債券は大幅安、株高や入札に向けた売り-先物1カ月ぶり安値(終了)

債券相場は大幅安(利回りは上昇)。米国 株がマイクロソフトによるヤフー買収案提示や金融保証会社(モノライン)救 済観測を背景に上昇、日経平均株価が急反発したことから、円債市場は売り優 勢の展開が続いた。あす実施の10年債入札に向けたヘッジ売りも下押し要因と なった。先物3月物は一時、1カ月ぶりの安値水準まで下げる場面もあった。

損保ジャパン・グローバル運用部債券運用第一グループの砺波政明グルー プリーダーは、「前週末の米国市場では、雇用統計とISM製造業景況指数が まちまちの結果。市場が注目しているモノラインに対する救済策を受けて、楽 観的な見通しが広がり株価が上昇。日経平均も堅調となり、円債は売られた。 あすの10年債入札を控えて一部でヘッジ売りも出た」と説明した。

東京先物市場の中心限月3月物は、前週末比26銭安の137円60銭で寄り 付いた後、一段安となり、51銭安の137円35銭で午前の取引を終えた。

午後に入って、日経平均が上げ幅を拡大すると、さらに値を下げた。一時 は70銭安い137円16銭まで下落し、1月4日以来、1カ月ぶりの安値水準ま で達した。結局、137円36銭で引けた。

日経平均は大幅反発。前週末比362円54銭高い1万3859円70銭で取引を 終えた。一時は400円近く上げ幅を拡大した。

日興シティグループ証券シニアストラテジストの山田聡氏は、「日本株の 上昇をにらみながら軟調に推移した。下値では押し目買いも入っていたが、売 りが優勢だった」と語った。

新発10年債利回りは一時1.475%に上昇

現物債市場で新発10年物の289回債利回りは、前週末比4ベーシスポイン ト(bp)高い1.465%で寄り付いた。午前は1.46―1.465%で推移したが、午後に 入ると水準を切り上げて、5bp高い1.475%まで上昇。4営業日ぶりの高い水 準をつけた。午後遅い時間は1.47%で取引されている。

中期債利回りも大幅に上昇。新発2年債利回りは一時4bp高い0.60%に上 昇して1月15日以来の0.6%台に乗せた。新発5年債利回りは、いったん1月 10日以来の高水準となる0.935%まで上昇した。

あす10年債入札、クーポン水準に注目

財務省は、あす5日に10年債入札を実施する。発行額は前回債と同額の1 兆9000億円程度で、発行予定日は2月20日、償還予定日は2017年12月20日 となる。

前週末の新発10年債利回りは1.4%台前半で引けており、表面利率(クー ポン)が前回債の1.5%から1.4%に引き下げられる可能性が高かったが、この 日の相場調整で1.5%に据え置かれる予想が増えている。

クーポン引き下げとなった場合、投資家の需要が減退すると懸念する見方 が多く、朝方からヘッジや持ち高調整の売りなどが優勢だった。

市場では、「あすの10年債入札はクーポン1.5%のリオープン(追加発行) になりそう。1.4%クーポンに比べれば、買い戻しニーズもあるので、無難な結 果となりそうだ」(日興シティグループ証券の山田氏)といった声、「1.5%ク ーポンであれば無難だろうが、1.4%クーポンとなれば消化に懸念がある」(三 菱UFJ証券シニア債券ストラテジスト、長谷川治美氏)といった見方も出て いる。

クレディ・スイス証券の福永顕人アソシエイトは、「発行日が20日である ため、新発債は既発の289回債より複利利回りが0.3bp高いのがフェアな入札 水準」との見方を示した。

前週末の米株は上昇、モノライン救済観測や買収案提案で

前週末の米株式相場は上昇。ソフトウエア最大手、マイクロソフトによる ポータル(玄関)サイト大手ヤフーの買収案提示やモノライン救済観測を背景 に、雇用統計の悪化をこなして値上がりした。

S&P500種株価指数終値は前日比16.87ポイント上げて1395.42。ダウ工 業株30種平均は92.83ドル高の12743.19ドルとなった。

米金融専門局CNBCは1日、匿名の関係者を引用し、モノライン救済を 目指して銀行8行がコンソーシアム(企業連合)を結成したと報じた。CNB Cによると、8行連合は、モノライン各社との協議、さらにはニューヨーク州 政府のエリック・ディナロ保険局長との交渉で連携する、という。

同局長は、少なくとも、モノライン2位のアムバック・ファイナンシャル・ グループに対して金融機関主導の救済策を計画していると明らかにしている。

米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは1月31日付の リポートで、モノラインがサブプライム(信用力の低い借り手向け)住宅ロー ン絡みの損失を補てんするため、資本を十分に増強できなければ、2月中に一 部モノラインの格下げに踏み切る可能性があると指摘している。

損保ジャパンの砺波氏は、「モノライン救済策がどういう形で決着するの か明確ではなく、まだ波乱は続くだろう」との見方をしている。

(債券価格)                     前週末比      利回り
長期国債先物3月物       137.36       -0.50          1.648%
売買高(億円)           53306
10年物289回債          100.26                1.47%(+0.045)

--共同取材:池田祐美 Editor:Hidenori Yamanaka,Norihiko Kosaka

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