日経平均は500円超下げ、米景気悪化で全面安-国際協調求む声(2)

午前の東京株式相場は、日経平均株価の下 げ幅が500円を超えて大幅続落。米供給管理協会(ISM)が5日発表した非 製造業景況指数が急激な悪化を示し、米国景気後退への警戒から電機や輸送用 機器、卸売など幅広く売りが出た。格付け会社フィッチによる金融保証会社 (モノライン)などの格下げの可能性を嫌気し、銀行や保険など金融株も急落 し、東証1部の業種別33指数はすべて安い。

ソシエテジェネラルアセットマネジメントの吉野晶雄チーフエコノミスト によれば、「ISM指数がここまで悪化すると、米国の1-3月期はマイナス 成長となる可能性が高まってきたと見ざるを得ない」という。9日に東京で予 定されている7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)において、「国際協調 など何らかの対策を打ち出さなければ、日経平均は1万3000円割れの懸念が 高まる」と、吉野氏は見ている。

日経平均株価の午前終値は前日比567円34銭(4.1%)安の1万3178円 16銭、TOPIXは50.45ポイント(3.7%)安の1305.03。東証1部の売買 高は概算で11億2469万株、売買代金は同1兆2904億円。

値上がり銘柄数はわずかに61。値下がり銘柄数は1630と、全体の94%に 達した。東証業種別33指数では、電気機器、銀行、輸送用機器、化学、機械、 卸売、情報・通信、保険などの下落寄与度が大きくなった。

ISM非製造業は01年10月来の低水準

午前は全面安の展開となり、日経平均の下げ幅は昨年来安値を付けた1月 22日(753円)以来の大きさとなった。ISMが5日発表した米国の1月非製 造業景況指数は41.9と前月から急降下し、サービス業活動の拡大と縮小の境 目である50を一気に割り込んだ。景気後退懸念にモノライン格下げの可能性 も加わり、ダウ工業株30平均とS&P500種株価指数は07年2月下旬以来の 大幅な下げを記録した。

ソシエテの吉野氏は、1月雇用統計の悪化にもかかわらず、米国株が上昇 していたのは利下げへの期待が支えていたためと指摘。しかし、「ここまで指 標が悪化してモノラインの火種も抱えると、利下げ期待も株価に効かなくなっ てくる」(同氏)と、警戒感を示す。このため、米国株は緊急利下げと景気対 策拡大の催促相場に入ると見る。

今期1株益は低下傾向

国内では企業業績の発表が相次ぐが、日経平均の1株利益は12月中旬の 940円台から低下傾向だ。2月に入って900円を割り込み、5日時点では893 円。米国景気減速の影響がまだ企業業績に本格的に表れていない段階で1株利 益が減少しているとあって、来期業績に対する不透明感は下げ幅を大きくした。 リテラ・クレア証券の井原翼理事・情報部長は「直近の株価の上げ下げが大き いので、ムードが悪化すると下げに勢いがつく」と解説した。

金融株の下げきつい

東証1部の全業種が下げる中、金融株の下げがきつい。銀行株がTOPI X下落寄与度2位となったほか、保険は東証1部業種別下落率で2位。フィッ チ・レーティングスは、モノライン大手MBIAの保険財務力格付けを引き下 げ方向で見直すと発表。さらに提示した格付けガイドラインによると、2200億 ドル相当のCDOの格付けが最大で5段階引き下げられる可能性がある。

SMBCフレンド証券投資情報部の松野利彦次長は、「モノラインの格下 げは金融株の格下げにもつながる不安がある。今月の欧州金融機関の決算発表 も相場を揺らす要因となりそう」との見方を示している。

また、大手商社や非鉄金属、機械など新興国関連株もそろって売られた。 非鉄金属は午前の東証1部業種別下落率のトップ。米国景気指標の予想以上の 悪化は、「米国依存度の高い中国など新興国経済も影響は免れない」(松野 氏)とされた。

オリックスに売り殺到、ニコン大幅高

個別では、経営環境が期初の想定から激変したと判断し、08年3月通期の 純利益予想を引き下げたオリックスが、ゴールドマン・サックス証券などから の投資判断引き下げも相次いで値幅制限いっぱいのストップ安売り気配となっ た。業績予想を下方修正した綜合警備保障が東証1部値下がり率トップとなっ たほか、進ちょく率が高水準ながら通期業績予想を据え置いたJUKI、業績 予想を減額したタキロンもそろって急落。

ギョーザ事件の影響で冷凍食品事業の統合解消を決めた日清食品とJTは ともに安く、特に日清食品は大和総研が来期経常減益を予想して格下げしたこ とも響いた。07年10-12月期純利益が四半期開示以降の最高となったトヨタ 自動車は前日比プラスに転じる場面もあったが、維持できずに続落。

半面、通期業績予想を増額したニコンが売買代金上位で大幅高、08年12 月期の連結営業利益が前期比5.8%増と伸びる見込みのアサヒビールは3日続 伸した。みずほ証券が投資判断を引き上げたフルキャストはストップ高、コス モ証券が格上げしたクラリオン、今期純利益予想を増額した東洋精糖、自社株 買いを発表したトーカロなどもそれぞれ急伸。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE