次期日銀総裁人事、慎重・丁寧な国会手続きを-自・民国対が一致(4)

自民党の大島理森国会対策委員長は7日午後、 民主党の山岡賢次国会対策委員長と国会内で会談し、3月19日に任期が切れる日 銀の福井俊彦総裁の後任人事をめぐる国会同意手続きは慎重かつ丁寧に行うべき だとの認識で大筋一致した。大島氏が会談終了後、国会内で記者団に明らかにし た。次期総裁には日銀の武藤敏郎副総裁が有力視されている。

大島氏は会談で、①慎重かつ丁寧に手続きを進める②総裁ポストの空席は回 避したい-との方針を伝達。山岡氏は、衆参の議院運営委員会を非公開で開催し て次期総裁候補から、金融政策などに関する所信を聴取するよう提案したという。

大島氏は記者団に「具体的な名前を言う立場にもない。民主党から聞く立場 でもない。そういうものは一切ない。国会運営上の問題と正副総裁の在り方の議 論の中で、ご意見をうかがったわけだ」と語った。

大島、山岡両氏は会談で、将来的に総裁と副総裁2人の計3人の任期をずら すことの是非についても意見交換。大島氏が「民主党内には任期がその都度では なくて一人は継続して何年間かやって継続性をもたせたほうがいいのではないか という意見がある」とただすと、山岡氏は、党で決めた話ではないが党で意見を 聞いてみる、と応じたという。

民主党の安住淳国対委員長代理は会談後、記者団に「正副総裁の任期をずら すという話は、日銀法の改正がいる。考慮には値するだろうが、すぐにはできな い」と言明。議院運営委員会での総裁候補からの意見聴取に関しては、「公開す るとマーケットに影響を与えるから、当面は非公開だ。日銀総裁人事が決着した 後、総裁に就任して考え方を明らかにした後なら議事録の公開でもいい」と 語った。

人事案「20日ごろまでに」-町村氏

福田康夫政権は2月20日ごろまでに、与野党に対して次の日銀の正副総裁人 事案を提示する方針。町村信孝官房長官は1月31日の記者会見で、与野党に人事 案を提示する時期について、「2月上中旬と申し上げている。2月中旬の一番最 後は20日ごろまである」と述べている。

政府は正式には、衆参両院の議院運営委員会委員長と与野党の筆頭理事の計 6人でつくる合同代表者会議に提示する方針だが、政界では福田首相が党首会談 などの形で民主党の小沢一郎代表に事前に通知する可能性も取りざたされている。

福田首相は1月24日、日銀総裁人事をめぐって民主党の小沢代表と会談する 可能性について、「申し上げられないし、言う必要はない」と述べ、可能性を否 定しなかった。民主党の菅直人代表代行は同日の会見で、「党首会談は駄目だと は考えていない。複数の人間が参加することもあるかもしれない」と語り、両党 の党首会談に積極的な姿勢を示した。

民主、複数案を要求-政府は否定

菅氏はこの会見で、「政府、与党が総裁候補を一人に絞ると、こちらは単純 に賛成、反対という答えしかない。反対すると影響が大きいから、多少幅の広い 提案をしてもらいたい」と述べ、政府、与党に対して、複数の人事案を提示する よう求めたことを明らかにしている。

これに対して町村氏は2月7日の会見で、複数案の提示は「国会に対して失 礼ではないか」と否定。その上で総裁・副総裁に関しては「政府として『これら の方々がベストだ』と提示するのが常識ではないか」と語り、複数案ではなく一 つに絞り込む方針を明らかにした。

日銀正副総裁人事は衆参両院による同意が必要。憲法の規定に基づく衆院の 3分の2による再議決の規定の対象になっておらず、衆参両院それぞれで過半数 の賛成が必要。参院で野党が過半数を占める「ねじれ国会」の状況下、政府が総 裁・副総裁が「空席」となることを回避するには、参院で過半数を占める野党の 協力が不可欠になる。次期総裁の任期は福井氏と同様に5年間。

2003年に福井現総裁が就任した際、小泉純一郎政権は同年2月24日に日銀生 え抜きの福井氏の総裁起用と財務省出身の武藤氏、内閣府政策統括官を歴任した 岩田一政氏の副総裁への登用を自民、公明の連立与党だけに提示し、衆参両院で 過半数を占める与党の賛成多数で政府案への同意が決まった。民主党は衆参両院 で政府案に反対した。