日本株(終了)日経平均は今年2番目の下げ、米景気指標悪化で全面安

東京株式相場は大幅続落。東証1部銘柄の 96%が下げる全面安で、日経平均株価の下げ幅は今年2番目の大きさとなった。 米供給管理協会(ISM)非製造業景況指数が急激な悪化を示し、米国景気後 退への警戒から電機や卸売、機械などを中心に幅広く売られた。格付け会社フ ィッチによる金融保証会社(モノライン)の格下げの可能性を懸念、銀行や保 険など金融株の下げもきつく、東証1部の業種別33指数はすべて安い。

住信アセットマネジメントの中谷方彦チーフファンドマネージャーは、 「ISMは予想通り悪かったが、当面は一喜一憂を繰り返しながら相場はボラ ティリティの高い展開が予想される」と話す。東京市場は、1月22日からの 戻り過程が急ピッチだったことで、「売り圧力も高まりやすい状況にあった」 (同氏)点も、下げが大きくなった要因という。

日経平均株価の終値は前日比646円26銭(4.7%)安の1万3099円24銭。 TOPIXは57.07ポイント(4.2%)安の1298.41で、1月28日以来の1300 割れ。東証1部の売買高は概算で25億822万株、売買代金は同2兆8748億円。

値上がり銘柄数はわずかに60。値下がり銘柄数は1650と、全体の96%に 達した。東証業種別33指数では、電気機器、銀行、化学、卸売、機械、情 報・通信、輸送用機器などの下落寄与度が大きくなった。

米国のマイナス成長リスク、求む国際協調の声

景況感の悪化を受け、全面安の展開となった。ISMが5日発表した米国 の1月非製造業景況指数は41.9と前月から急降下し、サービス業活動の拡大 と縮小の境目である50を一気に割り込んだ。同指数は振れが大きい傾向があ るものの、今回は新規受注指数や雇用指数も軒並み急落していることから、 「景況感の悪化を疑う余地はない」(BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエ コノミスト)との声が出ている。

S&P500種株価指数が07年2月下旬以来の大幅な下げを記録した流れか ら、日経平均の下げ幅は大発会の616円を上回り、昨年来安値を付けた1月22 日(753円)以来、今年2番目の大きさとなった。ソシエテジェネラルアセッ トマネジメントの吉野晶雄チーフエコノミストは、「米国の1-3月期はマイ ナス成長となる可能性が高まってきた。世界景気敏感の日本株は厳しい」との 見方を示した。

9日には東京で、7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が予定されて いる。「G7で国際協調など何らかの対策を打ち出さなければ、日経平均は1 万3000円割れの懸念が高まる」と、ソシエテアセットの吉野氏は警戒する。

また日経平均のテクニカル分析面で、インベストラストの福永博之代表取 締役は一目均衡表で遅行線が下向き傾向を強めている点を注視。「需給として は、投資家の評価損が膨らんでくる可能性がある」とし、今後売り圧力が高ま るリスクを警戒視していた。

モノラインも警戒

下げ幅が大きくなった一因として、モノラインへの警戒感が根強いことも あった。フィッチ・レーティングスは、モノライン大手MBIAの保険財務力 格付けを引き下げ方向で見直すと発表した。SMBCフレンド証券投資情報部 の松野利彦次長は、「モノラインの格下げは金融株の信用格付けの格下げにも つながる不安がある」とした上で、「今月の欧州金融機関の決算発表も相場を 揺らす要因となりそう」と、懸念を示した。みずほフィナンシャルグループを 中心に銀行株がそろって売られた上、再保険業務との関連で損失が発生すると 懸念された保険株は急落。

オリックスなど業績悪化銘柄が急落

個別では、オリックスが大量の売り注文から気配値を切り下げ、値幅制限 いっぱいのストップ安比例配分となった。経営環境が期初の想定から激変した と判断し、会社側が08年3月通期の純利益予想を減額。ゴールドマン・サッ クス証券などからの投資判断引き下げも嫌気された。約217万株の売り注文を 残す状況で、業績悪化銘柄に対する市場の反応度の高さを示した。

今期業績予想を引き下げた銘柄では、大日精化工業が東証1部値下がり率 1位、綜合警備保障が同2位となったのをはじめ、日本信号、タキロン、三信 電気などもそろって急落。業績悪化を4日に発表した船井電機は2日連続のス トップ安となった。

ギョーザ事件の影響で冷凍食品事業の統合解消を決めた日清食品とJTは ともに下落。特に日清食品は、大和総研が来期経常減益を予想して格下げした こともあり、7.8%安と下げが大きかった。

トヨタ小反発、ニコンも高い

もっとも、好業績が個別で評価された銘柄も散見された。07年10-12月 期純利益が四半期開示以降の最高となり、自社株の追加取得や償却も発表した トヨタ自動車は売買代金首位で小反発。通期業績予想を増額したニコン、午後 に業績予想の上方修正を行った三菱重工業もそれぞれ上昇した。「全面安の中 でも、市場はバリュエーションをきっちり見分けている」(ソシエテ・吉野 氏)という。

08年12月期の連結営業利益が前期比5.8%増と伸びる見込みのアサヒビ ールは3日続伸。みずほ証券が投資判断を引き上げたフルキャストはストップ 高となり、今期純利益予想を増額した東洋精糖、自社株買いを発表したトーカ ロも急伸した。

新興市場も下落

国内新興市場も下落。東証1部市場の全面安やヤフーの反落から投資家心 理が悪化したものの、各指数の下落率は東証1部市場に比べると相対的に小幅 だった。ジャスダック指数の終値は前日比1.62ポイント(2.5%)安の63.51 と3日ぶり反落。東証マザーズ指数は17.52ポイント(2.7%)安の625.33、 大証ヘラクレス指数は22.50ポイント(2.3%)安の968.37とそれぞれ続落。

個別では、楽天、ユビキタス、サイバーエージェント、ミクシィ、ダヴィ ンチ・アドバイザーズが安い。半面、テレウェイヴ、ウェブマネー、アセッ ト・マネジャーズが高く、1日上場のデジタルハーツは値幅制限いっぱいの一 時ストップ高まで買われた。

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