【個別銘柄】エプソン、中外薬、テルモ、ヤフー、アイシン精、千代建

31日の日本株市場における主な材料銘柄 の動きは次の通り。

セイコーエプソン(6724):16%高の2565円と急反発。30日発表した第 3四半期(07年10-12月)の連結業績によると、インクジェットプリンター 事業の好調とスプレー事業の固定費減少などで純利益が前年同期比40%増の 190億円に伸びた。みずほ証券では、投資判断を買いに引き上げ。

中外製薬(4519):18%安の1405円とストップ安。インフルエンザの流 行規模が前期より小さくなると想定、インフルエンザ治療薬「タミフル」の減 収などを主因に今期(08年12月期)の連結営業利益は前期比53%減の315億 円を見込む。4月の薬価改定で貧血治療薬「エポジン」も減収を余儀なくされ ると判断、為替前提は1ドル=114円、1ユーロ=152円。

テルモ(4543):11%高の5790円と大幅反発。カテーテル(医療用細 管)や人工心肺などの心臓血管領域の商品群が想定を上回って推移している。 07年4-12月期の連結営業利益が前年同期を16%上回ったことで、今期(08 年3月期)業績が会社計画を上回るとの見方が強まり、来期以降も増収増益が 可能とみた向きから買いが入った。

ダイハツ工業(7262):10%高の1082円と3日続伸。30日午後の取引時 間中に業績予想の上方修正を発表したことを受け、買いが継続した。海外販売 が好調に推移しているとして、今期(08年3月期)の連結純利益予想を従来 見込みに対し25%増額の350億円に修正したと発表した。

ヤフー(4689):11%高の4万800円とストップ高。30日発表した第3 四半期(07年10-12月)の連結業績では、広告関連ビジネスが好調に推移し て純利益は前年同期比13%増となった。第3四半期業績を受け、証券会社ア ナリストの間では投資判断を引き上げる動きが相次いでおり、足元の業容を見 直す買いが優勢となった。

アイシン精機(7259):6.6%高の4230円と反発。午後の取引で一段高。 中国やインドなどの新興国の経済成長を背景に主力の自動車部品事業が伸びて いることから、午後1時に今期(08年3月期)の業績予想を大幅に上方修正 した。修正された数字は市場予想を上回ったため、買いが膨らんだ。

ナナオ(6737):18%高の2655円と大幅反発。アミューズメント用モニ タが本格的に寄与し、07年4-12月期の連結営業利益は前年同期比13%増の 97億5600万円となった。

テクモ(9650):10%高の1224円と大幅反発。30日に任天堂と家庭用据 え置き型ゲーム機「Wii(ウィー)」向けのソフト開発、販売で協力すると 発表。今後の業績拡大に寄与するとの期待が広がった。

ジュピターテレコム(4817):13%高の8万8500円とストップ高。30日 に今期(08年12月期)の業績予想を発表。店舗数拡大によって加入者獲得を 進め、連結営業利益は前期比17%増の500億円と引き続き2けたの増益を計 画。日興シティグループ証券は投資判断を「中立」から「買い」に引き上げた。

JT(日本たばこ産業)(2914):0.7%安の55万8000円と続落。一時 は7.1%安の52万2000円まで下げ、07年3月上旬以来の安値水準に。子会社 のジェイティ(JT)フーズが中国から輸入・販売している冷凍食品のギョー ザから、農薬に使われる有機リン系殺虫剤が検出されたと30日発表。商品を 食べた消費者が吐き気や下痢などの症状を訴えていたことも判明しており、商 品回収に伴う費用負担などが懸念され、売り注文が優勢となった。

住友信託銀行(8403):2.3%安の674円と続落。米サブプライム住宅ロ ーン関連損失が07年4-12月期で中間期の90億円の3倍超を超える299億 円に拡大したと前日に発表。値下がりリスクのある海外の証券化商品をまだ抱 えていることから、市場では追加損失に対する懸念が広がった。

ノーリツ(5943):2.6%高の1209円と反発。国内需要が大幅に減少する と見込んでいた温水機器が想定ほど落ち込まず、前期(07年12月期)の業績 予想を上方修正した。再評価の動きから買いが先行した。連結売上高は前の期 比0.9%増の1806億円(従来予想は1790億円)、営業利益は同60%減の23 億5000万円(同15億円)となったもよう。

伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)(4739):4.4%安の3060円と 続落。顧客の業務内容の高度化により受注から売上計上までの期間が長引いた 上、不採算案件も発生し、今期(08年3月期)の業績予想を下方修正した。 連結営業利益は増益から減益予想に変更され、来期以降の業績懸念が高まった。

ルネサンス(2378):11%安の414円と大幅続落。一時15%安の393円 まで下げ、52週安値を更新した。競争激化や健康関連市場の多様化から、若 い世代の会員数が伸び悩んで会員収入が計画通り伸びず、30日に今期(08年 3月期)業績予想を大幅下方修正した。既存クラブの会員数は11月以降、前 年同月比でマイナスに転じており、業績不振を嫌気した売りが出た。

NTTデータ(9613):6.3%高の47万円と反発。07年4-12月の受注 高は金融分野のアウトソーシングサービス、大規模システムの受注、連結子会 社の拡大によって前年同期比6.7%増の8128億円に。システム保守・運用な ども堅調で07年4-12月期の連結純利益は同3.1%増の383億円。今期(08 年3月期)の計画値510億円(前期比0.7%増)比の進ちょく率は75%。

千代田化工建設(6366):14%安の1240円と3日ぶりに大幅反落。ジョ イントベンチャー(JV)パートナーである仏Technipは、カタールのLNG プラントに関連して2億ユーロの損失引当金を第4四半期(07年11月-08年 2月)に計上すると発表した。千代建はカタールで4件のプロジェクトで Technipと組んでいる。

日本ガイシ(5333):6%高の2740円と大幅反発。電力貯蔵用NAS (ナトリウム/硫黄)電池、セラミック事業におけるディーゼル関連製品の出 荷増などが寄与し、07年4-12月期の連結純利益は前年同期比59%増の378 億円。据え置いた08年3月通期の計画値445億円(前期比51%増)に対する 進ちょく率は85%に達した。

東邦チタニウム(5727):4.1%安の2435円と3日ぶり反落。新設備の建 設に絡む費用の増加などで第3四半期(07年10-12月期)の利益の伸びが上 半期と比べて大きく鈍化した。同業他社と比較して見劣りがするとして、投資 家から売りが出たようだ。

日立物流(9086):5.1%高の1139円と続伸。30日発表した07年4-12 月期業績は、システム物流事業の継続的な拡大に加え、作業性の向上や新規受 託案件の円滑な立ち上げなどで2けたの増収増益を確保した。今期(08年3 月期)業績に対する進ちょく率も高く、業績上ぶれ期待が高まった。

アンリツ(6754):7.3%安の368円と4日続落。一時14%安の343円ま で下げ、52週安値を更新した。計測器事業、産業機械事業の受注は第3四半 期まで前年同期を上回って推移していたが、第4四半期に期待する製品群が顧 客の設備投資抑制の影響を受ける見通しとなり、今期(08年3月期)の連結 営業利益見通しを下方修正。また、棚卸資産の処分損費用などが発生するため、 最終損益は赤字に転落する見込み。

日本曹達(4041):7.9%安の349円と続落。一時は8.7%安の346円ま で売り込まれ、今年1月22日に付けた52週安値の336円まであと2%に迫っ た。農薬関連事業の研究費が増加、販売管理費率が上昇している。建設や非鉄 金属などの子会社群の収益も悪化しており、07年4-12月期の連結営業利益 は48億円となった。通期計画の88億円に対する進ちょく率は55%にとどま るため、売り圧力が増した。

WOWOW(4839):3.9%安の17万3000円と3日ぶり反落。一時は

3.3%高の18万6000円まで上げた。期末累計正味加入件数が見通しを上回り、 視聴料収入の増加によって今期(08年3月期)の連結営業利益見通しを従来 計画の30億円から41億円(前期比32%増)に上方修正。番組費などの効率 的投下による費用減も効く。

