日本株(終了)反発、米利下げ期待で輸出や新興国関連高い-海運急騰

東京株式相場は米国での大幅な利下げ期 待を背景に、自動車や電機など輸出関連株中心に急反発した。大手商社や鉄鋼、 非鉄金属といった世界景気拡大の恩恵を受ける業種も上昇。業績を上方修正し た日本郵船がけん引し、海運株は東証1部業種別上昇率でトップとなった。

クレディ・スイス投信の冨山邦夫日本株式運用部長は、「株式市場では時 期や下げ幅で議論されがちだが、リセッションを防ぐために米国が金融緩和に 動いている方向性は決して悪くない」と強調。財政政策も考慮すれば、「米景 気が大きく落ち込むとは考えづらく、安心感が出ている」(同氏)と語った。

日経平均株価の終値は、前日比390円95銭(3%)高の1万3478円86 銭、TOPIXは35.70ポイント(2.8%)高の1328.73。東証1部の売買高は 概算で21億4717万株、売買代金は2兆5231億円。値上がり銘柄数は1508、 値下がり銘柄数は181。東証1部業種別33指数では、精密機器とゴムを除く 31業種が値上がりした。

米政策期待で不安後退、一般教書演説も

米国景気悪化への対策期待から過度な不安心理が後退し、東証1部銘柄の 87%が上昇するなど幅広く上げた。29日から開催される米連邦公開市場委員会 (FOMC)を前にして、米国では住宅関連指標の悪化を受けてフェデラル・ ファンド(FF)金利を予想する先物動向が0.5%の利下げを86%織り込む水 準まで上昇した。安田投信投資顧問の茶野宏ファンド運用部長は、「米国での 大幅利下げ観測に加え、欧州による利下げの可能性も高く、流動性供給は株式 市場にとってもプラスになる」と評価する。

利下げ観測の高まりのきっかけとなった07年12月の米新築一戸建て住宅 販売(季節調整済み、年率)は60万4000戸と前月比4.7%減少し、ブルーム バーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の平均(64万7000戸)を下回 った。しかし、みずほインベスターズ証券投資情報部の稲泉雄朗部長は、「K Bホームなど米国の大手住宅4社の株価は年末年始から大幅に上昇しており、 先見性のある株価はすでに悪化を織り込んでいる」と見る。

ブッシュ米大統領は28日、任期最後の一般教書演説で、大統領・議会選 挙を控えた政治論争をやめ、景気刺激策やその他米国にとって必要な法案の成 立を急ぐよう議会に呼び掛けた。大きなサプライズがなかったとして同演説後 には一時的に株価が伸び悩む場面もあったが、米政策期待に日本郵船など堅調 な企業業績の発表も追い風となり、株価指数は午後にかけて一段高となった。

好業績株が急伸

午後に株価が見直される一因となったのは、企業業績の堅調さだ。ファナ ックや住商情報システムなど28日に好決算を発表した企業が急伸したほか、 昼には日本郵船が中国向けの鉄鋼原料の荷動きが活発なことなどから08年3 月期業績予想の上方修正を発表。海運株が急騰するなど、連想による株価見直 しが進んだ。28日には、業績発表後に大きく売られていた新日本製鉄も反発。

クレディS投信の冨山氏は、「世界経済のスローダウンの影響から、始ま ったばかりの10-12月期業績発表はモメンタムが落ちている印象がある」と 解説。ただし、全体としては堅調だとし、「株価は景気悪化を先行して織り込 んできたことから、大きなネガティブ要因にはならないだろう」と見ている。

住商情報が高い、NECトキは値下がり1位

個別では、08年3月期連結営業利益が前期比16%増と従来予想を上回る 見通しで、自社株買いも発表した住商情報システムが急騰。10-12月期業績が 好調だった新日鉄ソリューションズ、ゴールドマン・サックス証券が格上げし たいすゞ自動車も上げた。07年12月期業績が増益を確保したもようと午前の 取引終了後に発表した三陽商会、200万株を上限とした自社株買いを午後に発 表したいちよし証券は、それぞれ午後に大幅高。

半面、08年3月期の連結最終損益が一転して赤字になる見通しと午前の取 引終了後に発表したNECトーキンが急落して東証1部値下がり率1位。23日 に発表した中期経営計画で表明した生産能力増強による設備投資負担増が懸念 された日本ケミコンは、野村証券による格下げも加わって同2位と急落。08年 3月期の利益予想を下方修正した日本配合飼料も売られた。業績懸念で28日 に売られたHOYAと日立建機は続落。HOYAは、クレディ・スイス証券よ る投資判断引き下げの材料もあった。

新興市場は反発

新興市場はそろって反発した。東証1部市場の急反発で不安心理が後退し、 時価総額上位のネット関連株中心に上昇した。市場では外部環境の不透明さか ら、「今年は外需関連から内需関連へシフトが進みそうで、銀行やネット関連 株などに見直し余地がある」(みずほイ証の稲泉氏)としていた。ジャスダッ ク指数の終値は前日比0.56ポイント(0.9%)高の61.36、東証マザーズ指数 は6.92ポイント(1.1%)高の656.49、大証ヘラクレス指数は17.10ポイント (1.7%)高の1004.94。

個別では、みずほ証券が新規に投資判断を5段階で上から「2」としたネ ット広告代理店首位のサイバーエージェントが急騰したほか、楽天、SBIイ ー・トレード証券、サイバー・コミュニケーションズ、ダヴィンチ・アドバイ ザーズなどが上昇。半面、テレウェイヴ、日本マクドナルドホールディングス、 ミクシィ、エン・ジャパンなどが下落した。

--共同取材:PATRICK RIAL Editor:Shintaro Inkyo

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