日本株は上昇、円高一服し輸出中心-モノラインには一喜一憂(2)

午前の東京株式相場は上昇。株価指数は 朝方下落して始まったが、徐々に持ち直した。為替相場の円高一服から過度の 業績懸念が和らぎ、トヨタ自動車など輸出関連株が高い。米モノライン大手へ の資本増強が明らかになり、サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ロー ン関連の損失拡大懸念がやや和らいだことも相場を押し上げた。好業績のヤフ ーは値幅制限いっぱいのストップ高。

大和投資信託の長野吉納シニアストラテジストは、「米国の利下げと景気 対策がそろい、実体経済や短期金融市場に対するサポートは整った」と指摘。 対ドルでの為替が現在の水準程度で推移するなら、「ドル以外の円安の貯金が あることから輸出関連企業の業績にとって大きな問題にはならないだろう」 (同氏)との見方を示した。

日経平均株価の午前終値は前日比72円95銭(0.6%)高の1万3417円98 銭、TOPIXは8.77ポイント(0.7%)高の1328.88。東証1部の売買高は 概算で10億804万株、売買代金は1兆2742億円。値上がり銘柄数は1225、値 下がり銘柄数は376。東証業種別33指数の騰落状況では、輸送用機器や電気機 器、情報・通信、化学、卸売、機械など22業種が上げた。銀行、保険、小売、 その他金融などは安い。

また、米金融当局による追加利下げが30日に行われた点については、市 場では予想通りとの見方が大勢だが、「0.5ポイントの利下げ効果はあなどれ ない」(いちよし投資顧問の秋野充成運用部長)との声も聞かれている。

下落後に切り返す

格付け会社フィッチ・レーティングスがモノライン4位のファイナンシャ ル・ギャランティー・インシュアランスの信用格付けを引き下げたことや、米 格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が米住宅ローン担保証 券(RMBS)など計5340億ドル(約56兆6700億円)相当を格下げしたか、 格下げ方向で見直していることを表明。利下げ後の米国株が安くなった流れを 引き継ぎ、朝方は銀行など金融株中心に売りが優勢となった。

もっとも、外国為替市場では円高の勢いがやや一服。さらにモノライン大 手MBIAがウォーバーグ・ピンカスからの5億ドル投資が完了したことや、 さらなる資金調達を目指すことが明らかになると、銀行株を中心に急激に下げ 幅が縮小した。大和投信の長野氏は、「MBIAに対する今回の増資は不安感 が多少後退する」と一定の評価を与えた。半面、「もともと保証額が膨大なの で、それで金額が十分かは不安が残る」(同氏)とし、不透明感が完全に払し ょくされるわけではないともいう。

雇用統計待ち

朝方に日経平均が190円安の1万3100円台まで下落しながらも、大きく 下値を売り込む動きにはならなかった要因の1つは、2月1日の米雇用統計に 対する期待感もある。

給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセッシング (ADP)エンプロイヤー・サービシズが30日発表した給与名簿に基づく集 計調査によると、1月の米民間部門の雇用者数は前月比13万人増加した。 「ADPの調査が良かったことから、雇用統計への改善期待が下値を支える格 好となっている」(大和証券SMBCエクイティ・マーケティング部の高橋和 宏部長)という。

ヤフーは急騰、キヤノン大幅安

個別では、07年10-12月期連結純利益が前年同期比13%増と好調で、ク レディ・スイス証券が格上げしたヤフーは10%超まで買われストップ高。10- 12月期純利益が前年同期比40%増と好調で、みずほ証券が投資判断を引き上 げたセイコーエプソンが急騰。業績発表を受けて、クレディ・スイス証券がと もに格上げしたショーワと日立物流もそろって大幅高。30日の取引時間中に業 績予想の上方修正を発表したダイハツ工業は続伸となった。

一方、08年12月期業績予想が市場コンセンサスを下回ったキヤノンが大 幅安となり、輸入・販売していた中国産の冷凍食品の自主回収を開始したJT が大幅続落。警視庁による家宅捜索報道を受けて事実関係を調査中としたグッ ドウィル・グループは値幅制限いっぱいのストップ安で東証1部値下がり率の トップとなった。08年3月期業績予想を下方修正した伯東やルネサンス、アン リツ、リコーなどもそれぞれ急落した。

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