東京外為:円が対ユーロで約1週間半ぶり高値、株安でリスク回避志向

午前の東京外国為替市場では、円が強含み。 米国のリセッション(景気後退)懸念が一段と強まる中、世界的な株安を背景 にリスク回避志向の高まりから円の買い戻しが進み、円は対ユーロで一時、約 1週間半ぶりとなる1ユーロ=155円台後半まで上昇した。

円は対ドルでも一時、1ドル=106円台前半まで上昇。ただ、積極的に円を 買う材料にも乏しく、その後は106円半ばを中心に売り買いが交錯している。

野村証券金融市場部為替課の永谷昌悟次長は、米国株の下げたことで、海 外時間から日本株の下落は読めていたとした上で、「ここから株がずるずる下 げるようだと、クロス円(ドル以外の通貨の対円相場)がさらに重たくなる可 能性はある」と語る。もっとも、「ドル・円については、米雇用統計がマイナ スになってもドルの下落は限定的だったし、ユーロなど他通貨ではドル買いに なっているので、そういう意味では株だけを理由にドル・円を売り叩くのは難 しい」と指摘する。

円買い戻しが先行

この日の東京市場は、米国株の大幅続落を背景に円が買い戻された海外市 場の流れを引きずって始まった。

ドル・円は1ドル=106円台後半で早朝の取引を開始すると、午前8時すぎ には一時、106円39銭(ブルームバーグ・データ参照、以下同じ)と3営業日 ぶりの水準まで円が上昇。ユーロ・円も1ユーロ=156円ちょうどを割り込んだ。

しかし、同水準では円の戻り売りも入り、ドル・円は106円台後半まで値 を戻す場面も見られた。一方、ユーロ・円はいったん156円台を回復したもの の、ユーロの上値は重く、午前10時半すぎには155円72銭と1月28日以来の 円高水準を付けた。

米国のリセッション懸念

米供給管理協会(ISM)が5日発表した1月の非製造業景況指数は41.9 と、前月の54.4(修正前53.9)から急降下し、サービス業活動の拡大と縮小の 境目である50を一気に割り込んだ。1月の水準は前回の景気後退期の谷に接近 していた2001年10月以来の最低。

ISM指数の悪化を受け、米国のリセッション入り懸念が強まる中、5日 の米国株式市場ではダウ工業株30種平均とS&P500種株価平均が2007年2月 下旬以来の大幅な下げを記録。6日午前の東京株式相場も、日経平均株価の下 げ幅が500円を超える大幅続落となっている。

UBS銀行東京支店外国為替部FXアドバイザーの牟田誠一朗ディレクタ ーは、「サービス業の景況感悪化ということで、消費の冷え込みが裏付けられ、 全般的に景気がさらに減速する兆候が示された」と指摘。米経済は非常に危機 的な状況になってきた感があるといい、株の大幅下落も相まって、円高に圧力 がかかりやすいと指摘する。

一方で、シカゴマーカンタイル取引所(CME)国際通貨市場(IMM) のドル・円先物取引の非商業部門の円ポジションは、04年2月以来で最大の買 い越し(5万2928枚、1月29日時点)となっており、対ドルでの円買い余力 は乏しいとの指摘もある。また、「きのうも含めて対欧州通貨ではドル高にな っているので、ドル・円単体でどこまで押せるか分からない」(HSBC為替 資金本部外国為替営業部・花生浩介部長花生氏)といい、一気に円高が進む感 じはない。

ECB控えユーロ軟調

5日の海外市場では1月のユーロ圏サービス業景気指数(確定値)や昨年 12月のユーロ圏小売売上高指数が大幅な落ち込みとなったことを受け、ユーロ が対ドルでほぼ2カ月ぶりの大幅下落となり、一時、1ユーロ=1.4622ドルと 1月24日以来の安値を記録。この日の東京市場でも1.46ドル前半を中心にユ ーロは上値の重い展開が続いている。

HSBCの花生氏は、7日の欧州中央銀行(ECB)の定例理事会では利 下げはないとみられるが、欧州の景況感が悪化する中、これまでタカ派的なコ メントを繰り返してきたトリシェ総裁が会合後の会見で「将来的な利下げの余 地を前面に出してくるとすれば、ユーロ売りに一段と拍車がかかる可能性も考 えられる」と指摘する。

--共同取材:吉川淳子 Editor:Tetsuzo Ushiroyama、Norihiko Kosaka

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