与謝野氏:サブプライム損失の早期償却を、邦銀に努力促す-会見(2)

自民党財政改革研究会の与謝野馨会長(前 官房長官)は6日、ブルームバーグ・ニュースの単独インタビューに応じ、米 サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題について、「根本 的には損害を受けている国内の金融機関が損を早く償却するということだ。米 国でも金融機関が損を早く償却することが世界全体の健全性につながる。うま い痛み止めはない」と述べ、金融機関の自助努力を促した。

その上で、日本の金融機関の損失について「日本は最大限1兆円ちょっと が各銀行に散らばっているから、今の年間業務益から十分償却できる額だ」と 語り、政府が支援する必要はないとの見解を示した。日本経済の現状に関して も、「トータルでいえば日本経済は健全だ。米国が不景気になったら影響はあ るが、致命的なものは多分ない」と語った。

日銀利下げでも効果限定的

与謝野氏は、9日に東京で開かれる7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G 7)について、「日本が何をすると言っても、当面、よい案は特に見つからな い。日本の姿勢としては世界経済を考えれば、G7の国々と国際協調していく という姿勢を明確なメッセージとして発する必要がある」と語り、国際協調の 重要性を発信すべきだとの考えを示した。

与謝野氏は、特に日銀の金融政策に関して「政策金利の誘導目標も0.5% で低いところではり付いている。金利を下げて貢献しようというのはとても無 理だ」と述べ、日銀が利下げに踏み切った場合でも効果は限定的だとの見方を 示した。

「与謝野氏の発言、驚きない」-市場関係者

モルガン・スタンレー証券の債券ストラテジスト、伊藤篤氏は「与謝野氏 はもともとの主張を繰り返しただけで、驚きはない」と述べ、市場は冷静に受 け止めているとの認識を示した。日銀の金融政策に関する与謝野氏の発言に関 しては、次期日銀総裁の「候補者に対して影響力を与えるわけでもない」と語 った。

野党も「空席」回避-次期日銀総裁

与謝野氏は、3月19日に任期が切れる日銀の福井俊彦総裁の後任人事に 関して、「日本の中央銀行の総裁が空席になるということは国益に関わること だ。その点は各党とも議論するまでもなく、分かっている」と述べ、国会同意 人事で、参院で過半数を占める野党などの反対で次期総裁が決まらない事態に は至らないとの見通しを示した。

その上で、政府が2月中旬までに提示する人事案について「反対するとい う場合には反対する積極的な理由がないと反対してはいけないというのが同意 人事の原則だ」と語り、野党側をけん制。次の日銀総裁に必要な資質に関して は、「高い専門的知識、幅広い人的な関係、いろんな経験が必要だ。そういう 資質を持った人から適任者が選ばれる」と語った。

空港運営会社の外資規制は必要

与謝野氏は、国土交通省が導入を検討している空港施設運営会社への外資 出資の規制について、「国の基幹的な施設や、システムが外国資本によって決 定されるのはだめだ。電力、通信、空港、港湾などはやはり避けなければいけ ない」と述べ、何らかの規制が必要だとの見解を表明した。

その上で、規制を導入した場合の株式市場に与える影響について「心配し なくても日本の市場は十分魅力的だ。その分野に投資できなくても他の分野で 十分魅力がある」と語り、極めて限定的との認識を示した。

「先送りなら信用失う」-基礎的財政収支黒字化

与謝野氏は、2011年度に国・地方を合わせた基礎的財政収支(プライマリ ーバランス)を黒字化するという政府の財政健全化目標について「先送り論は 許されないという決意でやらないといけない。ルーズな財政運営をいつまでも 続けていくと、日本国の信用が失われる」と言明。

自らが会長を務める自民党財政改革研究会では「最後は結局、どういう増 収措置を取るかということだ。特別会計の埋蔵金探しも一応、やっているがそ んなにたくさんはない」と述べ、具体的な税収増の方策などを議論する考えを 明らかにした。

--共同取材:宋泰允 Editor: Keiichi Yamamura, Hitoshi Sugimoto

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