東京外為:円が小動き、米雇用統計待ち-モノライン懸念くすぶる

午前の東京外国為替市場では、ドル・円相 場が1ドル=106円台前半から半ば付近で小動き。米国の景気後退懸念がくすぶ る中、海外時間に注目の米雇用統計の発表を控え、積極的な取引は手控えられ ている。また、米金融保証会社(モノライン)をめぐる金融不安もくすぶって おり、様子見姿勢を決め込む向きが多い。

三菱UFJ信託銀行資金為替部の井上英明グループマネージャーは、東京 時間日中のドル・円相場について、「材料を控えているので、106円ちょうどか ら106円70銭を中心にレンジ取引」を予想。「きのうは月末でかなり投資家の 実需が出ていたが、きょうは月初でもあるし、様子見だと思う」と話す。

株価にらみ続き

今週は米連邦公開市場委員会(FOMC)が30日の会合で22日の緊急利 下げに続く追加利下げに動いたが、金融保証会社の経営問題や米景気の先行き 懸念がくすぶる中、株式市場は依然として不安定な状態が続いている。

1月31日の米国株式相場もモノライン最大手、米MBIAの決算や予想を 上回る失業保険申請件数などが嫌気され、下落して始まり、ダウ工業株30種平 均は一時、前日比193ドル近く下げた。

ただ、その後はMBIAが最上級格付け「AAA」を維持できるとの見通 しを示したことが好感され、相場は反転。一時、同1.6%安となっていたS&P 500種株価平均も大幅反発し、主要3株価指数はそれぞれ同約1.7%高で取引を 終了した。

軟調な欧州株や予想を下回る米経済指標を受け、ドル・円は一時、1ドル =106円ちょうどを割り込み、一時105円71銭(ブルームバーグ・データ参照、 以下同じ)と23日以来、約1週間ぶりの水準まで円高が進行。その後、米国株 が反発したことで、106円87銭まで円はいったん値を戻したが、引き続き106 円台後半では円の押し目買い意欲が強く、米国株がモノラインの格下げ報道で 引けにかけて伸び悩む中、ドル・円も106円台半ばを中心にもみ合う展開とな った。

ソシエテ・ジェネラル銀行外国為替営業部長の斉藤裕司氏は、為替は完全 に株の動きに追随する展開となっており、前日の米国株に続き、日本株が底堅 い推移となれば、「クロス・円を中心に円が売られやすくなる」と予想。ただ、 米国の材料は強弱まちまちといった面もあり、雇用統計の発表を間近に控えた 東京時間は、動きづらいムードが強まり、値幅は限られるとみている。

ユーロ・円も海外時間に一時、1ユーロ=156円70銭と3営業日ぶり円高 値を付けたが、その後158円台半ばまで反発し、東京市場にかけては158円ち ょうど付近での取引となっている。

モノラインの格下げ問題

MBIAのゲーリー・ダントン最高経営責任者(CEO)は31日、同社の 資本は最上級格付けである「AAA」を維持する上で十分な水準にあると述べ、 経営破たんの憶測を退けた。MBIAがこの日発表した2007年10-12月(第 4四半期)決算は純損益が四半期ベースで過去最大の23億ドルの赤字となった。

一方、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は同日、モノライン4 位のファイナンシャル・ギャランティー・インシュアランスの格付けを最高の 「AAA」から引き下げるとともに、MBIAの格付けも引き下げ方向で見直 すと発表した。

格下げによる金融市場への影響が懸念される中、1日の東京株式相場は続落 で始まった後、いったんはプラスに転じる場面も見られたが、その後は再び下 げに転じている。

米雇用統計とISM製造業景況指数

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によれば、この日 発表される1月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月比7万人増加 したと見られている。前月は同1万8000人増だった。

一方、米労働省が発表した、26日に終わった1週間の新規失業保険申請件 数(季節調整済み)は、前週比6万9000件増の37万5000件と、05年9月のハ リケーン「カトリーナ」襲来以来、最大の増加幅となった。ブルームバーグ・ ニュースがまとめたエコノミスト調査の予想中央値(31万9000件)も上回った。

三菱UFJ信託銀の井上氏は、1月中の失業保険申請件数が減少したこと や今週発表された民間統計が強めだったことで、雇用統計は比較的良い数字に なると予想しているが、「先々を見ると、きのうの失業保険申請件数が悪かっ たため、仮に今回の数字が良かったとしてもドルの反発は限定的になる」とみ ている。

また、雇用統計後には米供給管理協会(ISM)の1月の製造業景況指数 が発表される。井上氏は、「両方とも良ければ、ドルは最後買い戻されて引け るのかなと思うが、いずれにしろ(それまでは)材料待ちになる」と指摘する。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査では、1月のIS M製造業景況指数は47.4と昨年12月の48.4(改定値)から低下が見込まれて いる。

--共同取材:吉川淳子 Editor:Tetsuzo Ushiroyama, Norihiko Kosaka

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