カナダ経済に米景気減速の影響が波及-中銀が追加利下げの公算も

カナダのケベック州モンローリエ。製材所の 前にはさびついた2台のトレーラーが置き去りにされたままだ。木材の積み込 み場には1メートル以上の雪が積もり、ゲートは風に揺れている。

同州西部のアントワーヌラベル郡では、2年前に住宅建設が落ち込み始め てから、17の製材所が閉鎖された。この地域の開発当局で責任者を務めるイボ ン・コルミエ氏は、「今は本当に緊急事態だ。米市場がおかしくなると、すぐに こちらに跳ね返ってくる」と話す。

カナダ西部の石油ブームが家計所得と内需を押し上げているものの、カナ ダは最大の貿易相手国である米国の景気減速の影響を免れることはできない。 対米輸出が落ち込み、工場での一時解雇が相次いでいる。政策金利と経済成長 率見通しを先月引き下げたばかりのカナダの中央銀行、カナダ銀行は再び利下 げと見通しの下方修正を迫られる公算もある。

JPモルガン・セキュリティーズのカナダ担当チーフエコノミスト(トロ ント在勤)、テッド・カーマイケル氏は、今年1-6月期のカナダ成長率が年率

0.3%にとどまると予想。カナダ銀の現在の見通し1.3%を大きく下回る。同氏 は、「中銀が言うより事態は悪くなるだろう」と述べる。

カナダ銀のポール・ジェンキンス上級副総裁はほんの3カ月前にニューヨ ークで、中国とインドで商品需要が高まっており、このことは「カナダと米国 の経済が一定のショックに対し異なる反応を示す」ことを意味すると語ってい た。原油や金属などの値上がりがカナダ経済に恩恵を与え、一部の製造業は米 ドル下落に対してコスト削減などで対応していた。

カナダ銀は昨年12月と先月、民間エコノミストらの予想に反し政策金利を

0.25ポイントずつ引き下げた。今年1月22日の利下げは、同じ日の0.75ポイ ントの米緊急利下げに追随する格好となった。

1973年以降の5回の米リセッション(景気後退)すべてで、カナダ経済は 少なくとも1四半期のマイナス成長を経験している。次回のカナダ銀の政策決 定会合は3月4日。