そして現実の感覚をすべて失った1人の男の物語だ」と述べた。