ソニー「5%割れ」、松下手堅く、テレビ・為替で明暗-通期予想(3)

家電世界首位を争う松下電器産業とソニ ーが31日の業績発表で明暗を分けた。ソニーは円高や液晶テレビの苦戦で通 期(2008年3月期)営業利益予想を減額、経営目標である売上高営業利益率の

5.0%達成は厳しくなった。一方で松下は、米国での薄型テレビを筆頭に偏り なく稼いで通期予想を維持した。

松下の営業利益率予想が5.4%なのに対し、ソニーの修正後の利益率見通 しは4.6%。会見で大根田伸行ソニー最高財務責任者(CFO)は、円高や株 安に伴う「外部環境の急変」による「一時的」な悪影響を除いた利益率見通し は「5.2%」だと説明。ハワード・ストリンガー最高経営責任者(CEO)体 制下で進めてきた再建路線に問題は生じていないと強調。ストリンガー氏の経 営責任についてはコメントを控えた。

大根田氏は「価格下落で一番苦戦したのはテレビ。コスト削減が下落スピ ードに追いつかない」と語った。実際にブラウン管を含めたテレビ事業の第3 四半期営業益は歳末商戦という書き入れ時にもかかわらず40億円と、前年同 期比69%減。回復のけん引役である本業のエレクトロニクス部門の足を引っ張 った。台数では、今期の液晶テレビ販売目標1000万台を達成可能という。

「台数よりも収益」

一方、松下の上野山実CFOは会見で、上半期で高精細プラズマテレビの 投入遅れや液晶パネル調達に苦しんだ余波で、今期目標の「プラズマ500万台、 液晶400万台」が未達となる可能性があると率直に認めた。

しかし、上野山氏は「台数よりも収益」を重視する姿勢を強調。松下の今 期薄型テレビの世界販売額は「期初予想の8840億円を上回る9000億円に達す る見込みだ」と語った。第3四半期の販売額は前年同期比20%増の3128億円。

上野山氏はさらに、歳末商戦たけなわの昨年12月に、米国での同社のプ ラズマテレビ販売が「台数ベースで前年同月比の1.7倍、金額では1.4倍とな った」と説明。これは昨秋から米国で実施した販売・宣伝体制の効率化が奏功 したためだと語った。

松下と同じ「プラズマ陣営」のパイオニアは同日、通期のプラズマテレビ 出荷計画を56万台から48万台に引き下げ、今期売上高予想を従来から200億 円減額して8000億円としている。

みずほ投信投資顧問の岩本誠一郎シニアファンドマネジャーは、ソニーに ついて「来期のポイントはゲームと液晶テレビの利益改善」と指摘。第3四半 期のゲームの営業損益が黒字化した中、テレビの損益が「下がっているのは不 安」だとコメントしている。一方、松下については「薄型テレビは後発」であ り、今後の動向を注視したいと述べている。

円高への対応

円高についても松下は第4四半期について「1ドル=112円、1ユーロ= 159円の為替予約で押さえている」(上野山氏)ため、実勢相場の変動が営業 損益に与えるリスクを薄めている状態。

これに対し、ソニーは第4四半期の為替レートを1ドル=105円、対ユー ロでは155円に設定。これは10月時点で見込んでいた下半期想定レートに比 べると、対ドルでは10円、対ユーロは5円の円高となっている。大根田氏に よると、ソニーの営業損益は年間ベースで、ドルの対円相場が1円変動すれば 60億円、ユーロの場合は同65億円の影響を受ける。

松下の株価終値は前日比180円(8.7%)高の2250円、ソニーは180円 (3.6%)高の5220円。

--共同取材 近藤雅岐  Editor: Kenzo Taniai

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