アックマン氏:5年前からMBIA格付けに疑念-見解の正しさ証明か

ヘッジファンド運用者のウィリアム・アッ クマン氏は、法律事務所からコピー代として10万9000ドル(約1160万円)の 請求を受けた。同氏は請求書を見て、2002年に金融保証会社(モノライン)最 大手の米MBIAが最高格付けの「AAA」を失うとの賭けに出る前に、どれ ほどよく勉強したかを実感したという。

10万9000ドルは72万5000ページの資料をコピーした代金だった。そのう ち14万ページはMBIAに関する文書だったという。アックマン氏は自身の調 査に基づき、5年以上にわたり、MBIAのAAA格付けに疑義を呈し続けて いる。

アックマン氏の正しさは、近く証明されるかもしれない。MBIAは31日 に、23億ドルの四半期赤字を発表した。調査会社クレディットサイツは今週、 MBIAの格付けが引き下げられる可能性を指摘した。アックマン氏は、MB IAが米国のサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンを裏付けとし た証券などに保証を提供することで、リスクを拡大させていると警告してきた。

同氏は、「執拗(しつよう)なのは活動する株主の本質だ」とした上で、「私 が執拗なのはこれが重要な問題だからだ。くだらないことに執拗にこだわるの は妄執だが、重要なことには執拗になる」と話した。

発見

アックマン氏はMBIAに関する文書を読み、過去の例からリスクを判断 できないような資産担保証券(ABS)に保証を提供していることを発見した。 また、損失額を低く見せるような再保険契約も見つけたという。この問題でM BIAは07年1月に、7500万ドルを支払うことで規制当局と和解している。

アックマン氏は書簡や電子メール、プレゼンテーションを通じて、格付け 会社や規制当局にMBIAの格付けの不適切さを訴え続けた。同氏の活動につ いて調査していたスピッツァー・ニューヨーク州司法長官(現知事)に、MB IAを調査させることにもこぎ着けた。

アックマン氏のヘッジファンド、パーシング・スクエア・キャピタル・マ ネジメントはMBIAと業界2位のアムバック・ファイナンシャル・グループ の株式などの下落に賭ける取引で、昨年22%のリターンを上げた。同氏は自身 の利益を同ファンドの慈善基金に寄付する計画だという。

同様にMBIAの下落に賭ける取引をしているヘッジファンド、グリーン ライト・キャピタルのデービッド・アインホーン氏は、「MBIAの格付けAA Aはおかしいというアックマン氏の考えは、5年前から正しかった。最近にな って正しくなったわけではない」とコメントした。