リコー(7752):2.5%安の1664円と続落。円高進行や米国市場の不振を 理由に今期(08年3月期)の連結営業利益予想を1950億円から1880億円に

3.6%引き下げた。1-3月の為替レートの前提を従来の1ドル=115から同 105円に修正したが、売上高予想については従来計画の2兆2500億円(前期 比8.8%増)を据え置き。

キヤノン(7751):2.4%安の4580円と続落。30日発表した第4四半期 (07年10-12月)業績はサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン 問題に端を発した世界的な景気減速の影響で主力製品の販売数量が計画を下回 り、営業減益となった。同時に発表した今期(08年12月期)業績予想では純 利益が9期連続の過去最高となるものの、伸び率は鈍化。一部証券会社では投 資判断を引き下げており、収益や株価の先行きが不安視された。

ショーワ(7274):12%高の910円と大幅反発。クレディ・スイス証券は 30日、投資判断を「アンダーパフォーム」から「中立」に引き上げた。

グッドウィル・グループ(4723):16%安の5240円とストップ安。午前 の取引時間中、警視庁による家宅捜索報道を受けて事実関係を調査中と発表。

伯東(7433):16%安の1061円と大幅続落。販売予定先の投資計画の変 更などで来期に販売を予定していたFPD用ステッパーなどの商品販売が困難 となり、今期(08年3月期)の業績予想を下方修正した。

中部飼料(2053):11%安の815円とストップ安。飼料の主原料であると うもろこし価格の高騰などを受け、今期(08年3月期)の業績予想を下方修 正した。

サイバネットシステム(4312):12%高の3950円と3日続伸。一時13% 高の3万5950円とストップ高。自動車や電機メーカーからの需要が強く、制 御、信号処理や通信関連分野が堅調に推移、午後1時に発表された07年4- 12月期の連結経常利益は前年同期比5.5%増の13億7800万円となった。また 同時に発行済株式総数の1.6%に相当する5000株、金額にして2億5000万円 を上限に自社株買いを実施すると発表した。

大阪ガス(9532):1.7%安の407円と続落。LNG価格が想定より高い ことやガス販売量が計画を下回っていることなどを理由に、今期(08年3月 期)の連結純利益予想を490億円から410億円(前期比23%減)に引き下げ た。4-12月期の連結純利益は前年同期比6.3%減の337億円だった。

東京電力(9501):0.4%安の2760円と続落。一時4%安の2660円と、 取引時間中としては05年8月下旬以来、約2年半ぶりの安値水準となった。 原発停止に伴う代替火力発電の増加や他社からの電力融通にコスト負担が大幅 に増えたことから、30日に今期(08年3月期)の連結純損益予想を従来予想 比600億円減額すると発表。赤字幅の拡大を嫌気する売りが優勢だった。

日立国際電気(6756):0.4%安の1113円。一時前日比7.6%安の1032 円まで下げ、約1週間ぶりに昨年来安値を更新した。DRAM(記憶保持動作 が必要な随時書き込み読み出しメモリー)価格の下落などを受けて半導体メー カーの設備投資が落ち込み、同社の業績拡大ピッチが鈍るとの不安が高まった。

川崎汽船(9107):1.2%安の1027円と3日ぶり反落。午後の取引から下 げ幅を拡大し、一時は4.7%安の990円まで下げた。午前終了後に発表した07 年4-12月期業績は大幅な増収増益だったものの、燃料価格の高騰などで直 近の四半期の増益率は鈍った。バラ積み船の運賃指標であるバルチック・ドラ イ指数が下落傾向にあることから、荷動きの鈍化によって今後の業績は伸び悩 むと不安視された

高ROD(リターン・オン・デッド)銘柄:大和総研の飯田尚宏クオンツ アナリストは31日のブルームバーグ・テレビで、PERやPBRの有効性が 低下する半面、信用リスクの高まりによる質への逃避の動きから、「シンプル なバリューエーション投資は難しくなってきた」と指摘。事業利益を有利子負 債で除し、財務健全性を表すRODの高い銘柄への投資が有効と話した。同総 研が低PER、高ROE(株主資本利益率)銘柄の中でスクリーニングした結 果、上位に入った新光商事(8141)は3%高の1181円、大明(1943)は1% 高の815円など。急反発したショーワ(7274)も該当する。

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