日本株(終了)4営業日ぶり急反落、米景気と為替警戒-業績追い打ち

週明けの東京株式相場は4営業日ぶりに 急反落。米国の政策動向など重要日程を前に警戒ムードが強い中、円高による 企業業績への悪影響が懸念された。輸出関連株中心に東証1部の業種別33業 種はすべて下落。新日本製鉄やHOYA、日立建機など業績発表を行った銘柄 が大きく売られ、精密機器、鉄鋼、機械の下げも大きくなった。

農林中金全共連アセットマネジメント運用部の中村一也次長は、「米国の 景気減速への警戒で、買い戻し以外の買いが入ってこない」と指摘。米国景気 や円高の影響でこれまで市場が懸念していた企業業績は、「各業界の主力企業 で実際に表れ始めたことから、2番手以降の銘柄へも波及する可能性がある」 (同氏)との見方を示した。

日経平均株価の終値は前週末比541円25銭(4%)安の1万3087円91 銭、TOPIXは51.74ポイント(3.9%)安の1293.03。東証1部の売買高は 概算で21億5897万株、売買代金は2兆6068億円となり、先週末25日の午前 と比べて15%超減少した。値上がり銘柄数は290、値下がり銘柄数は1377。

外部環境への懸念、指数は安値引け

外部環境と企業業績への懸念が高まり、じり安の展開となった。日経平均 は午後に一段安となり、先週末25日に記録した今年最大の上昇幅(536円)を 帳消しにし、この日の安値引け。今週は米国時間28日にブッシュ米大統領の 一般教書演説、29日から30日かけて米連邦公開市場委員会(FOMC)、2 月1日に1月雇用統計などが予定されている。財政政策や金融政策の概要をほ ぼ株価に織り込んだことで、「次の手掛かりは限られることから、発表ととも に好材料出尽くしになることもあり得る」(農林中金の中村氏)という。

株安によるリスク資産の圧縮で、外国為替市場では再び円高が進展。中国 の代表的な株価指数CSI300指数が先週末比7%超まで下げるなどアジア株 も急落し、米景気減速による新興国経済への悪影響もくすぶっている。米国や 中国など外需の伸び悩み傾向から、「日本は1-3月には景気は後退局面に入 る可能性が高い」(ゴールドマン・サックス証券の山川哲史チーフエコノミス ト)との指摘も出た。

このほか、27日付の英紙サンデー・タイムズによると、欧州を拠点とする ヘッジファンドのうち最大10本が、損失を受けて投資家が資金を引き揚げる 動きが強まったことから解約を停止したという。需給の不透明感から買いが手 控えられた一面もあったようだ。

低調業績でセンチメントも悪化

買い材料に乏しい中、企業業績の低調が市場のセンチメントを大きく悪化 させた。今週からは国内でも10-12期決算の発表が本格化するが、午前は円 高などから10-12月期業績が伸び悩んだ日立建機が急落。CLSAアジアパ シフィック・マーケッツが、日立建と同時に格下げしたコマツも大幅安となっ た。販管費の上昇で08年3月期の連結純利益を従来予想比11%減へ減額した 野村総合研究所はストップ安。

さらに午後に入ると、業績発表を行ったHOYAや新日鉄、JSRなどの 下げが拡大。為替による業績への影響を不安視する見方が浮上し、東証1部値 下がり率上位にはJUKI、ローランドなど輸出比率の高い銘柄がランクイン。 好業績を受けて25日には一時上昇した任天堂もストップ安となった。受注動 向に対する不透明感から、きょうの取引終了後に決算発表を行うファナックも 9%安まで売り込まれた。

損保ジャパン・アセットマネジメントの木谷徹シニア・インベストメン ト・マネージャーは、「来期の業績見通しは、今後下方修正の予想がセルサイ ド(証券会社のアナリスト)から出てくるのは避けられない」と、企業業績へ の警戒感を口にしている。

銀行も売られる

銀行株も反落した。先週末25日の海外では、ベルギー最大の金融サービ ス会社フォルティスが住宅ローン関連証券に絡み評価損を追加計上するとの観 測が浮上。金融機関に対する追加損失の警戒が高まり、欧州や米国で金融株が 下落した。東洋証券の檜和田浩昭ストラテジストは「米国系金融機関の決算は 終わったものの、次は2月に決算を控える欧州系金融機関の損失が相場にネガ ティブな影響を与えかねない」と予想していた。

Dインキュが値下がり首位、FDKは値上がり1位

個別では、投資先のIPO(新規株式公開)が計画通り進まなかったこと などで08年3月期の業績予想を下方修正したドリームインキュベータがスト ップ安となり、東証1部値下がり率首位となった。07年10-12月期業績発表 時に08年3月期通期の業績予想を据え置いた富士通ゼネラル、ゴールドマ ン・サックス証券が格下げしたSUMCOなども大幅安となった。午後に08 年3月期業績予想を下方修正したペガサスミシン製造も売られた。

半面、26日付の日本経済新聞朝刊で、東芝がアルカリ電池の製造を8月に も全面委託すると報じたFDKが急騰して東証1部の上昇率1位となった。07 年4-12月期の連結経常利益が前年同期比3.7%増だったマースエンジニアリ ング、08年12月期連結経常利益が15%増見通しのHIOKIもそれぞれ急伸。 08年3月通期の連結営業利益予想を従来の3900億円から4140億円に上方修正 したKDDIは売買代金上位で堅調。

新興市場も安い

新興市場もそろって4営業日ぶりの反落。東証1部市場の下落を受けて投 資家心理が悪化した。ただ携帯電話の有害サイト規制の影響が限定される方向 で見直されるとの各社報道を受け、コンテンツ関連の一角が堅調だったことな どで指数の下げ幅は東証1部に比べて小幅だった。ジャスダック指数の終値は 前週末比1.23ポイント(2%)安の60.80、東証マザーズ指数は13.95ポイン ト(2.1%)安の649.57、大証ヘラクレス指数は13.61ポイント(1.4%)安の

987.84。

個別では、楽天、SBIイー・トレード証券、ミクシィ、アセット・マネ ジャーズが下落。半面、インデックス・ホールディングス、ザッパラス、ng i groupは上昇した。

--共同取材:近藤 雅岐  Editor:Shintaro Inkyo

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