福井総裁:経済の好循環は一時的に弱まっているが基本的には維持(3)

日本銀行の福井俊彦総裁は7日午前の衆院予 算委員会で、日本経済の生産・所得・支出の好循環について「一時的に少し弱 まっていることは認めるが、メカニズムは基本的には維持されている」との認 識を示した。

その上で、福井総裁は金融政策について「物価安定の下で持続的な成長を 図っていく。 景気の振れをなるべく小さくし、息の長い経済の拡大を実現して いく。これをベースに判断に誤りがないよう金融政策を運営していく」との考 えを示した。自民党の伊藤達也氏への答弁。

福井総裁は日本経済が直面しているリスク要因として①原油価格の高騰に 伴うコスト増②海外の経済や金融市場の不透明感③国内の住宅投資の落ち込み -を指摘。このうち原油価格の高騰については「物価上昇率やインフレ期待を 押し上げる要因となる一方、経済全体に対して、押し上げ圧力をもたらすデフ レ的なプレッシャーをもたらす」と述べ、「この両面から判断しなければならな いので、他のリスク要因に比べて非常に精密な分析と冷静な判断が必要だ」と の考えを示した。

その上で、福井総裁は「経済全体の足元は減速し、中小企業等に好ましく ない影響が現象面として出ており、根幹のメカニズムは少し、ひところに比べ ると弱っている」との認識を示した。その一方で、「基本的に損なわれつつある かというと、グローバルな経済との接点である輸出や生産が引き続き増加して いることを起点として、比較的このメカニズムは保全され続けている」と強調 した。

さらに総裁は「企業は設備、人員、在庫面の調整圧力も抱えていないので、 経済の回転メカニズムが、どこかで急に何か行き詰まり状況にぶつかるような 状況でもない」と述べた。

金融面のリスクはG7で議論

福井総裁は午後の衆院予算委で、金融政策について「眼目とするところは、 物価の安定を常に基礎とし、息の長い安定的な成長を図っていく。短期的に、 そしてかなり先を見通したシナリオの点検とリスクの点検は大切だ」と述べた。

総裁は、「足元の景気は減速しているので、短期的なリスクに十分注意深く しなければならない。海外、グローバルな経済および金融の面で起こってきて いるダウンサイドリスクは、G7でも十分議論されると思うが、国際的に認識 をそろえて対処していく必要がある」と語った。

長期的な観点からの金融政策については、日本経済が少子高齢化の中、技 術革新を通じ生産性を引き上げていくことが不可欠だとの認識を示した上で、 「景気の振幅をなるべく小さくしながら、政府・民間の努力で増加していく潜 在成長能力をそのまま現実の成長力として発揮していくことに必要な金融環境 を、いつも整えていくことだ」との考えを示した。

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