ヤフー株は納会来の5万円回復、業界の閉塞打破に期待-米動向混とん

ポータル(玄関)サイト国内最大手のヤフ ー株は一時、2営業日連続のストップ高(値幅制限いっぱいの上昇)水準まで 上昇。米マイクロソフトによる米ヤフーへの約4兆7000億円の買収提案につ いて、業界活性化などにつながるポジティブな材料と捉えた買いが継続してい る。ただ、米国でのヤフーをめぐる買収劇は報道が過熱し、情報が錯そうする 中、先行きは混とんとしてきた。市場では、一時的に米国の動向を見極めたい との見方も出てきている。

ヤフーの株価は午前10時52分現在、前日比2550円(5.5%)高の4万 8550円。買い気配で始まり、ストップ高水準の5万円で取引が成立した。5万 円台の回復は、昨年12月28日の大納会以来。

ヤフーを傘下に抱えるソフトバンクの株価は前日比変わらずの2205円で 取引が始まり、現在は同85円(3.9%)安の2120円で取引されている。

高木証券投資調査部の勇崎聡次長は、もともとヤフーの株価はかなりの安 値水準にあったことから、朝方は前日に続き買い注文が殺到したと指摘。その 上で、「プレミアムを考慮した株価はあくまで資産価値であり、業績とは別。 今回の米国の買収による日本への影響は現在未知数であり、一段の買い増しは 米国動向を見極めてからでも良いとの考えがある」と指摘した。

米国での情報は錯綜

米ヤフーは日本のヤフーの33.4%を保有する大株主で、米国発のIT・テ クノロジー業界の再編につながる大型買収は、日本のIT業界への影響も大き いとの見方が広がり、前日はインターネット関連銘柄が幅広く買われた。

ただ4日の米国では、マイクロソフトの覇権強化阻止に向けてヤフーが競 合会社の支援を仰ぐ可能性が取り沙汰され、その相手先としてグーグルやニュ ーズ社の名前が挙がるなど、先行きは混とんとしている状態だ。

スタンフォード・グループのアナリスト、クレイトン・モーラン氏によ ると、米ヤフーはインターネット検索大手の米グーグル、ルパート・マードッ ク 氏率いる米ニューズ・コープ、米ケーブルテレビ(CATV)最大手コム キャ ストからの買収提案を求める公算があるという。また別のアナリストに よれば、ヤフーがニューズ傘下のマイスペースといったソーシャル・ネットワ ーキング・サービス(SNS)との提携を目指す可能性もあるそうだ。

買収提案は必要なものだった

東海東京証券外国株式部の調査・支援グループの町山浩幸グループリーダ ーは、今回のマイクロソフトの買収提案について「ネットの広告、検索技術の 競争環境がいよいよ厳しくなってきた結果」との受け止め方だ。技術開発のコ ストも拡大しており、「この買収提案はマイクロソフトには必要なものだっ た」(同氏)という。

一方、勝ち組とされるグーグルでさえも、このところの業績は「粗利益の 伸びが低くなっている。業界全体にある種の閉塞感が漂っているのは事実で、 買収劇の行方次第ではこの閉塞感を打破するものになる可能性もある」と、町 山氏は見る。同氏によると、今後大きな成長が期待できるのは中国をはじめと する新興国市場で、すでに中国ネット検索最大手の百度は中国市場を席けんし、 日本でもサービスを開始した。一方、グーグルやヤフーは中国では苦戦してお り、「世界規模での検索関連の競争は激しさを増す一方だ」という。