訂正:日経平均年内19000円へ、米利下げ効果受ける-21世紀AM清水氏

ヘッジファンドを運用する21世紀アセッ トマネジメントの清水孝則代表取締役社長は、2008年の世界の株式市場に楽観 的だ。「米国は今夏以降に利下げ効果が出て、実質2.5-3%成長を維持する だろう。同国の株式市場は前半変動が大きくなるが、年間上昇率は2-3割に なり、主体性に欠ける日本株もこれに連動する形で、日経平均株価は1万9000 円まで上昇する場面もあるだろう」と予想する。

清水氏によると、年初からの世界的な株安は「これまでは世界の投資家が エマージングや先進国の株式などに資金を一辺倒に傾け、高流動性を背景に各 市場は大きく上昇していたが、サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ロ ーン問題などによってそのほころびが出てきた」ことが背景だ。

2000年以降の平均が20程度という米S&P500先物のボラティリティ(価 格変動率)は、先週半ばに30%を超えた。清水氏は「債務担保証券(CDO) 問題が不透明なことで不安心理が高まったということだが、さすがに行き過 ぎ」と述べ、世界の株式相場は徐々に戻りを試す局面に入るとみる。

強気の背景は、オイルマネー、中国などの外貨準備、先進国の豊富なマネ ーサプライ、キャリートレード、政府系投資ファンド(ソブリン・ウェルス・ ファンド、SWF)や年金などの長期資金という5つの流動性。高い流動性を 背景に、米国をはじめとする株式市場への資金流入が期待できるという。

ただ、エマージング株式の先行きには慎重だ。特に中国は、これから政府 が持ち株を放出してくることから、株式の需給が悪化、国内の資金が海外に向 かうとみられる。不況が予想される米国からの圧力もあり、人民元は秋口にも 切り上げられる可能性がある。清水氏は、切り上げ幅を2-3割と予想。海外 投資家は円もアジア通貨の1つと見ていることから、人民元に円が連れ高する 展開が想定され、「円は1ドル=100円割れもあるだろう」と清水氏。

米国経済は底堅く推移

米国の景気が足元で鈍化し、これが世界経済に影響を与えるとの懸念が強 まっている。この点について清水氏は、1-3月は大幅な景気減速は避けられ ないが、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げの効果に期待感を示す。 これにドル安という支えが加わり、減税などの景気刺激策も早々に出る見通し であることから、米経済は前半に1-1.5%成長にとどまるものの、後半は2-

2.5%の伸びに回帰すると予想する。世界の経済成長率に関しては、4%以上を 維持すると考えている。

原油価格については、米国の07年第4四半期(10-12月)と08年第1四 半期(1-3月)の景気減速によって需要が減退するため、当面は1バレル= 70-80ドルまで下げるとの見方。ただし、年末にかけては景気回復を反映して 再度100-110ドルへの上昇を見込む。

足元下げはヘッジF主導、収益改善で連れ高へ

足元の日本株市場は、安値を模索している。日経平均の一目均衡表を見る と、28日時点で日経平均株価は1万3087円と、雲の下限である1万5562円の はるか下方に位置している。ヘッジファンドの売買が市場の半分を占めている 現状から、相場下落時はこうしたファンドが思い切り売りポジションを傾ける ため、大きく下げる傾向が見られる。この数カ月、海外投資家の売りが目立つ が、その5割がヘッジファンドの売りというのが清水氏の推測だ。

日本は利上げのタイミングを逃しただけに、「本来今やるべき利下げが大 変難しい状況。政治も与野党逆転によって混乱気味で、新しい減税策などが期 待薄」(清水氏)と、主体性に欠けている。

しかし、08年の世界経済4%成長はグローバルに事業を展開している日本 の企業に恩恵をもたらす。「内需さえしっかりすれば、日本も1.5-2%の成 長は可能だろう」と清水氏。円高に対する警戒は必要だが、リストラと事業の 選択と集中、費用削減で企業の収益性は改善し、企業業績は回復基調にある。 米国株に連れ高する形で、「日経平均は年末に1万9000円程度まで上昇する可 能性がある」(清水氏)と見込む。

-- 共同取材 小笹俊一 Editor:Shintaro Inkyo

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