日本株(終了)銀行中心に反落、サブプライム-ソニー下落率03年来

名実とも2月相場入りした東京株式相場は 反落。米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン関連損失への警戒 から、みずほフィナンシャルグループなど銀行株が売られ、銀行は東証1部の 業種別下落率で首位となった。業績予想を下方修正したソニーは売買代金トッ プで52週安値を更新、終値での下落率はいわゆる「ソニー・ショック」と呼 ばれた2003年4月以来の大きさとなったことも投資家心理を冷やした。

みずほ投信投資顧問の柏原延行執行役員は、「2008年度の企業業績は0- 5%程度の増益を予想しているが、会社側の予想は保守的に出てくる可能性が 高い」と指摘。マーケットは大幅減益をいったん織り込むことになるだろうと し、きょうのソニーの下げは「業績先行きに対する市場の疑心暗鬼を象徴する 動き」(同氏)とした。

日経平均株価の終値は前日比95円31銭(0.7%)安の1万3497円16銭、 TOPIXは9.45ポイント(0.7%)安の1336.86。東証1部の売買高は概算 で21億1445万株、売買代金は2兆6251億円。値上がり銘柄数は662、値下が り銘柄数は961。

東証業種別33指数の騰落状況では、値上がり業種が11、値下がり業種が 22。保険、海運、非鉄金属が高い。半面、銀行、情報・通信、電気・ガス、医 薬品、卸売、不動産は安い。

市場心理はなお不安定

前日の日本株市場では、輸送用機器セクターがリード役となって10-12 月期業績に対するセンチメントが改善。しかし2月相場入ったこの日は一転、 銀行や円高による輸出関連企業の一角への業績伸び悩みが意識された格好だ。

下げを主導したのは銀行株。31日に業績発表を行ったみずほFGのサブプ ライム関連損失は、ブルームバーグ・ニュースがまとめたアナリスト通期予想 の上限3200億円を9カ月間で上回る3450億円に拡大。主要8銀行グループの 第3四半期(07年4-12月)業績では、関連損失は合計で5882億円と中間期 から4.2倍に増えた。住信アセットマネジメントの三澤淳一株式運用部長は、 「邦銀のサブプライム関連損失は予想以上に大きかった。損失拡大がピークか どうかは分からない上、本業も良くない」との認識を示した上で、「株価は割 安だが、上がる材料が見当たらない」(同氏)と話した。

さらに格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は31日、 金融保証会社(モノライン)大手MBIAの保証信用格付け「AAA」を引き 下げ方向で見直すと発表。「格下げは資本市場の混乱につながり、金融機関に ダメージを与える」(みずほ投信の柏原氏)可能性も不安視された。

第2の「ソニー・ショック」

銀行に加えて、ソニーの08年3月期業績予想の下方修正も市場心理を冷 やした。同社は円高進行や株安に伴う金融資産の目減りなどから営業利益予想 を引き下げており、株価の終値での下落率は03年4月28日の「ソニー・ショ ック」(15%安)以来の8.2%に達した。「市場の業績期待感が強い銘柄だっ ただけに、反応が大きくなった」(住信アセットの三澤氏)。

円高による企業業績への影響は、これまでも株式市場下落の一因となって いた。しかし、ソニーが為替前提を円高方向で見直したことで、今期の業績発 表とともに明らかになる会社側の来期予想への不透明感が一層増した。みずほ 投信の柏原氏は、短期的にはいったん相場は底入れしたと前置きしながら、 「08年度業績に対する不安から3月後半から再度1万2000円台前半を試す可 能性がある」と警告する。

重要指標前に方向感なく

終値では下落した日本株指数も、午前には一時上昇に転じる場面があった。 ちばぎんアセットマネジメントの大越秀行運用部長によると、「米国の雇用統 計やISM製造業景気指数の発表を控え、方向性がない。きのうは予想外に大 幅上昇し、売りが出やすい状況」だった。米時間1日に発表される1月の雇用 統計では、ブルームバーグ・ニュースによる事前調査で非農業部門雇用者数は 7万人の増加(前回実績は1万8000人の増加)が見込まれる。1月のISM 製造業景況指数は、事前調査で47.4(前回実績47.7)を予想。特に雇用統計 次第で、来週の相場は上下いずれにも振れる可能性が指摘されていた。

コニカミノが大幅安、松下電産は急伸

企業業績に対する疑心暗鬼を反映し、個別では同一セクター内でも業績動 向に対する反応度が大きくなるケースが少なくなかった。会計基準変更による 08年度業績の費用増などが不安視されたコニカミノが前日比11%安と大幅安 になり、ソニーとともに電機株指数の下げを先導した。

08年3月期業績予想を下方修正した奥村組は、値幅制限いっぱいのストッ プ安で東証1部値下がり率1位。米国景気の減速で欧米のインキ事業の失速懸 念から、ゴールドマン・サックス証券が格下げした大日本インキ化学もストッ プ安で同2位となった。08年12月期の大幅減益見通しによる業績懸念で千趣 会が急落し、08年12月期が大幅減益予想の中外製薬は2日連続のストップ安。

半面、電機株では、07年10-12月期業績が堅調だった松下電器産業は前 日比4.9%高と急伸。業績発表でカーエレクトロニクス事業の良好が確認され たパイオニアはストップ高となり、電子部品の事業の利益が伸びたTDKも大 幅高。大和総研が来期の黒字転換の可能性が高まったとして投資判断を引き上 げた日本ビクターは4連騰となった。

このほか、通期業績予想を引き上げた大平洋金属はストップ高で、08年3 月期業績予想を増額した日本高周波鋼業は東証1部値上がり率で首位。

新興市場は反落

新興市場はそろって反落。米経済指標を前に買いが手控えられ、東証1部 市場同様に午後にかけて失速した。人気化していたネット関連などの下げが目 立つ。ジャスダック指数の終値は前日比0.15ポイント(0.2%)安の62.46、 東証マザーズ指数は15.73ポイント(2.4%)安の637.45、大証ヘラクレス指 数は7.60ポイント(0.8%)安の1001.31。

個別では、ミクシィが急落したほか、楽天、ジュピターテレコム、ngi、 フルスピード、ゼンテック・テクノロジー・ジャパンが下げた。業績予想の下 方修正を発表したテレウェイヴはストップ安比例配分となった。半面、SBI イー・トレード証券、日本風力開発、ぐるなびは上げた。

--共同取材:浅野 文重 Editor:Shintaro Inkyo

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