ホンダ:米国のインセンティブ最高の1000ドル超に-新型車切り替えで

国内2位の自動車メーカー、ホンダは米国で 支払うインセンティブ(販売奨励金)を1台当たり平均で過去最高の1000ドル 超に引き上げる。米国市場全体が縮小しているうえ、今年新型車に切り替わるモ デルを複数抱えているための措置。既存車の流通在庫を圧縮して新型車を売りや すい環境をつくることで、総需要が縮小する中でも前年を上回る販売を目指す構 え。

ホンダの池史彦常務が5日、ブルームバーグ・ニュースとのインタビューで 明らかにした。ホンダの場合、自動車ローンの金利引き下げの原資や、一定の目 標台数に達成した場合に販売店に支払う達成リベートなどの形で20年ほど前か らインセンティブを使っているが、他社のように直接、消費者に還元する方式は とっていない。

昨年のインセンティブは1台当たり平均で950ドル程度だったが、「今年は 1000ドルを上回る見通し」(池常務)という。池常務によると、これまでホン ダのインセンティブは1000ドル未満で推移していた。

ホンダは米国で今年、ミッドサイズSUV(スポーツ型多目的車)「パイロ ット」、高級車ブランド・アキュラ系列で4ドアセダン「TL」および「TS X」をそれぞれ新型車に切り替える。一方、ガソリン高やサブプライム(信用力 の低い個人向け)住宅ローン問題などによる消費者心理の冷え込みで、米新車市 場そのものが減少傾向にある。

この結果、ホンダの販売店段階の在庫が適正日数45日に対し、「70日程度 にまで積み上がっている」(池常務)という。このためホンダでは、新型車への 切り替えが迫っているモデルを中心に「メリハリをつけてインセンティブを使う こと」(同)で在庫圧縮を図り、販売店が新型車を仕入れやすい環境を整える。

こうしたインセンティブの積み増しと年後半からの新型車の投入効果でホン ダは今年、米国で前年比2.5%増の159万台の販売を目指す。市場そのものは減 少が見込まれているものの、「シビック、フィットをはじめとする既存の低燃費 車も引き続き人気が高く、間違いなく前年より台数は伸びる」(池常務)として いる。

ホンダの株価は午前終値で前日比180円(5.4%)安の3130円。