鉄鋼5社の四半期:新日鉄減益、JFE下方修正-今後の増益課題

鉄鋼大手5社の2007年4-12月期連結決 算が出そろった。国内外の旺盛な鉄鋼需要を背景に各社史上最高規模の売り上 げを計上したものの、鉄鋼副原料や海上運賃の高騰が響き、新日本製鉄と住友 金属工業、神戸製鋼所の3社が減益となった。増益を確保した2社のうちJF Eホールディングスは通期予想を大幅下方修正、日新製鋼は足元の販売量が急 減するなど、各社とも今後の増益シナリオをいかに描いていくかが課題だ。

鉄鋼連盟によると、2007年通年の国内粗鋼生産が1億2020万トンと、過 去最高の1973年を上回った。一方、モリブデンなどの鉄鋼副原料や鉄スクラ ップ価格、海上運賃などは昨春以降徐々に騰勢を強めており、製品価格への転 嫁が十分に追いついていない状況。減価償却制度の変更に伴う負担増も収益の 押し下げ要因だ。

新日鉄や住金は、自動車用鋼板や造船・建機向け厚板、油井用シームレス パイプなど高級鋼の需要が伸びたが、新日鉄は土地売却益などもあったが最終 的に減益となった。神鋼はアルミや銅の在庫評価益が減少も響いた。

一方、JFEホールディングスは「原材料価格の高騰による660億円の減 益を値上げで相殺、増産で320億円の増益効果があった」(山崎敏邦・副社 長)ため、大幅な増益を確保した。ただ通期ではグループ会社のごみ処理プラ ント事業で将来の保守費用が大幅に増える見通しなどを理由に500億円の特別 損失を計上するため、通期見通しを従来予想の3200億円から18.8%引き下げ た。

日新も2ケタの増益を確保したものの、主要製品のステンレス原料である ニッケルの在庫評価益が前年同期に比べ30億円増えたのを除くと実質横ばい。 足元は改正建築基準法の影響による需要減が響いており、今後の経営環境は不 透明だ。

*T1 鉄鋼大手連結純利益(単位は億円、カッコ内は前年同期比%)

4-12月期   08年3月期 新日鉄  2631(-0.1)  3650(+3.9) JFE  2337(+11.7)  2600(-13.2) 住金   1443(-7.5)  1900(-16.2) 神鋼    687(-9.6)   900(-17.9) 日新    280(+12.3)  330(-11.3)

*T1

各社の株価終値は、新日鉄が前週末比5円(0.8%)高の636円、JFEが同 270円(5.5%)安の4650円、住金が同3円(0.6%)高の503円、神鋼が同 14円(4.0%)高の363円、日新が同14円(4.0%)高の363円。