東京外為:円軟調、株高でリスク許容度改善-モノライン救済策に期待

午前の東京外国為替市場では、円が軟調。 対ドルでは3営業日ぶり安値水準となる1ドル=107円ちょうど付近まで円が 軟化している。前週末発表された米経済指標は強弱まちまちの内容で、ドルの 方向感が出にくい一方、内外株高を背景に投資家のリスク許容度が改善すると の見方から金利差に着目した円売りが優勢となっている。

新光証券の林秀毅グローバルストラテジストは、「前週末発表の米指標が まちまちの影響であったにもかかわらず、マーケットが落ち着いているのはモ ノライン(米金融保証会社)の救済パッケージが出るのではないかとの思惑が 良い方向に振れているため」と説明。市場がマクロ要因よりも金融市場要因に 注目していることの表れだとし、今週もドル・円相場はモノラインの行方に一 喜一憂し、株式市場を経由して振れやすい展開が続くと予想している。

ドル・円が107円ちょうど付近

ドル・円は1ドル=106円台半ば付近で週明け早朝の取引を開始。米国株の 上昇を背景に円売りが優勢となった海外市場の流れを引き継ぎ、午前7時半す ぎには前週末のドル高値の106円74銭(ブルームバーグ・データ参照、以下同 じ)と並んだ。

また、公表仲値が設定される午前10時にかけては円が下げ幅を拡大し、対 ドルでは一時、106円97銭まで円売りが進行。ただ、107円手前では円の押し 目買い意欲もあり、その後は円安値圏でもみ合う格好となっている。

ユーロ・円も1ユーロ=157円台後半で週明けの東京市場を迎えた後、午前 10時前には158円台を回復。一時、158円30銭までユーロ買い・円売りが進ん だ。

新生銀行キャピタル・マーケッツ部のキム・カンジャ次長は、「ドル・円 は105円台に突っ込んでも、先週来ずっと買いにぶつかってしまって下がらず、 米雇用統計が悪かった後のISMの数字が強かったことで慌ててみんなドルを 買い戻した感じ」と説明する。その上で、「為替市場はほとんど株をにらみな がらの展開となっているため、米国株が堅調な分、ドル・円もなかなか売られ るという状況ではない」と指摘する。

1日の北米市場では1月の米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比で 2003年8月以来の減少となったことから、ドルは対円で一時、1ドル=105円 77銭まで下落。しかし、その後米供給管理協会(ISM)が発表した1月の製 造業景況指数が50.7と景気の拡大と縮小の境目を示す50を2カ月ぶりに上回 ったことで、ドルは106円台へ反発した。

モノライン救済観測

米金融専門局CNBCは1日、匿名の関係者を引用し、モノライン救済を 目指して欧米銀行8行がコンソーシアム(企業連合)を結成したと報じた。C NBCによると、8行連合は「モノライン各社との協議、さらにはニューヨー ク州政府のエリック・ディナロ保険局長との交渉で連携する」。

モノライン救済観測を背景に、1日の米株式相場は上昇。ソフトウエア最 大手のマイクロソフトによるポータル(玄関)サイト大手ヤフーの買収案提示 も買いを呼び、雇用統計の悪化をこなして値上がりした。また、週明け午前の 東京株式相場も上昇しており、日経平均株価は前週末比300円以上上げて、1 月18日以来となる1万3800円台を回復している。

一方、米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは1月31 日付のリポートで、モノラインがサブプライム(信用力の低い借り手向け)住 宅ローン絡みの損失を補てんするため、資本を十分に増強できなければ、2月 中に一部モノラインの格下げに踏み切る可能性があると指摘している。

新生銀のキム氏は、モノライン救済策が格付け会社による格下げに間に合 わないようであると、株がどんどん下がり、ドルも下落するという状況になる とみているが、「今のところダウは非常に堅調に見えるので、このまま救済策 が出るようであれば、ドル・円はあまり下に突っ込めないという状況で、手が 出せず様子見という状況」と指摘する。

欧州金融政策、G7に注目

モノラインの救済策の行方が焦点となる一方、今週後半には欧州中央銀行 (ECB)やイングランド銀行(BOE)の政策金利の発表が予定されており、 米国の連続利下げに続いて、欧州の金融政策が注目される。

1日の海外市場では、BOEが7日の金融政策委員会(MPC)で利下げ を決定するとの観測を背景にポンドが大幅下落。対ドルでは1ポンド=1.99ド ル半ば付近から急落し、週明け早朝の取引では一時、1.9628ドルと1月24日以 来、約1週間半ぶりの安値を更新する場面も見られている。

ユーロ・ドルも米雇用統計発表後に1ユーロ=1.4949ドルと昨年11月23 日に付けたユーロの史上最高値(1.4967ドル)付近までユーロ高・ドル安が進 んだが、その後ユーロは反落し、週明け午前の取引では1.4800ドルちょうどを 挟んでもみ合う展開となっている。

新光証券の林氏は、1月のユーロ圏のインフレ率が前年同月比3.2%上昇と なったことを見ると、ECBはタカ派的にならざるを得ないが、トリシェ総裁 が景気減速について少し踏み込んだ発言をするかもしれないとの思惑もあり、 「ECB理事会を控えて、ユーロは上げにくい」と指摘。加えて、今週から始 まる欧州金融機関の決算発表に対する警戒感もあるといい、「欧州要因が間接 的にドルを支える」とみている。

また、週末には東京で7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が予定さ れている。G7ではサブプライム問題に端を発した金融市場の混乱や世界経済 の減速リスクに対応するため、どのような協調姿勢が示されるかが焦点となる が、林氏は「米国あるいはドルにとってあまり良い材料がない状況では、事前 に期待感が出やすく、ドルを支える方向に働きやすい」と指摘する。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE