東京外為:円が下落幅縮小、株の先安警戒感くすぶる-106円台半ば

午前の東京外国為替市場では円が下落幅を 縮小する展開となった。ドル・円相場は1ドル=106円台半ば近辺と、朝方に付 けた107円14銭(ブルームバーグ・データ参照、以下同じ)から円が水準を切 り上げた。米国の追加利下げ期待を背景とした日米の株価上昇を受けて円売り が先行したものの、米金利先安観からドルの上値は重く、株の下落警戒感も残 るため、ドル高・円安の進行は限られた。

JPモルガン・チェース銀行為替資金本部の棚瀬順哉FXストラテジスト は、朝方は日本株の上昇期待で円売りが先行したものの、日経平均が上昇して 開始したあとは息切れ気味になったと説明。米国のサブプライム(信用力の低 い個人向け住宅ローン)問題をめぐっては依然として状況が不透明だとしたう えで、「株のボラティリティが引き続き高止まりの状況となっており、悪材料 には神経質に反応する可能性が警戒されるため、リスク回避姿勢の後退に伴う 円安はなかなか持続性を持ちにくい」とみている。

加えて、この日は「ユーロ建て債の償還に絡むユーロ売り」(棚瀬氏)に 押された面もあり、需給要因で全般的に円が徐々に水準を切り上げる展開とな った。対ドルでは106円39銭まで円が反発。対ユーロでは一時1ユーロ=158 円53銭を付ける場面も見られたが、157円13銭まで値を戻した。

株のボラティリティは高止まり

28日に発表された昨年12月の米新築一戸建て住宅販売は1995年2月以来 の低水準にまで減少。また、新築価格の中央値も37年ぶりの大幅な下落率とな った。住宅指標の弱含みを受けて、30日の米連邦公開市場委員会(FOMC) でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標が0.5ポイント引き下げられる との観測が一段と強まる格好となった。

前日の米株式市場では利下げによる景気のてこ入れ期待から、ダウ工業株 30種平均が反発。この日の東京時間も、日経平均株価が反発して取引を開始し ており、外為市場ではリスク投資の代表格とされる株式の持ち直し期待から、 リスク選好的な低金利の円で資金を調達して高金利通貨などに投資する円キャ リートレードの動きが意識されやすい面があった。

半面、株価の予想変動率の指標であるシカゴ・オプション取引所(CBO E)のボラティリティ指数(VIX指数)が28日に27.78と、前日の29.08か らわずかに低下したものの、依然として昨年11月下旬以来の高水準に張り付い ている。

この日の米国時間には、「サブプライムやモノライン(金融保証会社)関 連で、懸念材料が出てくれば、株安につながる可能性がある」(JPモルガン・ 棚瀬氏)との警戒感が残り、円売りの動きは限定的となった。

FOMC控えレンジ感も

また、市場では、「FOMCを控えて、レンジ感が強まっている」(みず ほコーポレート銀行国際為替部・松澤真史調査役)との指摘も聞かれている。

FOMCについては、「株の持ち直しを背景に利下げ幅が0.25ポイントに とどまれば、失望感から株が売られ、円の買い戻しにつながる可能性がある一 方で、市場が織り込んでいる0.5ポイントの利下げとなれば、株高・円安の展 開もあり得る」(松澤氏)ことから、積極的に動きにくい面があるようだ。

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