日経平均は13000円を割り込む、欧金融決算や米不安で金融や輸出売り

午前の東京株式相場は続落。きょうから本 格化する欧州金融機関の決算に対する警戒感などを背景に、三菱UFJフィナ ンシャル・グループや野村ホールディングスなど金融株の下げが目立った。足 元の業績悪化や増配方針が成長路線の後退と引き続き懸念されたオリックスは、 一時連日のストップ安(制限値幅いっぱいの下げ)。日経平均株価は取引時間 中としては1月24日以来、2週間ぶりに1万3000円を割り込んだ。

また、6日の米国で地区連銀総裁がインフレ警戒的な発言をしたため、米 金融政策の自由度が狭まるとの懸念もあり、米経済への依存度が高いアドバン テストなど電機株、ホンダなどの自動車株といった輸出関連の一角も下落。原 材料価格の負担増への懸念から、新日本製鉄など鉄鋼株も安い。

日経平均株価の午前終値は前日比104円21銭(0.8%)安の1万2995円 3銭、TOPIXは同16.30ポイント(1.3%)安の1282.11。東証1部の売 買高は概算で10億8992万株、売買代金は1兆2130億円。値下がり銘柄数は 1296、値上がりは332。東証業種別33指数では28業種が下落、5業種が上昇。

いちよし投資顧問の秋野充成運用部長は、7日のドイツ銀行を皮切りに、 来週にかけて欧州金融機関の2007年10-12月決算発表が本格化する点に言及。 「欧州の金融機関では、全体的に米サブプライム(信用力の低い個人向け)住 宅ローン関連の損失計上が遅れているだけに、決算発表でネガティブサプライ ズが出やすい状況にある」といい、金融株の買い持ち高をいったん減らす動き につながっているとの認識を示した。

この日午前のTOPIXに対する下落寄与度1位となった東証銀行指数は、 1月22日の246.56ポイントを底に、今週初の4日には一時290.18ポイント と18%弱戻していた。

また秋野氏は鉄鋼株について、世界的な景気減速による鉄鋼需要の低迷が 懸念されている点を指摘。さらに、英豪資源大手のBHPビリトンによる英豪 リオ・ティントに対する買収が成立するなど資源会社の再編が進めば、「資源 の寡占に伴い、鉄鋼石など原材料の価格高につながる公算が大きく、将来的に 収益環境が悪化することへの警戒感が高まっている」という。

米株続落、日本株は朝方上昇も失速

6日の米株式相場は3日続落。米百貨店2位のメーシーズが収益見通し引 き下げたため、住宅不況が経済全体に波及しているとの懸念が強まり、小売株 を中心に売りが出た。原油価格の下落を背景にエネルギー株も下げた。一方、 米シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物3月物の6日清算値が1万3115 円と、同日の大阪証券取引所の終値(1万3090円)や日経平均現物終値(1 万3099円)を上回っていた。

こうした中で、好調な業績が確認された精密機器や、メリルリンチ日本証 券が投資判断を買いに引き上げた商船三井など海運株に買いが先行したことで、 朝方は日経平均、TOPIXともに上昇する場面もあった。ただ、買いの勢い に広がりは見られず、徐々に失速。午前中ごろからは日経平均で節目の1万 3000円を意識する展開が続いた。大和証券SMBCエクイティ・マーケティ ング部の西村由美上席課長代理は、日経平均で1万3000円、TOPIXで 1300ポイントを終値で維持できるかどうかが、きょうのポイントと見る。

インフレ警戒発言

一方、米フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁は6日の講演で、連邦公 開市場委員会(FOMC)による最近の一連の利下げは経済成長をてこ入れす るために「必要かつ適切」な措置だったとの認識を示した。同総裁は今年上期 の経済成長率を1%、年間のインフレ率を2-2.5%と予想。その上で、「状 況が予想外の展開を見せれば、FOMCは政策決定においてその変化に対応す る準備を整えなくてはならない」と述べた。さらに、「積極的な利下げに助け られて、米経済成長は来年、2.7%の潜在成長率に回復できる」との見解も示 唆。同時に「成長減速はそれ自体がインフレを抑制するものではない」と警告 し、「インフレ期待には連邦準備制度の信頼性が弱まりつつある兆候も見受け られる」と指摘している。

同総裁の発言について、市場では「米国ではリセッション(景気後退)リ スクが高まる中、一部の連銀総裁からインフレを警戒する発言が出ており、米 経済の不透明感は一層高まりつつある」(野村証券金融経済研究所の若生寿一 シニアストラテジスト)との声が聞かれた。

日清オイリ、バンナムHが大幅安

個別では、コスト負担がかさんで07年4-12月期の連結純利益が前年同 期比72%減に落ち込んだ日清オイリオグループが大幅続落、東証1部の値下 がり率上位に顔をした。前日午後の取引開始前に、08年3月期通期の業績予 想を下方修正したバンダイナムコホールディングスはストップ安(値幅制限の 下限)まで売り込まれた。このほか、一般家庭用の家具需要が低調に推移する などで08年3月期の業績予想を下方修正したフランスベッドホールディング スは続落で、昨年来安値に接近。

タムロンが上昇率1位、カプコン急伸

半面、デジタル一眼レフカメラ用交換レンズの販売好調で07年12月期の 連結純利益が前の期比19%増で過去最高を記録したタムロンがストップ高で、 東証1部の上昇率1位。9カ月連結純利益が前年同期比76%増となり、自社 株買いも発表しているグローリーも急伸。電子関連タッチパネルなどの伸びを 背景に今期の利益計画を上方修正した日本写真印刷、市場投入する2大タイト ルの受注が好調で08年3月期の業績予想を増額したカプコンなども急騰した。