日本株(終了)急伸、モノライン救済や再編期待-金融とネット関連高

週明けの東京株式相場は急反発。1日の米国 で大手金融保証会社(モノライン)に対する救済計画が明らかになり、金融シス テム不安が和らぎ、みずほフィナンシャルグループやミレアホールディングスな ど金融株への買いが目立った。米マイクロソフトによる買収提案で、業界再編期 待から米ヤフー株が急騰した流れを引き継ぎ、日本でもヤフーがストップ高(値 幅制限の上限)比例配分。その筆頭株主のソフトバンクもストップ高まで買われ るなど、インターネット関連の主力銘柄にも投資資金が向かった。

日経平均株価の終値は前週末比362円54銭(2.7%)高の1万3859円70銭、 TOPIXは同27.86ポイント(2.1%)高の1364.72。東証1部の売買高は概 算で20億2577万株、売買代金は同2兆5763億円。値上がり銘柄数は1420、値 下がりは251。東証業種別指数は29業種が上昇、下落は空運や鉄鋼など4業種。

大和投資信託の長野吉納シニアストラテジストは、日経平均が1月22日に 1万2500円台まで急落してから、緩やかながら戻り歩調にあることについて、 「短期間で下げ過ぎた反動でしばらくは買い戻しが入りやすい。米住宅ローン問 題関連で大きな悪材料が出てこなければ、自律反発基調が続くだろう」との見方 を示した。目先の戻りのめどとして、25日移動平均線(1万4013円)を挙げる。

モノライン情報で一喜一憂

また長野氏は、モノラインの格下げがあるかどうかの思惑で日々の相場が動 く状況が続いており、「1日には米国でモノライン救済計画が出たために、格下 げを避けられるとの見方が台頭。金融不安の後退を背景に、この日の日本株は金 融や不動産株中心に買い進まれた」と指摘。ただ、モノラインは保証している金 額に対して自己資本が圧倒的に小さいため、増資をしても経営の建て直しはそれ ほど簡単でないと指摘し、「投資家としてはモノラインの格下げがあってもやむ を得ない、というスタンスで投資に望む必要があろう」と話す。

米株は続伸、マイクロソフトのヤフー買収提案など

1日の米株式相場は、ソフトウエア最大手のマイクロソフトによるポータル (玄関)サイト大手ヤフーの買収案提示やモノライン救済観測が材料視され、雇 用統計の悪化をこなして続伸した。上昇が目立ったのはITや素材、金融など。 マイクロソフトは1日、米ヤフーに446億ドル(約4兆7478億円)で買収を提 案したと発表。買収により、インターネット検索とウェブ広告で支配的な地位に あるグーグルに対抗する構えだ。米ヤフーは前日比48%高と、1996年の新規株 式公開(IPO)以来最大の上げを記録した。

一方、エリック・ディナロ・ニューヨーク州保険局長は、モノライン2位の アムバック・ファイナンシャル・グループに対して金融機関主導の救済策を計画 している。アムバックの格下げによる信用市場の混乱を未然に防ぐのが目的で、 計画について説明を受けた関係者2人が1日までに明らかにした。関係者らによ れば、米シティグループやスイスのUBSなど8金融機関が資金提供に向けて グループを結成。また、これとは別の複数のグループがモノライン最大手MBI Aや同業のファイナンシャル・ギャランティー・インシュアランスに資本提供す る同様の計画について、作業を開始したという。

1月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数(季節調整済み)が前月比1万 7000人減少。減少は2003年8月(4万2000人減)以来、4年5カ月ぶり。ブ ルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は7万人増だった。

終日堅調、窓埋めはならず

米株堅調の流れを受けて、この日の日本株は終日堅調に推移した。午後の取 引では、金融システム不安が和らぐ中、中国や韓国などアジア地域の株価が総じ て大幅高で始まったほか、外国為替市場でも円相場がドルやユーロに対して落ち 着いた動きにあったことから投資家心理が上向き、日経平均は午後零時31分に 392円高の1万3889円まで上昇。1月15日安値と同16日高値のすき間である 「窓」(1万3841-1万3915円)埋めに挑戦する場面もあったが、その後一段 の買いは見られず、窓埋めは達成できなかった。

