日本株は続落へ、米景気不安とシスコ急落-輸出や情報通信安い(3)

東京株式相場は続落が見込まれる。6日の 米国で、フィラデルフィア連銀総裁がインフレ警戒的な発言をしたことで、米 金融政策の自由度が狭まるとの懸念が高まっている。米経済への依存度が高い 電機や自動車など輸出関連株の一角に売りが優勢となりそうだ。

また、ネットワーク機器最大手、米シスコシステムズが6日の取引時間終 了後に2007年11月-08年1月決算を発表し、時間外取引でシスコ株が急落し ており、情報・通信関連銘柄に売りが波及する可能性がある。こうした影響で、 シカゴ24時間電子取引システム(GLOBEX)のナスダック100指数先物も 基準価格比20ポイント以上安い。

野村証券金融経済研究所の若生寿一シニアストラテジストは、「米国では リセッション(景気後退)リスクが高まる中、一部の連銀総裁からインフレを 警戒する発言が出ており、米経済の不透明感は一層高まりつつある」と指摘し た。外部環境の悪化を背景に、日本株は軟調な展開を強いられ、日経平均株価 で心理的な節目となる1万3000円の攻防を若生氏は想定している。

米シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物3月物の6日清算値は1万3115 円で、同日の大阪証券取引所の終値(1万3090円)に比べて25円高だった。 6日の日経平均株価は1万3099円24銭で取引を終えていた。

米株は続落、小売とエネルギー下げる

6日の米株式相場は3日続落。ダウ工業株30種平均は前日比65.03ドル (0.5%)安の12200.10ドル、ナスダック総合指数は30.82ポイント(1.3%) 下落して2278.75で終えた。米百貨店2位のメーシーズが収益見通し引き下げ たため、住宅不況が経済全体に波及しているとの懸念が強まり、小売株を中心 に売りが出た。原油価格の下落を背景にエネルギー株の下げも目立った。

S&P500種株価指数は一時、前日比1.2%高になる場面もあったが、メー シーズの部門統合で約2300人の人員が削減されるなどと発表した後、下げに転 じた。S&P500種の小売株指数は3日間の下げとしては過去5年で最大。原油 価格の下げ幅が1ドルを超え、シェブロンは9カ月ぶりの安値に沈んだ。半導 体メモリーで米最大手のマイクロン・テクノロジーは、2006年10月以来の大幅 安。顧客であるコンピューターメーカーが未使用在庫を積み上げているとのア ナリストの指摘がきっかけ。

フィラデルフィア連銀総裁がインフレ警戒発言

フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁は6日、連邦公開市場委員会(F OMC)による最近の一連の利下げは経済成長をてこ入れするために「必要か つ適切」な措置だったとの認識を示した。同総裁はアラバマ州バーミングハム で講演した。プロッサー総裁は2006年の就任後初めて、今年FOMCの議決権 を有する。同総裁は今年上期の経済成長率を1%、年間のインフレ率を2-

2.5%と予想。その上で、「状況が予想外の展開を見せれば、FOMCは政策決 定においてその変化に対応する準備を整えなくてはならない」と述べた。

プロッサー総裁は「積極的な利下げに助けられて、米経済成長は来年、2.7% の潜在成長率に回復できる」との見方を示した。同時に、「成長減速はそれ自 体がインフレを抑制するものではない」と警告し、「インフレ期待には連邦準 備制度の信頼性が弱まりつつある兆候も見受けられる」と指摘した。

シスコは時間外で7%安

米シスコシステムズが6日の取引終了後に発表した2008年度第2四半期 (07年11月-08年1月)決算は、純利益は前年同期比7.2%増の20億6000万 ドル(1株当たり33セント)と、前年同期の19億2000万ドル(同31セント) から増えた。株式報酬など一部費用を除いた1株利益は38セントで、ブルーム バーグ・ニュースがまとめたアナリスト予想平均と一致した。売上高は98億3000 万ドルに増加した。欧州とアジアの伸びが寄与した。ただ、シスコ株は時間外 取引で急落しており、日本時間午前7時45分時点で、6日通常取引での終値か ら約7%低い水準で取引されている。

日清オイリやシチズンHに材料

個別では、コスト負担がかさんで07年4-12月期の連結純利益が前年同期 比72%減に落ち込んだ日清オイリオグループ、アミューズメント施設運営や業 務用機器販売の低調で07年4-12月期連結純利益が前年同期比18%減となっ たカプコンなどに売り圧力が強まりそう。レジャー・サービス業で減価償却費 増が響き07年4-12月期の連結純利益が前年同期比36%減に落ち込んだ富士 急行、一般家庭用の家具需要が低調に推移するなどで08年3月期の業績予想を 下方修正したフランスベッドホールディングスも下落する公算。

半面、電波時計など高付加価値品の好調で07年4-12期の連結純利益が前 年同期比36%増となったシチズンホールディングス、デジタル一眼レフカメラ 用交換レンズの販売好調で07年12月期の連結純利益が前の期比19%増で過去 最高を記録したタムロンなどは上昇しそう。原油価格上昇による在庫評価益が 増加することを理由に、08年3月期の連結経常利益予想を従来比20億円増やし たコスモ石油も買われる可能性がある。

明治乳や大成建などが業績開示予定

きょう業績を開示する主な企業は、宇部興産(午後1時)、新和海運(午 後1時)、フマキラー(午後1時)、明治乳業(午後2時)、大成建設(午後 2時)、第一中央汽船(午後2時)、明和地所(午後2時)など。取引終了後 には三井不動産、住友不動産、フジテレビジョン、JT、いすゞ自動車、森永 乳業、オリエンタルランド、ヒロセ電機、THK、ドワンゴなどが予定される。