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郵船:通期予想増額、荷動き活発や高水準のドライバルク市況など(5)

国内最大手の海運会社、日本郵船は29日 の決算発表で、通期(2008年3月期)業績予想を上方修正した。荷動き活発化 のほか燃料油価格の下落傾向、高水準のドライバルク(ばら積み船)市況など を反映した。

郵船の株価は午前の取引終了後の決算発表を受け、午後の取引で一時、前 日比58円(7.6%)高の821円にまで上昇した。

通期予想は売上高2兆5800億円(前期比19%増)、営業利益2000億円 (同91%増)、経常利益2000億円(同86%増)、純利益1200億円(同85% 増)にいずれも上方修正。売上高、経常利益とも過去最高を更新する見通し。 従来予想は、売上高2兆5400億円、営業利益1820億円、経常利益1800億円、 純利益1110億円だった。

ドライバルク市況は高水準

上方修正はドライバルク市況が高水準で推移していることが主因。市況は 昨年11月以降下落しているが、前年同期の市況が低水準だったことや、郵船 の売り上げ計上方式が「完了主義」であることなどから前期に比べて予想以上 の収益が見込めるようになった。

会見した五十嵐誠常務は完了主義で契約した輸送について「ほぼ3月末ま で確定しており、通期予想には市況変動の分も織り込んでいる」と語り、仮に ドライバルク市場で現状のような一本調子の下落が続いても、今期決算への影 響は少ないと語った。

昨年11月に1万1039ポイントの最高値をつけて海運活況をけん引してき たバルチック・ドライ指数は、その後、下落の一途をたどり、12月末には 9143ポイント、今年1月25日には5780ポイントをつけて安値を更新している。

五十嵐常務はドライバルク市況について「昨年の高騰は明らかに異常」だ ったと指摘。ただ、「現在の下落は、鉄鉱石の価格交渉や海外の港湾設備の台 風被害などの影響による季節的な調整の一部と捉えている。ファンダメンタル ズには変化がないので、いずれまた回復する」とみている。

郵船の業績予想は妥当

野村証券金融経済研究所の成田康浩アナリストも「完了基準で計上してい れば、12月以降の契約も完了しているはずで、今期の収益は確定している」と 述べ、郵船の業績予想を妥当と評価する。

問題は来期以降のバルチック指数下落の影響だが、成田氏はバルチック市 況の変動の季節性や昨年11月以降の下落の反動から、「リバウンドするとみ ている」という。リバウンドしないリスクとしては、中国の鉄鋼生産を挙げて いる。鋼材価格の値決めで鉄鋼メーカーが生産調整を余儀なくされれば、原料 鉄鉱石や石炭の輸入も減速する。仮にそうなれば「いつも需要が一服する5月、 6月に下落するリスクはある」と成田氏は語っている。

郵船が同日発表した07年4-12月期の連結純利益は、前年同期比91%増 の931億円となった。売上高は同21%増の1兆9374億円、営業利益が同93% 増の1486億円、経常利益は同86%増の1497億円だった。船隊拡大や取扱量の 増加に加え、コンテナ船の運賃修復、ドライバルク市況が高水準で推移するな どで大幅増収となり、燃料油価格の高騰などのコスト増大を吸収した。

昨年春に再建計画を発表した子会社の日本貨物航空(NCA)については、 今期に265億円の経常損失とする従来予想を継続した。

4-12月期から4-9月期を差し引いてブルームバーグ・ニュースが算出 した第3四半期(10-12月期)の連結純利益は前年同期比で倍増の382億円だ った。

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