日本株:輸出中心続落へ、ISM指数で米景気警戒-CDO懸念(3)

東京株式相場は大幅続落する見通し。米供 給管理協会(ISM)が5日発表した非製造業景況指数が急激な悪化を示し、 米国景気後退への警戒からトヨタ自動車など輸出関連中心に幅広く売りが広が りそう。格付け会社フィッチによる債務担保証券(CDO)や金融保証会社 (モノライン)格下げの可能性から、銀行株も下げが大きくなる見込みだ。

日興コーディアル証券エクイティ部の西広市部長は、「米景気の先行きに 対する不透明感が残っている」と指摘。東京市場は1月22日から2月4日ま で日経平均株価が10%強の上昇となり、テクニカル的には過熱感があるほか、 今週の東証1部の売買高平均は先週の平均を9.1%下回るなどエネルギーも細 っており、「外部要因に影響を受けやすい」(同氏)との見方を示した。

シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物3月物の5日清算値は1万3370 円、大阪証券取引所の通常取引終値(1万3750円)に比べて380円安だった。

ISM非製造業は01年10月来の低水準

ISMが5日発表した米国の1月非製造業景況指数は41.9と前月の54.4 から急降下し、サービス業活動の拡大と縮小の境目である50を一気に割り込 んだ。41.9は、前回の景気後退期の谷に接近していた2001年10月以来の低水 準。大和証券アメリカのチーフエコノミスト、マイケル・モラン氏は「これは ひどい落ち込みだ。この統計内容が正しいのなら、経済にとって悲惨なニュー スだ」と述べている。

東京市場では5日の取引時間中、ヤマハ発動機が北米販売の減少から08 年12月期業績の悪化見通しを発表して急落。取引終了後に07年10-12月期 業績を発表したトヨタ自動車も、純利益は四半期開示以降で過去最高だったも のの、北米販売は4年半ぶりに前年同期比マイナスとなった。

日興シティグループ証券では為替前提の変更などで、トヨタの来期(09年 3月期)以降の業績予想を5日付で下方修正、投資判断「買い」は継続したも のの、目標株価は引き下げた。企業の足元の業績動向を受けて米景気後退への 警戒感が高まっており、米統計を受けて輸出関連株の来期業績に不透明感が高 まりそうだ。

米主要株価3指数の5日終値は、S&P500種株価指数が前日比44.18ポ イント(3.2%)安の1336.64、ダウ工業株30種平均は370.03ドル(2.9%) 安の12265.13ドル、ナスダック総合指数は73.28ポイント(3.1%)安の

2309.57。ダウ平均とS&P500指数は2007年2月下旬以来の大幅な下げ。

銀行株も下げ拡大の公算

格付け会社フィッチ・レーティングスが5日提示した格付けガイドライン では、2200億ドル(約23兆5180億円)相当のCDOの格付けが最大で5段階 引き下げられる可能性がある。また、フィッチはモノライン大手MBIAの保 険財務力格付け「AAA」を引き下げ方向で見直すとも発表。このため、銀行 株にも信用懸念から売りが膨らみそうだ。5日の米国株市場では米景気への警 戒とモノラインやCDOの格下げ可能性が重なり、S&P500種金融株指数は 前日比4.6%安となり、同10業種別指数の中では最大の下落率となっている。

オリックスや旭硝子、JTが下落か

個別で材料が出た銘柄では、経営環境が期初の想定から激変したとして08 年3月通期の純利益予想を引き下げたオリックス、08年12月期の連結営業利 益予想がアナリスト予想を下回る旭硝子、08年3月通期の連結業績予想を減額 したロームなどが安くなりそう。ギョーザ中毒事件の影響から、冷凍食品事業 の統合基本契約を解消すると発表したJTや日清食品なども下落が見込まれる。

半面、デジタルカメラや充電池の売り上げが好調に推移し、07年10-12 月期の連結営業利益が大幅増益となった三洋電機、08年12月期の連結営業利 益が前期比5.8%増と伸びる見込みのアサヒビールなどは堅調が予想される。

三菱重や三井化など発表

きょうの主な業績発表は、三菱重工業(午後1時台)、三井化学(午後1 時台)、住友ベークライト(午後1時台)、クラレ(午後1時台)、三菱製紙 (午後2時台)、ヤマハ(午後2時台)など。このほか、取引時間終了後に新 日鉱ホールディングス、太陽誘電、マツダ、カプコン、バンダイナムコホール ディングス、野村不動産ホールディングスなども予定されている。

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