日マクド株が4年超ぶり安値、店長の待遇改善費用を警戒-地裁判決

ハンバーガー国内最大手の日本マクドナル ドホールディングスの株価が続落。前日比53円(3.1%)安の1674円と、2003 年3月10日以来、約4年11カ月ぶりの安値水準を付けた。同社の元店長が会 社側を相手取り残業代の支払いなどを求めた訴訟で、東京地裁が元店長の主張 を全面的に認める判決を出した。店舗内管理職の待遇改善などで年間40億円の 人件費負担増を指摘する声もあり、中長期的な収益が圧迫されると警戒された。

東京地裁は28日、埼玉県熊谷市内にあるマクドナルドの店舗で店長をして いた高野広志氏(46歳)が残業代の支払いなどを求めていた裁判で、高野氏の 主張を認め、約755万円の支払いを命じる判決を出した。斎藤巌裁判官は「日 本マクドナルドの店長の権限は店舗内に限られており、経営者と一体的な立場 で事業を行う管理職に当たらない」と述べた。

29日付の朝日新聞朝刊によると、高野氏は1987年に日マクドに入社、99 年に店長に昇格、労働基準法で言う「管理監督者」として扱われたため、規定 時間を超えて働いた場合でも残業代などの割増賃金が支払われなかった。勝訴 後に厚生労働省内で記者会見した高野氏は「多くの店長はサービス残業をして いる。裁判所も認めてくれたので声をあげて欲しい」と述べた。

一方、29日付の東京新聞朝刊は、支払命令のあった約755万円のうち、残 業代や休日出勤手当が2年分で約500万円だったことを伝え、「仮に直営店の 店長約1700人に残業代を支払えば、単純計算で年間42億円強のコスト増にな る」と指摘した。

一連の報道を受けて、株式市場関係者の間でも将来的な人件費増加が懸念 されたもようだ。また野村証券金融経済研究所の田坂克之アナリストは、係争 中の案件のため歯切れの良いコメントはできないと断った上で、「日マクドに 限らず、外食や小売り企業全般で働き方を見直す動きが出てくるだろう。店舗 をマネージできる人材をどう養成していくか、かなり広範な問題になるのでは ないか」と述べた。

日マクドHコーポレートリレーション本部コミュニケーション部の蟹谷賢 次・統括マネジャーは今回の東京地裁の判決を受けて、「主張が認められず残 念。控訴する方向で検討している」と話した。直営店の店長などの残業実態や 割増賃金の支払い状況については「係争中のため具体的なコメントは遠慮させ てもらいたい」とした。

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