10-12月期GDP、外需主導で2期連続プラス成長へ-年明け減速予想

昨年10-12月期の日本の国内総生産(GD P)は、外需主導により2四半期連続で前期比プラス成長を確保する見込みだ。 昨年末までは好調なアジア、新興国向けの輸出がけん引役になったとみられる。 しかし、ことし1-3月期は米国経済の減速が鮮明化しており、外需頼みの日 本経済は減速が顕著になるとの見方が多い。

ブルームバーグ・ニュースがエコノミスト27人を対象に行った事前調査に よると、10-12月期の実質GDP伸び率は予想中央値で前期比0.4%増、前期 比年率換算1.6%増が見込まれている。7-9月期の実績はそれぞれ0.4%増、

1.5%増だった。内閣府は14日午前8時50分に同統計を発表する。

10-12月期は、昨年6月に施行した改正建築基準法に伴う民間住宅着工件 数の減少幅が前期から拡大したことから、内需の最大の押し下げ要因になると みられている。またGDPの6割弱を占める個人消費は、若干のプラスを見込 む向きが多く、消費者マインドの悪化の度合いと比べると堅調さを示す内容に なりそうだ。一方、設備投資については前期比プラス予想とマイナス予想の双 方が混在している。

三菱総合研究所の大島一宏エコノミストは、10-12月期のGDPについて 「金融市場で警戒されているほどには、今のところ日本の実体経済は悪くない と言えよう」とする一方、同期は「アジア向け輸出の伸びに支えられ、やや『出 来過ぎ』の面があり、割り引いてみる必要がある」との見方を示している。

先行き警戒感強まる

昨年末までの日本経済は辛うじて潜在成長率並みの成長を維持したとの見 方が多いが、1-3月期については厳しい見方が増えている。この背景には、 サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題の深刻化により雇用、 消費の減少など米国の実体経済への影響が出始めていることや、日本国内でも これらの影響を受けて1月と2月に生産の減少が見込まれていることなどがあ る。

モルガン・スタンレー証券の佐藤健裕チーフエコノミストは、1-3月期 について「日本経済は外需の支えを失い、ちょっとした景気後退に陥るリスク がある」と指摘。HSBC証券の白石誠司チーフエコノミストも、同期は「鉱 工業生産指数で示唆されている通り、春先にかけて成長の減少が明確化する可 能性が高い」と予想する。

これに対し、クレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミストは4日 付のリポートで、外需依存度が上昇している日本経済の「脆弱(ぜいじゃく) 性は高まっている」と指摘しながらも、米供給管理協会(ISM)製造業新規 受注指数が1月に回復していることを挙げ、「景気が外需減少によって後退局面 に入る可能性は短期的には低下した」との見方を示している。

住宅投資減少の影響

10-12月期に国内要因でGDP伸び率が前期に比べ減少すると見込むエコ ノミストもいる。農林中金総合研究所の南武志主任研究員は、前期比0.1%増(年 率換算0.4%増)を予想する。住宅投資は7-9月期の前期比7.9%減から10 -12月期は20.5%減に減少幅を拡大するとした上で、GDP伸び率を0.6%押 し下げると予測する。

07年の日本の新設住宅着工戸数は、改正建築基準法に伴う建築審査の厳格 化の影響により、40年ぶりの低水準に落ち込んだ。国土交通省が昨年11月14 日付で一部規制を緩和したことなどから、着工戸数は持ち直しの動きがみられ る。ただ、耐震構造が複雑なマンションの着工件数は依然として大幅な減少が 続いている。

GDP統計上の住宅投資は、1-3月期以降は徐々に押し下げ効果が後退す るとみられているが、住宅投資の「V字回復の可能性は低い」(モルガン・スタ ンレー証券の佐藤氏)との見方も根強い。

大田弘子経済財政政策担当相は1日の会見で、住宅着工について「谷が非 常に深かったので、この過程で建築資材の生産が減速したり、倒産という話も 聞いている。波及がどう出てくるか注意が必要だ」と語り、「大型マンションに 立ち直りの様子が見えていないので、まだ予断を許さない」との慎重な見方を 示している。

--共同取材 Harumi Ichikura、Minh Bui Editor:Hitoshi Ozawa、Masaru Aoki

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