ビクターと船井電株が急反発、薄型テレビで相互補完の報道好感(2)

経営再建中の音響・映像会社の日本ビク ターが19円(11%)高の190円、船井電機が主力の大証1部で一時360円 (9.3%)高の4240円まで急反発した。29日付の日本経済新聞朝刊が、両社が 生き残りを目指して液晶テレビを相互供給するなど、薄型テレビ事業で提携す ると報じ、今後の経営効率化などを見込んだ買いが先行している。午前10時 19分現在、ビクターは11円(6.4%)高の182円、船井電は270円(7%)高 の4150円。

日経新聞によると、提携は液晶テレビのOEM(相手先ブランドによる生 産)の相互供給から始める。2月からビクターがメキシコの工場で生産した37 型テレビを年20万台規模で供給し、船井電が主力の北米市場で販売。続いて 今夏から、船井電がポーランド工場で生産した19-32型製品を年30万台規模 で供給し、ビクターが欧州で販売する。両社は資本提携も視野に入れていると 伝えている。

報道について両社は29日、「何も決まっていない」とのコメントを出し た。ビクターは30日に、第3四半期(07年10-12月期)の業績発表を予定し ている。なお、船井電では2月4日に業績発表を予定。

ビクターの利が大きい

大和総研の三浦和晴アナリストは、日経新聞の報じた相互供給が事実だと すれば、相対的に船井電よりもビクターに利が大きいとの認識を示している。 欧州での船井電からビクターへの供給は「両社にメリットがある」(同氏)が、 北米でのビクターから船井電への供給が船井電に利するかは、両社の商品戦略 の違いもあり「疑問」(同氏)だからという。

ビクターは06年歳末商戦で大型テレビ戦略につまずいたことなどで昨年 7月、中堅AV会社ケンウッドとの資本・業務提携に合意。08年度中の経営統 合を視野に入れケンウッドとの提携を加速させている。

こうした流れの中、新開発の42型以上の高精細液晶テレビは、今年3月 から欧州で、日米よりも先行して発売する。同社が今夏に開催されるサッカー の欧州選手権のスポンサーを務めるなど、欧州では強いブランドイメージを持 つ事情を考慮した柔軟な戦略だ。船井電から中型サイズのテレビ供給を受けれ ば、今夏の欧州選手権の商戦時に品ぞろえの充実が可能で、船井電も「DVD レコーダーなどでもそうだが、OEM供給でしっかり利益を取っている」(三 浦氏)。

商品戦略の差、資本提携時のシナジーは疑問

三浦氏は半面、北米での供給は商品戦略の違いが影を落とすと分析。船井 電は自社ブランドの場合、「どうしても低所得者向け」(同氏)が主力だ。高 品質を志向するビクターから37型の製品を供給されたとしても、高価格で売 るのは難しいという。

また三浦氏は、仮に日経報道通りに両社が資本提携したとしても、「シナ ジー(相乗効果)は見込めない」とコメントしている。高品質志向のビクター と低所得者向けの船井電では、対象顧客が違うことなどを理由に挙げている。

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