欧州株:上昇、買収観測の台頭で-TUIやイベルドローラが高い
Andreas Hippin欧州株式相場は上昇。世界景気の減速で業績 悪化への懸念が根強いなか、企業買収の憶測を背景とした買いが膨らんだ。
旅行大手の独TUIを中心に旅行関連銘柄が上昇した。英紙フィナンシャ ル・タイムズ(FT)が、TUIとシンガポールの政府系投資会社テマセク・ ホールディングスが両社の海運部門の統合に向けて協議していると報じたこと が好感された。買収案の提示を受けるとの観測を背景に、スペインの電力会社 イベルドローラと、仏銀ソシエテ・ジェネラルは3日ぶりに上昇。
一方、スウェーデンのトラックメーカー、ボルボは下落した。同社の2007 年10-12月(第4四半期)利益がアナリスト予想を下回ったことが嫌気された。 豪鉱山大手のBHPビリトンも安い。同社は同業の英豪系リオ・ティントに対 する買収提示額を引き上げたのに加え、今年度上期(07年7月-12月)決算が 減益となったことを発表した。
ライフェイセン・キャピタル・マネジメント(ウィーン)の世界株式部門 責任者のヘルベルト・ペルス氏は「買収観測が再び台頭してきた」と指摘。 「株価が続落する一方で、行き場を失った投資資金が増大していた。これが中 期的に株式相場を安定させるだろう」との見方を示した。
ダウ欧州株価指数は前日比0.5%上げて320.35。ダウ欧州50種株価指数は
0.4%、ダウ・ユーロ50種株価指数は1.2%それぞれ上昇した。
TUI、イベルドローラ
TUIは6.2%上げた。FTによれば、テマセクが68%出資するネプチュ ーン・オリエント・ラインズの持ち株をTUI傘下のハバクロイドに譲渡する 代わりに、テマセクはTUIの株式23%を取得するという。
イベルドローラは3.6%上昇。同社の最大株主はフランス電力公社(ED F)との間で、イベルドローラ買収の可能性について協議したことを明らかに した。
ソシエテ・ジェネラルは3.2%上昇。メリルリンチのアナリストは、英銀 HSBCホールディングスがソシエテを買収すれば、新興市場と投資銀行部門 の収益拡大につながるとの見方を示した。
ボルボは0.6%下落。BHPビリトンは4.8%下げた。リオ・ティントは
0.3%安。
英独仏の株式指標
英国FT100指数は前日比7.40ポイント(0.1%)高の5875.40。FTオー ルシェア指数は同0.69ポイント上げて3000.22。
ドイツのDAX指数は同82.26ポイント(1.2%)高の6847.51。HDAX 指数は40.55ポイント(1.2%)上昇し3492.59。
フランスのCAC40指数は同39.57ポイント(0.8%)上げ4816.43で終 了した。
この記事の続きは、Bloomberg Professional Service端末のユーザー限定でお読みいただけます。
ブルームバーグ端末でこの記事を読む ブルームバーグ端末のデモを申込む
このメッセージに心当たりの無い方は、お手数ですが ご連絡ください。