金融と半導体に買い、シャープは急反発

米ニューヨーク州保険局長がアムバックに対して金融機関主導の救済策を計 画、1日の米株市場で金融株が買われた流れから、みずほFGや三菱UFJフィ ナンシャル・グループなど銀行株、野村ホールディングスや大和証券グループ本 社など証券株、ミレアHDやT&Dホールディングスといった保険株がそろって 高い。三菱地所が7.6%高となるなど、不動産株も買われた。1日の米フィラデ ルフィア半導体株指数(SOX)が6%近く急伸した流れを引き継ぎ、アドバン テストやSUMCOといった半導体関連株の一角も上昇。

再編期待を背景に米ヤフー株が急騰した流れを受け、日本でもヤフーやその 筆頭株主のソフトバンクに買いが殺到。ディー・エヌ・エーやトランス・コスモ スなどその他のネット関連株にも買いが波及した。中国最大のアルミニウムメー カー、チャイナルコと米アルミ大手アルコアが英・オーストラリア系鉱山会社大 手リオ・ティントの株式72億ポンド(約1兆5040億円)相当を取得したと1日 明らかにし、欧米市場で資源株が上昇した流れから住友金属鉱山や三井金属鉱業 など非鉄金属株の一角が上昇。また、石炭価格の急騰を受け、石炭権益を持つ三 菱商事が9%高と急反発、東証1部の上昇率上位には三井松島産業も入った。

ベアリング投信投資顧問の牧譲治専務は、IT・テクノロジー業界や非鉄業 界では世界的な再編期待が高まっており、「日本にも企業再編の波が押し寄せる のは避けられない情勢。再編で経営効率化が進めば、投資家は株式市場へ資金を 向けやすくなる」と話す。また、野村証券投資情報部の品田民治課長も、世界経 済の減速に伴う流動性低下の懸念もあり、マイクロソフトによる巨額買収提案は 「資金面で余裕のある経済主体が市場にダイナミズムを与える動き」と評価した。

このほか、外販比率の上がっている液晶パネルの収益性向上で07年10-12 月期に増益を確保したシャープが急反発し、終値では6年ぶりの上昇率を記録。 複数のアナリストが投資判断を引き上げたカシオ計算機はストップ高。カシオは、 携帯電話の国内販売が計画を上回り、2007年10-12月期の連結純利益が過去最 高を記録した。午後1時に発表した07年4-12月期連結営業利益が前年同期比 16%増となったケーヒンは上昇転換し、3.1%高で終えた。

イビデンはストップ安配分、JFEHは発表後に急落

半面、新製品のコスト増や円高による為替差益減で08年3月期の連結業績 予想を減額したイビデンがストップ安(値幅制限の下限)比例配分。北米のプリ ンター事業が減収となり、08年3月期の連結業績予想を下方修正したブラザー 工業は大幅続落で、昨年来安値を更新。エンジニアリング事業の採算悪化を理由 に今期(2008年3月期)業績予想を午後2時に下方修正したJFEホールディ ングスは、発表後に下げ幅を広げ5.5%安で終了。

また、家庭用血圧計の市場競争の激化などでロシアでの収益が悪化し、今期 (08年3月期)の連結業績予想を下方修正したエー・アンド・ディがストップ 安で比例配分され、昨年来安値を更新した。約2年半にわたりブレーキ試験や速 度計試験の完成検査をしたかのように偽っていたことが判明した新明和工業も急 落し、東証1部の値下がり率上位に顔を出した。

国内新興市場は3指数とも反発

国内新興市場は、投資家層の重なる東証1部のヤフーとソフトバンクがそろ ってストップ高まで買い進まれたことが追い風に働いた。時価総額上位のネット 関連銘柄を中心に上げ、主要3指数がそろって反発。ジャスダック指数の終値は 前日比1.93ポイント(3.1%)高の64.39、東証マザーズ指数は6.62ポイント (1%)高の644.07、大証ヘラクレス指数は2.41ポイント(0.2%)高の

1003.72で終えた。

個別では楽天、SBIイー・トレード証券、ジュピターテレコムが買われ、 サイバーエージェント、ミクシィ、マネーパートナーズは大幅高。日本政策投資 銀行などと国内外の情報通信や医薬関連のベンチャー企業に投資するファンドを 設立したと発表したフィンテックグローバルはストップ高。半面、インデック ス・ホールディングス、アーク、アルデプロ、リプラス、ダヴィンチ・アドバイ ザーズが安い。東証マザーズ市場に1日上場したデジタルハーツが、公開価格 (18万5000円)の2.3倍となる43万円で初値を付けた。終値は39万7000円。