07年の新設住宅着工は40年ぶり低水準-改正建築基準法が影響(2)

2007年の日本の新設住宅着工戸数は、昨年 6月に施行した改正建築基準法に伴う建築審査の厳格化の影響により、40年ぶ りの低水準に落ち込んだ。国土交通省は昨年10月以降、一部規制を緩和する など相次いで対策を打ち出し、着工戸数は持ち直しの動きがみられるが、耐震 構造が複雑なマンションなどが元の水準に戻るのは、まだ時間がかかりそうだ。

国土交通省が31日発表した建築着工統計調査報告によると、昨年1年間 の新設住宅着工戸数は106万741戸と1967年以来の低水準となった。前年比 では17.8%減と、5年ぶりに減少した。同時に発表した12月分は、前年同月 比19.2%減の8万7214戸となり、マイナス幅は過去最大の下げ幅を記録した 9月の同44%減から3カ月連続で縮小している。年率換算では105万戸だった。

12月の前年比減少幅はブルームバーグ・ニュースがエコノミスト34人を 対象に事前調査の中央値と一致した。住宅着工は昨年9月が底だったとの見方 が定着するなか、耐震構造が複雑なマンションなどの着工の回復ペースに焦点 が移っている。

日本総合研究所調査部の主任研究員、枩村秀樹氏は発表後、12月の数字に ついて「やはりマンションの着工の戻りが鈍い」とした上で、その背景として マンションは「もともと市況が弱くなったところに、法改正でとどめの一撃を 受けた」ことを指摘した。ただ、同氏は「今のペースで行けば、春ごろには改 正前の水準に近いところに戻る可能性がある」としている。

一定のペースでは回復

国土交通省の木下慎哉・建設統計室長は31日午後の記者説明で、12月の 新設着工戸数について「一定のペースでは回復してきている」と評価する一方、 今後の回復のペースについては明言を避けた。

12月のマンション着工戸数は、1万631戸と前年比49.7%減少したが、 マイナス幅は11月の同63.9%減から縮小。マンションも含めた一定規模以上 の、いわゆる1-3号建築物の適判合格件数は、12月に1686件と11月の1430 件から増加したものの、対前年比では17.6%減とマイナス幅は前月とほぼ同じ だった。

同省の水流潤太郎・建築指導課長は記者説明で、建築適合判定の現場につ いて、「10月、11月と比べると12月は混雑の度合いが緩和してきている」と 指摘する一方、「設計者の中に、依然として手間取っている方々がいることは 耳に入っている」と述べ、建築申請の初期段階に問題があるとの認識を示した。

GDP

内閣府が2月14日に公表する10-12月期の国内総生産(GDP)一次速 報では、民間住宅投資が引き続き、成長率の足を引っ張る見通しだ。

ドイツ証券経済調査部の松岡幹裕氏チーフエコノミストは30日付のリ ポートで、10-12月期の実質GDP成長率(一次速報)について、外需主導に より前期比0.5%の増加(年率1.9%)を見込んでいる。このうち、民間住宅 投資は、改正建築基準法の負の影響が最大に出るため、前期比20.5%の減少を 予測している。7-9月期の民間住宅投資は同7.9%減だった。

1月の月例経済報告では、住宅建設について「依然として低い水準」とし ながらも、「持ち直しの動きがみられる」と判断を上方修正した。

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